萩(ハギ)とは
秋という季節を感じさせる萩(ハギ)は、夏から秋にかけてしだれた枝に紫色の花をたくさん咲かせる日本原産の植物です。日本では昔から見て楽しむだけでなく、生活の中でも利用するなど色々な場面で親しまれてきました。ここでは、そんな萩の基本情報や名前の由来などについてご紹介します。
萩の基本情報
学名 | Lespendza bicolor var.japonica |
英名 | Bush clver |
和名 | ハギ(萩) |
属名 | マメ科ハギ属 |
分類 | 落葉低木 |
原産地 | 日本・朝鮮半島・中国 |
大きさ | 背丈1~2m 横幅1.2~2.5m |
葉の特徴 | 3枚複葉 縁がギザギザしていない 種類によって葉先が丸いものや尖っているものがある |
道具や薬としても利用されてきた萩
萩は観賞用としてだけでなく、日常生活でも色々な形で利用される植物でした。葉っぱは家畜のえさに、花の時期が終わった枝はほうきやかやぶき屋根の材料になります。また、根っこを乾燥させたものは、煎じて婦人病のめまいやのぼせの薬としても使われてきました。小豆島では現在でも萩の枝でほうきを作って利用しています。
名前の由来
萩(ハギ)の名前は「生芽(はえき)」という言葉が由来となっているといわれています。萩は寒い時期になると地上部分が枯れてしまいますが、あたたかい季節になると残った株からまた新しい芽が生えてきます。この新しい芽を「生芽(はえき)」といい、これが訛って「ハギ」と呼ばれるようになりました。また、漢字の「萩」は中国から来たものでは無く旧暦の秋に咲く花という意味から日本で作られた漢字です。
萩の花言葉
萩にはいくつかの花言葉が付けられています。その多くは萩の女性らしいたおやかさや儚げな姿形から連想されるものです。ここでは、代表的な萩の花言葉をご紹介します。
花言葉①「思案」
萩は、夏から秋にかけてしだれた枝にたくさんの花を咲かせますが、秋が深まると風に揺られてはらはらと花びらを散らします。桜などの華やかな花に比べて控えめな美しさを持つ萩は、その少し寂しげな姿から恋心を募らせて物思いにふける「思案」という花言葉が付けられました。
花言葉②「柔らかな心」
萩は、開花の季節になると小さく可憐な花をたくさん咲かせ重たそうに枝をしならせます。それでも折れることなく風に身を任せ揺れる姿は、儚さだけでなく柔軟に物事を受け流す強さも感じさせます。そんな、柔らかくも強い萩の姿から「柔らかな心」という花言葉が付けられました。
花言葉③「前向きな恋」
萩は、生命力が強く枯れたと思った株から毎年新しい芽を出し夏までに2m近くまで枝を伸ばし花を開花させます。しかも、枝を切ってもどんどん伸びていきます。また、平安時代の恋愛は花の枝に恋文を結んでやり取りをするという方法で、萩は恋文を結ぶ枝としてよく使われていました。これらのことから萩に「前向きな恋」という花言葉が付けられました。
萩の花の特徴
萩はその可憐な姿から大昔から日本人に愛されてきた植物で、和歌や絵画など季節や心情を表す花として扱われてきました。日本最古の和歌集である万葉集にもっとも多く登場するほどです。そんな色鮮やかでかわいらしい萩の花の特徴や開花時期などについてご紹介します。
萩の花の色や形
萩の花は、マメ科の植物特有の蝶のような形をしています。花の大きさは1~2cmほどで、1つの株にたくさんの花を咲かせます。萩の花の色で1番多く見られるは赤紫色ですが、種類によって白やピンク色の花を咲かせるものもあります。
萩の花の開花時期
秋の七草の1つとして有名な萩の花ですが、開花時期は7月~9月と夏から秋の初めごろにかけての季節です。秋の七草として名前をあげられたのは万葉種に載っている山上憶良の和歌が最初で、当時の7月~10月は旧暦で秋とされていたから萩は秋の花とされました。
まとめ
萩は万葉の時代から日本人に愛されてきた植物です。蝶のような花をたくさんつけて枝を風になびかせる姿は、季節だけでなく日本人の心の詫びさびを表す花として扱われてきました。萩の花言葉も同様に、切ない恋心やしたたかさなど心の詫びさびを表した言葉が多く付けられています。山などで萩の花のを見かけたら、好きな人のことを考えてみてはいかがでしょうか。