一般的に、ニガナとは?
写真:二ガナ
ニガナという植物をご存知でしょうか。ニガナは苦菜と書き、日本全土の海岸沿いの岩場や砂地に自生するキク科ニガナ属の植物で、黄色い花を咲かせます。苦みが多いのが特徴で、その苦みが名前の由来となっています。ただし、その種類は実に多いですが、どの種類の葉をかじっても苦いです。
二ガナの種類
ニガナは同じに見えて少しずつ違う
本土に自生するの苦菜は、実は自生している場所によって少しずつ違います。タネニガナ、クモマニガナ、シロバナニガナなどの変種も多数存在します。しかも、どれもよく似ていて素人目には区別がつかないのに、ニガナ属、ノニガナ属、アキノノゲシ属など様々な品種があるのです。以下のリンクの「ジシバリ」も二ガナの一種です。
ンジャナとは?
本土のニガナも沖縄のニガナも、漢字では同じく苦菜と書きます。ンジャナとは、苦菜の沖縄の方言です。この記事では、分かりやすく沖縄の苦菜をンジャナと表記しています。
写真:ンジャナ
一方、沖縄には、ンジャナという伝統野菜があります。ンジャナは別名ホソバダワンといい、キク科アゼトウナ属です。沖縄の海岸沿いの岩場や砂地などに自生していて、沖縄では一般家庭の庭の片隅に2、3株植わっているようです。島豆腐やツナと和えるのが、沖縄の伝統料理です。
ニガナとンジャナは同じもの?
そもそも本土のニガナ属の苦菜と、沖縄の方言でンジャナと呼ばれるアゼトウナ属のニガナは見た目はそっくりでもまったくの別品種です。
ニガナとンジャナの共通点
本土の苦菜と沖縄のンジャナには、その見た目以外にも共通点があります。それは苦菜という漢字からもわかるように、苦いのです。本土の二ガナも、沖縄のンジャナもどれも葉をかじってみるととても苦いです。
ンジャナの原産地は沖縄?
沖縄で食べられるンジャナの原産地は日本の島根県より南部から沖縄、中国の海岸沿いなどです。畑で育てることもできますが、苦い方が好きな人は、海岸沿いに自生しているものを食してみるといいでしょう。海沿いで塩分をしっかり浴びて育った苦菜の方が、畑で栽培するよりもかなり苦いようです。
ンジャナは沖縄の伝統野菜
そもそも沖縄とはかなり環境の厳しい島です。夏は台風が多く、強い風と雨で作物が根こそぎ駄目になってしまうことも珍しくはありません。そして夏は暑く、冬も温かい、それが沖縄です。そんな沖縄ではぐくまれた栄養満点の伝統野菜、それがンジャナ(二ガナ)なのです。
ンジャナの特徴
ンジャナの特徴は、当然のことながら、その苦みです。ゴーヤよりも苦いというから相当です。料理しても苦いです。さすがに苦菜と書くだけはあります。とはいえ、近年まではせいぜい庭の片隅に少しあるか、海岸沿いに自生するものを食べていたようです。沖縄でも大規模に栽培する農家はほとんどいません。
古くは琉球王朝時代から
ンジャナの歴史は古く、琉球王朝の時代には滋養強壮に効く薬草として食べられていたようです。カリウム、カルシウム、ビタミン、マグネシウム、鉄分、ポリフェノールなどが豊富な、栄養価の優れた野菜なのです。
ンジャナの効能
ンジャナの効能としては、胃腸の働きをよくしたり、風の時の解熱、咳や頭痛に効果があるのではないかと期待されています。さらに、特に海岸部に自生するものは栽培されているものよりもポリフェノール含有量が多く、抗酸化作用にも期待が寄せられているのです。
ンジャナの栽培方法
ンジャナは沖縄では畑で栽培され、出荷もされているれっきとした野菜です。栽培、出荷する農家が少ないとはいえ、いないわけではないのです。今回は苗を植える時期や栽培方法、収穫の時期などを詳しく見てみましょう。苦いのが苦手、という人も、沖縄伝統の苦菜の白和えなどにして食べれば苦みもさほど気になりません。栄養豊富なや野菜ですからぜひ作って、食べてみてくださいね。
苗は自生しているものを採取がおすすめ
ンジャナはかなり丈夫で、簡単に栽培できる多年草です。一番簡単な方法は、海岸沿いに自生しているものを根っこごと優しく採取して、畑に植えましょう。これと言って手間が必要なこともなく、定着さえすればあとはいつでも収穫して食べることができます。苗は沖縄の園芸店でも購入可能です。植える時期は10月か3月頃がおすすめです。
水やり
土が乾いたら水をあげるといいですが、プランターならともかく、庭植えであればそこまで水やりは必要ではありません。基本的には雨で十分に育ちます。プランターの場合は土が乾いたらしっかりと水をあげるようにしましょう。
肥料
肥料はそこまで必要ではありません。そもそもその辺に自生している野草でもあるので、かなり丈夫なのです。余程でない限り、枯れたりはしないでしょう。ただし、野菜として食べる苦菜はあたたかい地方に自生しているので、耐寒性は期待できません。
気温
基本的にはとても丈夫な植物なので、九州地方などの温かい場所で育成するなら、特に気温を気にすることはないでしょう。雪の多い日本海側や東日本で育てる場合には寒さにだけは注意しましょう。冬にはプランターを室内の温かい場所に移動するか、ベランダや庭から動かせない場合は、藁や囲いなどを使って保温してください。
収穫時期
ンジャナは通年で収穫が可能です。可食部分は葉で、食べるときに葉を何枚かちぎり、収穫します。時間が経つと、また葉が生えてきて、収穫できるようになります。食べたいときにいつでも食べられるのがンジャナの特徴です。