ペピーノとは?果物としての特徴や食べごろの見分け方や食べ方を紹介!

ペピーノとは?果物としての特徴や食べごろの見分け方や食べ方を紹介!

アンデス原産の高級フルーツ、ペピーノについてまとめました。ペピーノの果物としての特徴、食べごろの見分け方、開花時期、種まきの時期、挿し木による増やし方、プランターでの育て方、収穫方法、おいしい食べ方まで詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.ペピーノとは
  2. 2.ペピーノの育て方
  3. 3.ペピーノの食べ方
  4. 4.まとめ

ペピーノとは

出典:写真AC

ペピーノは日本ではまだ認知度は低いのですが、南米では古くから食用として栽培されているフルーツです。そんなペピーノはどんな植物なのか、どんな味がするのか、簡単に育てられるのか、などの疑問を解き明かしていきましょう。

果物としての特徴

ペピーノはニュージーランドで栽培が盛んなフルーツです。近年、日本でも盛んに栽培されるようになりました。ナス科ナス属の植物で原産は南米アンデス山脈のコロンビア、ペルー、エクアドルなどで、古くから栽培され、品種改良も行われてきました。

名前と歴史

ペピーノはスペイン語でPpepino dulce(ペピーノ・ドゥルセ)、英名は Pear melon(ペア メロン)、 Sweet cucumber(スウィート キューカンバー)といいます。ペピーノの味がキュウリやメロンやナシに似ているため、「甘いキュウリ」という名前が与えられたのですね。日本には1980年代に導入され、栽培されているフルーツです。

植物としての特徴

ペピーノは熱帯の常緑多年性の植物です。耐寒温度は5℃程度、高温も苦手なので日本では1年草として扱われることが一般的です。生育の適温は18~24℃で、この温度の範囲内にあれば、常に開花し、結実を繰り返します。アンデス原産の植物ですから、涼しい場所を好みます。

葉と花の特徴

成長のスピードが速く、樹高は0.5~1mほどになり、成長とともに茎が木化します。楕円形の葉は互生し、長さ10cmほどやわらかい毛が葉全体を覆っています。房状に青紫色の花をつけ、大きさは直径1.5~2cm程度、5~10花の両性花です。そのうちの1~5個ほどが結実します。開花期が長いこと、ナスの花によく似ているのが特徴です。

果実の特徴

果実をフルーツとして食べることが一般的で、メロンのようなジューシーな風味とほのかに甘い香り、洋ナシのような食感が特徴です。花の時期が終わると緑色の果実をつけ、成熟してくると多くの品種でクリーム色の果皮に紫色のしま模様が縦に入ります。果実の中心部にはとても小さい種子が複数はいっています。

ペピーノの育て方

出典:写真AC

日本ではまだ知名度の低いペピーノですが、苗や鉢物で購入することもでき、温度管理ができれば育て方も簡単なので挑戦してみませんか?年に2回、春と秋の高級フルーツの収穫が楽しめますよ。では、ペピーノの育て方について解説しています。

必要な環境と日当たり

ペピーノは日当たりのよい場所で育てます。日光を好みますので、室内でも日当たりがよければ育てることができますよ。涼しい環境下ではよく育ちますが、10℃以下の低温、30℃以上の高温では弱ってしまいます。霜に当たっても枯れてしまうので、寒い季節には日当たりのよいあたたかい室内で管理するの育て方のポイントです。

土づくり

鉢植えの場合は小粒の赤玉土7に対して腐葉土3を混ぜ、水はけのよい培養土を用意します。有機物が多く含まれる肥えた土が適しており、野菜用培養土を使ってもよいでしょう。

植え付け

ペピーノは品種改良も盛んで、近年では苗や鉢ものが一般的に出まわっています。成長が早く苗から結実までの期間は約3~4カ月です。植え付けの時期は4月下旬~9月頃を目安としましょう。深く広く根をはるので、プランターに植え付けるなら大きなものを選んでください。

仕立て方とわき芽とり

育て方は基本的にはナスと同様に支柱を立てて3本仕立てで育てましょう。草丈が15cmほどになれば、主枝と脇枝の2本を決めてわき芽は摘み取ります。中心と左右にX型に3本の支柱を立て、結んで固定します。ペピーノはわき芽が次々と出てくるので、放置すると実がつきにくくなるのでこまめに取り除きましょう。

開花時期の作業

4~7月と10~11月がペピーノの開花時期です。ナスの花に似た紫色の花が咲きます。開花したらそのまま放置しても実はなりますが、人工授粉をすれば、確実に収穫率があがります。筆や綿棒で花粉を丁寧に取って花の内側を軽くなでましょう。これで人工授粉は完了です。

