はじめに
春先、スイートピーは園芸店や花屋で、切り花やあんどん仕立ての鉢、ポット苗などとして売られています。お祝い事などのプレゼントとしても重宝されています。スイートピーの花色は赤やピンク、白、紫、オレンジ、褐色と豊富で、花の姿や大きさも多種花多様です。香りも柔らかく上品で、近年とても人気が高い花の1つです。そんなスイートピーを育ててみませんか。
スイートピーはどんな花?
フリルのような花弁が美しいスイートピーは、その姿を見ているだけで心が癒されるでしょう。ここでは、スイートピーの基本情報や種類を説明します。スイートピーの魅力に迫っていきましょう。
スイートピーの基本情報
学名 | Lathyrus odoratus |
和名 | 麝香レンリソウ、麝香エンドウ、カオリエンドウ |
科 | マメ科 |
目 | マメ目 |
属 | レンリソウ属 |
種 | スイートピー |
原産地 | イタリアのシチリア島 |
性質 | 1年草 |
スイートピーはマメ科の1年草で、草丈は高いもので2m近くにも育ちます。つるひげを伸ばして周りに絡みつきながら成長していく性質を持ちます。発芽適温は15~20℃と暖かな環境が望ましいです。花姿からは想像しがたいですが、種には毒性があります。また「スイトピー」といわれることがありますが、正しくは「スイートピー」です。
スイートピーの咲く時期は4月~10月頃です。見頃を迎えたスイトピーの美しさは格別です。
スイートピーの種類
スイートピーは、大きく「春咲き品種」「夏咲き品種」「冬咲き品種」の3種類に分かれます。夏咲き品種はサマースイートピーとも呼ばれ、特に人気が高い種類です。また、背の高い品種や背の低い品種があったり、特徴的な巻きひげのない突然変異種もあったりするなど、その数は100種類を超えます。ホームセンターやネット通販を利用して、お気に入りの種類を見つけるのも楽しいでしょう。
ボタニ子
ここからは、スイートピーの詳しい育て方についてお伝えしましょう。
スイートピーの育て方
スイートピーは、種からと苗から育てられます。ポット苗は、正月を過ぎた時期から店頭に並びます。手軽さを優先するなら、苗を選ぶとよいでしょう。また、スイートピーは、同じマメ科の植物を植えていた場所で育ててるのはNGです。なぜなら、連作障害を起こしてしまうからです。特に地植えで栽培する場合は気をつけましょう。
育て方①環境
スイートピーを育てる際は、スイートピーの好む環境をつくるのが理想です。地植え・鉢の置き場所ともに、日当たり良好で風通しのよいところを選びましょう。比較的寒さには強い植物ですが、冷え込んできたら藁や腐葉土で株周りをマルチングするのがおすすめです。
育て方②種まき・植え付け
種の準備
種まきの時期は、温暖地で10月半ば~11月半ばが適しています。また、スイートピーの種は硬く普通に種まきしても発芽しません。発芽させるために、種を半日から1晩くらい(それ以上浸けるのはNG)水に浸けて、種皮を柔らかくしてから植えつけましょう。水に浸しても種が膨らまず何の変化もないときは、種の表皮に消毒したカッターナイフで傷をつけ、発芽を助ける工夫をするのがおすすめです。
種まきの方法
地植えで種まきする場合は、株間を30cmくらいあけましょう。鉢植えなら、10cm程度の株間がベターです。深さ2~3cmの穴を掘り、その穴に吸水処理をした種を3粒ずつ入れて、種の上から土をかぶせます。鉢やプランターでの種まきの場合は、鉢の1/5~1/6くらいの深さに鉢底石を敷きましょう。この上から配合した用土を入れて、平らにならします。深さ1cmの穴に種を3粒ずつ植えましょう。
種まき後の管理
種をまいたら、たっぷりと水やりをします。鉢植えなら直射日光に当たらない場所に置き、芽が出るのを待ちます。芽が出たら、元気な苗を1株だけ残して残りはハサミで切り取りましょう。引き抜くのはNGです。苗を間引くときに引き抜いてしまうと、ほかの苗の根を傷めてしまい育ちにさせてしまう可能性があるからです。このひと手間で、スイートピーはより美しく育つでしょう。
ポット苗の植え方
ポット苗は、購入したらできるだけ早く、根っこを崩さずにそのまま植え付けます。スイートピーの根は直根性といって、太い根っこが真っ直ぐに伸びます。太い根に傷が付くと、成長に悪影響を与える可能性が高いです。根を崩さないよう慎重に植え付けましょう。
ひらひらとしたフリルのような花弁は、見ているだけでうっとりします。花束の花材としてもよく利用されていますね。