フウセントウワタ(風船唐綿)とは
フウセントウワタ(風船唐綿)はキョウチクトウ科フウセントウワタ属の植物です。元来はガガイモ科に属していましたが、DNA解析による分子系統学に基づいたAPG分類体系でキョウチクトウ科に移されました。「風船唐綿」は、風船のような実の中に綿が入っていることからついた名です。「唐」は外国から来た植物であることを意味します。
別名はフウセンダマノキ
学名はGomphocarpus physocarpusです。フウセントウワタ属を意味するGomphocarpusは、ギリシア語のこん棒(gomphos)と果実(carpos)が合わさったもので、果実の独特な形に由来します。別名はフウセンダマノキ(風船玉の木)です。
フウセントウワタの特徴
フウセントウワタは熱帯の環境である南アフリカ原産の低木です。草本にも見えますが幹は木質化しており、原産地では越冬して毎年花実をつけます。日本では春まき一年草として扱われるのが一般的です。しかし0℃以下にならない環境では根が越冬し、多年草となります。園芸植物が野生化した姿も見られ、丈夫な植物です。
草丈(樹高)や葉の特徴
フウセントウワタの幹は細く淡緑色で直立し、高さは1~2mです。上方の若い茎は短い綿毛で覆われますが、根元の幹は木質化して、「低木」の特徴が表れています。葉の色はくすんだ緑色です。葉の形は長さ5~13cm、幅6~18mmと細長く、葉柄側から葉先に向かって細くなっています。
花の特徴
🌧️🌅🌧️10月29日(火)雨
— つーちゃん(サカイユミコ) (@km1U5O9E9Hd9CfB) October 28, 2019
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🌿🌼🌿Good morning🌿🌼🌿
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誕生花💐10/29
【風船唐綿】
🌼フウセントウワタの花
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花言葉🌼
「多忙」「楽しい生活」
「隠された能力」
「逆境と繁栄」
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花期は6月下旬~9月で、色はクリーム色がかった白色です。枝先に近い葉のつけ根から花茎が伸び、直径7~15mm程度の花が3~10個垂れ下がるようにつきます。風船の実のほうが観賞価値が高いとされますが、花も特徴的な形状です。花冠は5枚の反り返った花弁が合わさった形で、縁が毛のように細かく裂けています。
蜜はアリの大好物
中心部はずい柱と呼ばれ、雄しべと雌しべが合着したものです。ずい柱の周りの5つの紫色を帯びた袋状の部分は、副花冠と呼ばれます。副花冠には蜜が多いのでチョウなども来ますが、特にアリのお気に入りです。
実の特徴
フウセントウワタには、8~10月にとげとげの風船のような果実がつきます。風船の実はS字型に屈曲した果柄についており、直径5~10cmくらいです。とげとげの剛毛は長さ1cm程度ありますが、意外にもやわらかく、触っても刺さりませんし痛くもありません。果実は晩秋~冬にかけて成熟すると、割れて綿毛のついた種子を放出します。
風船唐綿 の
— beni-hoppe (@new_ringo_1230) December 8, 2018
風船 が 弾けて 旅立ち です。
思いの ままに
飛べますように …#風船唐綿 pic.twitter.com/ebt3IEmNaA
果皮は左画像のように中空二重構造で、種子をしっかりと守っています。きっちりと並んだ種子は長さ約6mm、幅約3mmの平らな卵型です。片端には長さ約3cmの絹のような光沢の種髪(しゅはつ)がついています。種髪は綿毛のことで、果実内ではきれいにたたまれた状態です。風船の実が割れて種髪が徐々に広がると、右画像のように風に乗って旅立ってゆきます。
花言葉
花言葉は「隠された能力」
フウセントウワタの花言葉は「隠された能力」です。華やさはありませんが、甘い蜜で虫を誘うことからつけられたという説があります。または、この花からとげとげの風船の実ができる不思議さや意外性から、つけられたのかもしれません。フウセントウワタは10月25日の誕生花でもあります。
実の花言葉は「たくさんの夢」
フウセントウワタには果実にも花言葉があり、「たくさんの夢」です。実がだんだん大きく膨らんで、割れると綿毛が飛び立っていく様子が、はちきれんばかりに夢を膨らませて旅立ちを待っているように見えたのでしょう。
フウセントウワタの毒性
風船唐綿🎈フウセントウワタ
— 島田 忍 (@shimada_shinobu) October 4, 2016
小さな白い花が咲きますが、そこは捨てです。観賞するのはこの実る果実
熟すまで水に挿して楽しんで、熟すとかパッと割れて、中から、綿毛と種が出てくるの〜。茎から出る白い樹液は毒性があるので気を付けて #秋の花 #風船唐綿 #実る果実 pic.twitter.com/HtjjEdlCkl
フウセントウワタは、どこを切っても白い樹液がにじみ出します。この液には毒性があり、目に入ると角膜炎を起こすことがあるので危険です。フウセントウワタを扱った手で目をこすらないよう注意します。手袋をして作業し、作業後は手をよく洗いましょう。特に子供がいる家庭では注意が必要です。羊などの家畜が食べた場合は最悪死に至るので、ペットにも気をつけましょう。
ボタ爺
樹液の毒性には注意が必要じゃが、育ててみたい魅力的な植物じゃ。日常の手入れや育て方、増やし方は簡単なのかのう?
出典:写真AC