アッツザクラとは
アッツザクラはピンクや白の小さく可憐な花を咲かせる球根植物です。「アッツ桜」と「桜」の字を使って書くこともありますが、桜や桜草とは全く違う植物です。育て方は簡単で、丈夫です。鉢植えや庭植えで花を咲かせ、球根を増やして育てることができます。アッツザクラの特徴や種類、育て方をご紹介します。
アッツザクラの基本情報
名称 | アッツザクラ、ロードヒポキシス |
学名 | Rhodohypoxis baurii |
分類 | キンバイザサ科ロードヒポキシス属 |
原産 | 南アフリカ |
種類 | 半耐寒性球根植物(多年草) |
草丈 | 10cm〜15cm |
開花時期 | 5〜6月(鉢物は11〜4月) |
アッツザクラは南アフリカ東部ドラケンスバーグ山脈が原産地とされています。ロードヒポキシス属は濃いピンク色の花を咲かせる「バウリー(baurii)」の一種です。1920年代にイギリスで品種改良され、昭和の初めの頃に日本に輸入されました。多数の園芸品種が生み出され、丈夫で育てやすく人気となりました。
南アフリカ原産球根植物
南アフリカ共和国は、変わった多肉植物が多く自生しています。旧ケープ州に自生している球根植物はケープバルブ(cape bulb)と呼ばれ、葉の形や大きさが不思議なものが多く最近人気の植物です。アッツザクラ「ロードヒポキシス」は可憐な花ですが、古くから日本で育てられてきたケープバルブと言ってもよいでしょう。
アッツザクラに似ている植物
上の画像はヒポキシスメンブラナセアです。葉がアッツザクラに似ています。キンバイザサ科の他の植物ではキンバイザサ科コキンバイザサ属のヒポキシス・コルチシフォリアがあり、アッツザクラと同じ南アフリカ原産の球根植物です。初夏に黄色い花を咲かせます。茎や葉っぱ、つぼみにアッツザクラと同じような白い毛が生えています。
アッツザクラの名前の由来
アッツザクラは「アッツ桜」とも書きますが、桜や桜草とは違う種類です。ではアッツザクラの名前はどうして付けられたのでしょう。本当の由来はわかっていませんが、いくつかの説をご紹介します。
学名
アッツザクラの学名Rhodohypoxisはギリシア語の「バラ色」を表す「ロードン(Rhodo)」とコキンバイザサ属の植物を表す「ヒポキシス(hypoxis)」を合わせた名前で、「バラ色をしたヒポキシス」という意味です。
アッツ島
アッツザクラの「アッツ」はアメリカ合衆国アラスカ州、アリューシャン列島の「アッツ島」に由来する説があります。アッツ島は第二次世界大戦中に日本とアメリカの戦地となった島です。日本が占領したことを記念して名付けられた説、また後に激戦の末、日本がアメリカに敗れ、多くの戦死者を出したことを悼み名付けられたという説もあります。また日本人が桜好きだから園芸業者が名付けたなど諸説あります。
「アッツ桜」とも書き、名前に「桜」が付きますが、桜・桜草とは全く違う種類です。桜草は日本に自生している植物で、サクラソウ科サクラソウ属の多年草です。葉っぱの形は楕円形でシワが多く、花弁が5枚に裂けているものが多いです。
アッツザクラの特徴
花の特徴
品種改良された八重咲きのもの以外は、花弁が6まいです。原種は花の中心部に雄しべと雌しべが見えません。花色は赤みの強いピンクから淡いピンク、白黄色、ぼかしや絣模様が入るタイプがあります。
葉っぱの特徴
葉っぱやつぼみに細かい白い産毛が多く生えています。草丈は5〜10cmくらいになり、冬には枯れてなくなります。
球根の特徴
直径1cmくらいと小型です。掘り上げたままだと乾燥してしまうので、植えたままにする必要があります。新しい球根は元の球根の上部に重なるように増えていきます。通常の育て方でよく増えます。
ボタニ子
次は、種類や育て方について紹介します。