ゴルビーとは
ゴルビーは大粒の赤い実が特徴的なぶどうです。日本で栽培される約50~60種類ほどの品種の中の1つなのです。大きな実の中には甘くてジューシー果肉がつまっています。希少な高級フルーツとしてギフトにもおすすめのぶどう、ゴルビーの品種としての特徴をみていきましょう。
名前の由来
ゴルビーという名前は旧ソ連の書記長であったゴルバチョフ書記長のニックネームに由来します。ゴルバチョフ書記長は、ゴルビーの育成時期である1980年代に活躍した人物であり、ゴルビーの特徴である大きくて赤い実がその人物を連想させることから命名されました。
ゴルビーの誕生
ゴルビーは山梨県で交配されて生まれたぶどうの1品種です。1983年に交配、育成をはじめ、その5年後の1988年にようやく結実しました。ぶどうとしての特徴はジベレリン処理された種なしの品種であることに加え、赤い大きな粒をもつということです。この特徴はゴルビーの交配元に由来します。
品種の特徴
ゴルビーの品種としての特徴は赤系の大粒ぶどうだということです。交配元であるレッドクイーンは赤系大玉品種、そして「伊豆錦3号」は1粒30gを越える黒系大粒品種です。ゴルビーの特徴のひとつである大きな赤い粒はこの掛け合わせによって生まれたのですね。
赤系のぶどう
ゴルビーは特徴的なワンレッドの皮をもつので、赤系のぶどうに分類されます。他に、巨峰やピオーネに代表される黒系、シャインマスカットやマスカット・オブ・アレキサンドリアなどの緑(白)系があります。果実が未熟な間はどれも果皮は緑色ですが、成熟が進むにつれて赤や黒い色素が作られるのです。
大粒品種
ゴルビーの粒はとにかくふっくら大きいことが特徴です。一粒が約20gにもなります。一般的にぶどうの1粒は平均5~7gほどで、10gにもなると大粒品種に分類されます。ゴルビーは1粒20gなので、大粒の中でもひときわ大きな粒の品種であることがわかりますね。
ゴルビーの産地
ゴルビーの全国の栽培面積の約60%は山梨県が占めています。ゴルビーが生まれた山梨県での生産が圧倒的に多いのです。山梨県に続くのは、山形県、愛知県、広島県などです。どうやら山梨県にはゴルビーがすくすく育つための条件がそろっているようです。
栽培に適した気候
山梨県生まれゴルビー、そしてその栽培面積の大部分をしめるのも山梨県です。山梨県の自然環境の特徴として、1日の寒暖の差が激しいこと、日照時間が長く、年間の降水量が少ないことがあげられます。そして山からのおいしい水と水はけのよい土壌も加えて、山梨県の環境がぶどうの栽培に適しているとされ、山梨県で栽培される果物でもっとも多いのがぶどうなのです。
ゴルビーの味の特徴
ワインレッドの果皮が美しく、きわだって大きい粒をつけるゴルビーの味も気になるところでしょう。ここからはゴルビーの味の特徴、上手な選び方、食べ頃、保存方法などをご紹介していきましょう。
糖度
ゴルビーの味の特徴はひじょうに強い甘みにあります。適度な酸味はあるもののしっかりした甘みを楽しみたい方にはおすすめです。ゴルビーの糖度は18~20度程度で、甘いぶどうの平均的な糖度が16度程度なので、ゴルビーの強い甘さが理解できますね。ゴルビーの人気はこの濃厚な甘みと芳醇な香りによるものなのです。
食感
果皮はパリッとハリがあり、果肉はとても多くジューシーでほどよく硬さがあるしっかりした食感を味わえる品種です。皮は厚めで実としっかりと密着しています。果肉には濃厚なぶどうの風味がしっかりつまっているので、ぶどう好きの方なら食べ応えはじゅうぶんですよ。
旬の時期
ゴルビーの収穫の季節は地域にもよりますが8月下旬から9月にかけてです。収穫できる期間はその内のたった2週間程度だけなので、出まわってもすぐに販売終了となってしまいます。食べ頃のゴルビーを購入できる期間はわずか2週間ほど、旬の時期を逃してしまえば、翌年まで待つしかないのです。生産量も少ないので、ゴルビーを手に入れるのは簡単ではないのですね。
出典:写真AC