摘果

受粉が成功すれば3週間後には結実です。その後1週間ほどで果実を収穫できますが、実が直径5cmに成長したころに実がつき過ぎているようなら、1房2~3個になるよう大きな実を残して他は摘果しておきましょう。葉のつけ根には小さな芽がでてきますので、栄養を取られないよう摘んでおきます。

収穫

果実の収穫の時期は春と秋の年2回、果実が8~15cmになれば収穫の時期です。品種にもよりますが、紫色のしまが広がって皮全体が紫色に変われば食べごろ、ロイヤルカスタードなどの薄黄色の皮をもつ品種は皮に紫色の線が浮き出れば熟成の合図です。実がついた枝元をはさみでカットして収穫します。

収穫後のお手入れ

春の収穫後には株元から10~15cmほどを残して切り戻してあげましょう。傷んだ大きな葉や若い芽をすべて取り除きます。秋の収穫後は株元から30cmほどの高さで剪定し、気温が5℃を下回るようになれば室内の日当たりのよい場所に移動させます。冬越ししたら植え替えの時期です。成長が早いので根詰まりしやすくなったり、連作障害、立ち枯れ病予防のために植え替えが必要です。

日常のお手入れ

水やり

土の表面が乾き、葉がしおれかけてきたら、鉢底からあふれ出るくらいにたっぷり水やりしてください。果実がついたら十分な水やりが必要です。果実が肥大しきったところで水やりを控えめにすると糖度があがりますよ。寒い季節には水やりを控えめにして乾き気味に管理します。

肥料

肥料は春の収穫が終わった7月頃に花用の固形肥料を与えます。さらに9~10月に追肥を行いましょう。リン酸が多めに配合されている肥料がおすすめです。1~2週間に1度程度液体肥料を与えてもよいでしょう。

害虫

3~10月にアブラムシ、ハダニが発生しやすくなります。見つけたらすぐに防除したいので、霧吹きなどでこまめに吹き飛ばすなどの対策を行うことをおすすめします。乾燥しているときに葉水をこまめに与えるとハダニの発生を抑えられますよ。アブラムシは粘着テープなどを使用して引きはがしましょう。

増やし方

種まき

完熟した果実から種子を採取して乾燥させた後、春に種まきをします。22~25℃の気温があれば発芽しますが、ペピーノの種は発芽率が悪いのが難点です。また、種から育てても株の性質が弱くなる、果実の味も劣るころから、種まきからの増やし方は収穫目的であればあまりおすすめできません。

挿し木

ペピーノを挿し木で増やすなら時期は4~5月と9~10月です。5~7cmほどの長さで枝を切り、鹿沼土やバーミキュライトなどに挿しておきましょう。日陰に置いて土が乾かないように水やりをすると1カ月ほどで根が出て、その後新芽が出たら植え替えます。挿し木での増やし方なら半年ほどで開花し結実します。

ペピーノの食べ方

保存方法

収穫したら2~3日そのままおいて追熟することで甘さと香りが増して食べごろになりますよ。乾燥状態が続いたときに突然大量に水やりをすると果実が割れてしまうことがありますが、食べるには問題はありません。10~12℃で保管することで保存期間が長くすることができます。

ペピーノのおいしい食べ方

ペピーノは皮をむいて食べましょう。生のままメロンと同様に切り分けます。メロンや洋ナシのような味わいで甘さは控えめ、食べごろのペピーノは少し冷やしておくとおいしさが増して夏の暑い日にはぴったりですよ。甘みが少ないようならサラダや炒めものにしてもおいしいですよ。青いパパイヤと同じように料理に使うとよいでしょう。

ペピーノの栄養

日本ではまだまだ珍しいトロピカルフルーツ、ペピーノの栄養でとくに注目したいのがビタミンCの含有量の多さです。レモンやイチゴを比較するとペピーノのビタミンCの含有量は圧倒的です。ビタミンCは美白効果や肌のハリを保つ効果が期待できるので、美容にもうれしい果物ですね。

まとめ

出典:写真AC

日本ではまだ認知度が低いフルーツ、ペピーノについてご紹介しました。デパートのフルーツ売り場では1個の価格が千円近くもするペピーノですが、見かけたら購入してみてはいかがでしょうか。贅沢にジャムにしてみるのもいいですよ。

Frankincense
ライター

Frankincense

オーガニックコスメのスキンケアデザイナー。スキンケアは食べることからはじまると考えています。体の内側と外側からのスキンケアに使用する植物について興味があります。

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