ニリンソウとは
ニリンソウは、キンポウゲ科イチリンソウ属の植物です。全国の山林に自生しており、春になると花を咲かせます。多くの花は真っ白ですが、中には淡いピンク色をした品種もあります。また、五枚の小さな花びらの中心には、長い雌しべと小さな雄しべがたくさん生えています。
学名 | Anemone flaccida |
和名 | ニリンソウ |
分布 | 日本全土・東アジア |
草丈 | 15cm~20cm |
二輪ずつ咲くからニリンソウ
ニリンソウという和名は、一つの茎に二輪ずつ花をつけることが語源になっています。しかし、実は必ず二輪ずつ咲くとは限りません。イチリンソウ・サンリンソウという花もあるため誤解されやすいのですが、中には、一輪だけ咲いているものや三輪ついているニリンソウも見つかります。
茎から直接葉が生える
ニリンソウのもう一つの大きな特徴は、葉が茎から直接生えている、ということです。多くの植物は、葉と茎は葉柄(ようへい)と呼ばれる短い茎でつながっています。しかしニリンソウの葉は、まるで竹のように茎から直接生えてくるのです。ちなみに葉は、決まって一度に3枚ずつ生えてきます。
冬のアイヌの貴重な食料
ニリンソウは、アイヌ語ではプクサキナといい、古くから親しまれてきた食材でもあります。花の咲く春にたくさん摘んで乾燥させ、寒い冬になるとさまざまなジビエ肉とともに煮込んで食べていました。肉類の臭みやクセをやわらげ、また旨味を増すと言われています。
地域によっては絶滅危惧種
ニリンソウは、全国の野山に分布しているため、見る機会も比較的多い花です。しかし、時代が進み各地の開発が進むにつれ、徐々に数を減らしてきました。現在では自生数を減らし、佐賀県や和歌山県などいくつかの地域で絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。
肌の弱い人は要注意
ニリンソウは、一般的には毒性のない植物だと言われています。しかし、アネモニンやプロトアネモニンなどの成分を含むため、素手で触れるとかぶれることがあります。また、生で食べると胃腸が荒れ、おう吐や下痢などの症状を起こすことがあるので注意しましょう。
花言葉は「友情」など
ニリンソウの花言葉は「友情」です。これは、一つの茎になかよく花が二輪咲く姿にちなんでいます。他にも同じ語源で、「協力」「ずっと離れない」というものもあります。しかし同時に、猛毒であるトリカブトと葉がそっくりであることから「予断」という花言葉もあります。また、3月7日の誕生花でもあります。
ボタニ子
あのトリカブトとそっくりだなんて……どうやって見分けたらいいのかしら。次のページで確認してみないと。
出典:写真AC