継子の尻を荊棘で拭う
ママコノシリヌグイの特徴
ボタ爺
この図の特徴を押さえておけば、ミゾソバ、イシミカワ、アキノウナギツカミなどの近縁な植物と区別できるぞ!
ママコノシリヌグイ基本情報
- 標準和名:ママコノシリヌグイ
- 学名:Persicaria senticosa
- 分類:タデ科イヌタデ属
- 分布:東アジア
ママコノシリヌグイは日本列島や中国、朝鮮半島に広く分布するタデ科の植物です。日当たりの良い空き地や土手などに群落を作ります。葉の形が少し牛の正面顔に似ていること、葉の付け根に丸みを帯びたハート形の托葉があること、そして何より茎や葉脈に並ぶ鉤爪形のトゲが特徴です。
触ると痛い鉤爪
ママコノシリヌグイの茎や葉には鉤爪形のトゲがびっしりと並んでいます。うっかり手で握ると痛いので気をつけましょう。
ソバに似た花
タデ科の植物なので、花はソバや ミゾソバに似ています。ひとつひとつの花は先端がピンク色に色づき、5〜10個寄り集まって球形の花序を形作ります。燃え落ちる寸前の線香花火のような美しさですが、茎や葉の禍々しいトゲのせいで、儚げな雰囲気は感じられないかもしれません。
ボタ爺
ピンク色の部分は、実は「花弁」ではなく「萼」なんじゃ。
ママコノシリヌグイの名の由来
ママコノシリヌグイの特徴は、茎や葉脈に並ぶ鉤爪形のトゲ。このトゲを見て、「この植物の葉っぱで継子の尻を拭いたら、さぞ痛いだろうなあ」と想像をした人が過去にいたようです。昔話によくある「継子いじめ」からの連想でしょうが、それが「継子の尻拭い」という名前の由来になりました。
ボタ爺
なかなか陰湿な名前じゃが、一度聞いたら忘れにくいな。
ママコノシリヌグイのトゲの役割
ボタニ子
この凶悪なトゲは、いったい何のためにあるの?
ママコノシリヌグイは、他の植物や人工物の表面をよじ登るように伸びていきます。このとき、鉤爪のような形をしたトゲは周りのものに引っかかって茎を固定するのに役立ちます。茎を太く丈夫に育てるのは時間がかかるので、代わりにトゲでつかまって茎を補強するのです。
ボタニ子
このトゲは、もちろん人間の手にも引っかかるよ。ママコノシリヌグイを抜く時は、必ず厚めの手袋を着けて作業しよう!
ママコノシリヌグイを探してみよう
一回聞いたら忘れにくい、トゲのある名前「ママコノシリヌグイ」。由来になった鉤爪形のトゲは、茎を固定し素早く伸びるために役立っています。庭や公園、農地など日当たりの良い場所に生えやすいので、意識して探してみれば身近な場所で見つかるかもしれません。
ボタニ子
トゲは痛いけど、よく見ると綺麗な花が咲くんだね。見つけたら観察してみよう!
ママコノシリヌグイ(出典:著者作成)