安芸クイーンってどんな品種?
安芸クイーンは、巨峰どうしを掛け合わせてつくられた品種です。とても甘く食べやすいぶどうですが、生産量はまだ多くないため「幻のぶどう」などと表現されることもあり、近年注目を集めています。
名前の由来
安芸クイーンという名前は、広島県の果樹試験場安芸津支場で生まれたことに由来しています。別名クリスタルローズとも呼ばれますが、どちらも美しさを連想させる名前です。
旬の時期
安芸クイーンの旬の時期は、栽培地によって異なりますが、大体8月中旬から10月ごろまでです。温暖地やハウス栽培ではもっと早い時期にとれることもあります。なお安芸クイーンが誕生した広島県では、8月下旬ごろから旬の時期になります。
安芸クイーンの産地
安芸クイーンは三重県や岡山県、広島県といった西日本での栽培が多い傾向にあります。生産量が少ないため身近なスーパーにはまだ普及していませんが、インターネット購入で産地から直送してくれるお店も多く存在します。
安芸クイーンの特徴
皮の特徴
安芸クイーンの皮は、鮮やかなワインレッド色です。皮がむきやすい品種ですが、薄い皮なのでそのままでも食べられます。
大きさの特徴
巨峰どうしを掛け合わせた品種であるため、粒が大きい点が安芸クイーンの魅力のひとつといえます。ひとつ13g~15gとボリュームたっぷりでジューシーな粒は、ほおばると口いっぱいに味と香りが広がり、食べ応えも十分です。
味の特徴
安芸クイーンは甘味の強い種類のぶどうで、糖度は18~20度のものがよく出回っています。酸味もありますが比較的抑えられ、甘味を強く感じる味です。親品種が巨峰のため、巨峰の風味も感じられます。
栄養の特徴
安芸クイーンのみならず、ぶどうにはブドウ糖やポリフェノールといった成分が豊富に含まれています。ぶどうの栄養成分やそのはたらきについてご紹介します。
ブドウ糖
ブドウ糖は、英名をグルコースといいます。日本においては、ぶどうにたくさん含まれることからブドウ糖という名がつけられました。脳にとって重要な栄養源であり、そのはたらきに影響を及ぼすことでもよく知られています。
ブドウ糖は、人の記憶、認知力に影響を与える。ブドウ糖摂取により記憶力が向上することが明らかになっている。
ポリフェノール
ポリフェノールには抗酸化作用があり、ガンや動脈硬化、お肌の劣化を予防してくれるといわれています。特に皮や種に豊富に含まれているので、ぶどうを食べるならできれば皮ごとがおすすめ。安芸クイーンは皮が薄く渋味の少ない種類なので、ぜひ皮ごと食べてみてください。
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種です。目の健康改善に役立つといわれ、ブルーベリーにたくさん含まれることでも知られています。ぶどうの中でも、安芸クイーンや甲斐路といった「赤ぶどう」に分類される品種のものの方がアントシアニンを豊富に含むといわれています。
安芸クイーンの選び方
せっかく安芸クイーンを食べるなら、より状態のよいものを選びたいですよね。選び方のポイントをご紹介するので、参考にしてみてください。
選び方のポイント①果皮の色
おいしいぶどうを選ぶなら、果皮がしっかり色づいているものを選びます。ぶどうによってその品種本来の色味は違うので、購入する前に確認しておくのがおすすめです。安芸クイーンは赤色をしているので、色合いがより鮮やかで濃いものを選ぶとよいでしょう。
選び方のポイント②ブルーム(白い粉)
お店でぶどうを買うときに、果実の表面に白い粉がついているのを見たことはありませんか。この白い粉は「ブルーム」と呼ばれ、果実の脂質から作り出されたものです。ブルームは果実を病気から守る、水分を保持するといった役割を果たしていて、ブルームがついているものの方が鮮度が保たれやすいといえるでしょう。
選び方のポイント③軸の色
ぶどうは収穫後日が経つと軸が茶色く変色してきます。軸が緑色のものの方が、鮮度のよいぶどうであるといえるでしょう。
ボタニ子
次のページでは、安芸クイーンの食べ方や保存方法についてご紹介します!