姫女菀(ヒメジョオン)とは
「姫女菀」は、キク科・ムカシヨモギ属の一年草です。元々は明治時代からの外来種です。今では、どこでも見かける身近な野草になりました。
姫女菀の特徴
小さくてかわいらしい花が特徴です。キク科特有の太い茎の先で枝分かれして、たくさんの花を咲かせます。花の形は菊に似ていますが、花弁がとても細いのも特徴です。また、花の時期は初夏から(5〜8月)です。晩秋まで見られることもあります。さまざまな場所で見られる野草ですが、そのかわいい姿とは裏腹にとても繁殖力が強いので、庭などでは厄介な雑草です。
読み方はヒメジョオン?ヒメジオン?
気になる読み方ですが、正しくは「ヒメジョオン」です。よく似た花に「ハルジオン」があるので、読み方も混同されやすくなりました。
姫女菀(ヒメジョオン)の名前の由来
小さくてかわいいその姿は、まさに「姫」のようですね。いろいろな場所で見つけることができるので、写真を撮る人たちにも人気があります。
女菀と紫苑の意味
紫苑(シオン)は、キク科の多年草という意味です。女菀は、中国産の野草の名前(ジョオン)です。
特徴を表した名前
「姫女菀」の姫は、小さくてかわいい花の名前に付けられます。「春紫苑」は、読んで字の如く春に咲くキク科の紫苑です。
姫女菀の名前の由来
日本に渡来した「姫女菀」。当初は「柳葉姫菊」(ヤナギバヒメギク)と呼ばれました。また、線路沿いに咲いて「鉄道草」(てつどうそう)と呼ばれることもありました。姫女菀の名前の由来には、二つの説があります。
由来①
本来は、小さい紫苑という意味で「姫紫苑」(ヒメジオン)と付けようとしたところ、既に中国に「姫紫苑」(ヒメシオン)という花があったため、区別するために「姫女菀」という名前がついた説があります。
由来②
中国の花「女菀」(ジョオン)に、かわいらしいという意味の姫を付けた説もあります。
姫女菀(ヒメジョオン)と似ている春紫苑(ハルジオン)
「春紫苑」は、見た目も「姫女菀」ととても似ています。よく見比べれば違いが分かりやすいですが、それぞれを別々に見ると区別がつきにくいため、名前も混同されやすくなりました。
春紫苑の特徴
春紫苑は、キク科ムカシヨモギ属の多年草です。大正時代に園芸種として日本に来ました。花弁が糸のように細かく柔らかく細いのが特徴です。開花は春(4〜5月)です。貧乏草という呼び方もあります。生命力がとても強く薬剤にも強いので、特に農家にとっては天敵です。
まとめ
見た目も似ている「姫女菀」と「春紫苑」名前もこんなにも似通っているのですから、混乱するのも無理もないですね。正しくは、ヒメジョオン、ハルジオンです。
出典:写真AC