フウセントウワタの育て方
風船唐綿←漢字合ってるかな(笑)❓
— ドキン@devildokin (@devildokin) December 23, 2019
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風船の実がかわいいフウセントウワタを、育ててみたいと思う方もいるかもしれません。フウセントウワタの故郷は熱帯の環境ですが、日本の環境でも比較的温暖な地域では野生化するほどの生命力があります。育て方や増やし方、水やり、日常の手入れなども簡単です。
適した生育環境
フウセントウワタは大きくなると2mにもなるので、地植えが適しています。鉢植えにする場合は大きな鉢を選びましょう。適した生育環境は日当たりのよい場所です。また、風通しが悪いとアブラムシが発生しやすくなります。防除などの手入れに手間がかからないように、風通しがよい環境を整えて予防しましょう。
用土と植え付け・植え替え
植え付けや植え替えの適期は気温が上昇してくる5月~7月上旬です。複数の株を地植えにする場合は間隔を30~50cmとります。冬越しさせる育て方をする場合は一層大きく育つので、1m程度の間隔が必要です。植え付けや植え替えの際には、通気性と水はけのよい肥沃な用土を用います。水はけの悪い用土では根腐れを起こしやすいです。
用土は排水性を重視
用土には市販の草花用培養土を使うこともできます。自分で用土を配合する場合は赤玉土6:腐葉土3:パーライト1程度で混ぜ合わせ、水はけのよい環境づくりをしましょう。元肥として緩効性化成肥料を加えておきます。地植えの場合は盛り土をして排水性を向上させるのも、よい育て方です。
水やり・肥料
地植えの場合は、適当な降雨があれば特に水やりは必要ありません。鉢植えの場合は、用土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりをします。水やりのし過ぎは根腐れの原因となるので、過剰にならないように注意が必要です。
肥料は控えめに
地植えの環境では、用土に元肥が含まれれば、その後の肥料はほぼ不要です。鉢植えの場合は、生育期の5~9月に月に1回程度肥料を補います。緩効性化成肥料を与えるか、窒素分の少ない液体肥料を水やりの際に混ぜて与えましょう。肥料が多すぎる環境では、姿にまとまりがなくなったり、花が少なくなったりします。
日常の手入れ
フウセントウワタは温暖であれば日本の自然環境に適応できるほど丈夫で、基本的に手入れに手間がかからない植物です。ただ、アブラムシの被害には悩まされます。風通しをよくして予防し、見つけたらすぐに駆除することが大切です。また、背が高くなったら倒れないように支柱で支えてあげましょう。
冬越し
フウセントウワタは寒さには強くありません。しかし、0℃以下にならず霜が降りない暖地では、屋外で冬越しが可能です。冬越し中は水やりを控え、肥料も与えません。地上部が枯れずに越冬した場合は、3月頃に3分の1程度の高さまで切り詰めましょう。低い位置から新しい芽が出てきます。
冬越しさせるより種まきが手軽
鉢植えの場合は秋に切り戻して室内に取り込むと、冬越しできます。ただし大きくなる植物に見合った大きな鉢ですから、移動や置き場所に苦慮するかもしれません。冬越しのための手入れに時間をかけなくても、種まきによる増やし方で容易に翌年も花実が楽しめます。
増やし方
発芽適温は25℃以上
増やし方は一般的に種まきです。種は、果実が成熟して割れたところで採取します。果実のついた枝を生け花として楽しみ、熟して綿毛が出てきた頃に採取するのもおすすめです。種は紙袋などに入れて冷暗所で保管します。発芽適温は25℃以上なので、種まきの適期は十分に気温が上がる4月下旬~5月中旬です。
5~6月に植え付け、植え替え
ポットに種まきをしたら1cm程度土をかけます。発芽までは2~3週間かかるので、乾燥させないように管理します。5~6月くらいまでポットで手入れをして、根がよく回った頃に植え付け・植え替えをしましょう。冬越しさせたフウセントウワタならば、挿し木も可能です。春に新しく伸びた枝を切って、切り口からしみ出した樹液をよく洗ってから挿します。
フウセントウワタの利用方法
フウセントウワタは、魚のハリセンボンがふくれたような個性的な実が人気です。庭に植えても目を引きますが、インテリアとしても活躍します。原産地では他の使い方もあるそうです。どんな利用方法があるのか見ていきましょう。
生け花として利用
気づけばもう11月も1/3を経過。ぼちぼち忘年会の話も出てきて、もう年末なんだなと実感する今日この頃。 #生け花 #銀座 #風船唐綿 #ヒペリカム #ストック pic.twitter.com/5MqBWB9Zpx
— いけばな小原流 銀座教室 (@BhtwBT1qmeGhTsN) November 9, 2019
フウセントウワタは切り花や生け花に利用されます。観賞されるのは、もっぱらユニークな形の果実です。葉はすぐに萎れて見苦しくなるので、葉を取って果実がついた枝を飾ります。その際、切り口から出る白い樹液をよく洗い流すか拭き取ってから生けましょう。毒性があるばかりでなく、液が固まると茎の切り口をふさいで水上げを悪くするからです。
ドライフラワーとして利用
フウセントウワタの実はドライフラワーとしても利用されます。切り取った枝を少量ずつ束ねて、風通しのよい日陰に逆さまに吊るしておきます。少量の水を入れた花瓶に生けておき、飾りながら乾燥するのを待つドライ・イン・ウォーター法も可能です。乾燥して褐色になった実は趣があります。熟して割れて白い綿毛のついた種がのぞいている様子も面白いです。
原産地での利用法
原産地の南アフリカでは、絹のような光沢を持つ種髪(綿毛)を集めて、枕やクッションの詰め物に利用するそうです。また、伝統的に薬としても利用されます。根は腹痛などの痛み止め、葉は乾燥して粉末化したものを頭痛の際の吸入薬剤とするのです。毒性のある樹液はイボの治療に使われます。ケニアのキクユ人は樹皮の繊維を採取して紐にし、儀礼用の首飾りを作りました。
まとめ
とげとげの風船のような実が印象深いフウセントウワタは、花期から実が熟するまで長く楽しめます。生け花やドライフラワーとしてもインパクトのある花材です。樹液の毒性に注意が必要ですが、水やりなどの育て方や増やし方も簡単で、初心者にもお手入れできます。フウセントウワタを育てて、個性的な実を庭やお部屋のアクセントとしてみてはいかがでしょうか。
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出典:写真AC