ポポー(ポーポー)とは?幻のフルーツともいわれる実の特徴や食べ方は?

ポポー(ポーポー)とは?幻のフルーツともいわれる実の特徴や食べ方は?

アケビに似たポポーの実をご存じでしょうか?戦前には一般家庭の庭に植えられていたポポーの木ですが、現在では幻のフルーツと呼ばれています。謎の多いこの果物の特徴、花の季節、収穫の時期、花言葉、おいしい食べ方、アレルギーなどをまとめました。

記事の目次

  1. 1.ポポーとは
  2. 2.ポポーの植物としての特徴
  3. 3.ポポーの果物としての特徴
  4. 4.ポポーの選び方と保存方法
  5. 5.ポポーの切り方と食べ方の注意点
  6. 6.ポポーのおいしい食べ方
  7. 7.まとめ

ポポーとは

出典:写真AC

「幻のフルーツ」とも呼ばれる果物、ポポーについてご紹介しましょう。バナナと柿を足して2で割ったような味といわれていますが、その味を想像することは難しいのではないでしょうか。そんな不思議がいっぱいの果物ポポーの植物としての特徴や収穫時期などについてみていきましょう。

名前の由来

出典:写真AC

ポポーの英名は“Pawpaw”と綴ります。原産地である北米のネイティブアメリカンは、ポポーを“American custard apple(アメリカのカスタードアップル)と名付け、古くから好んで食べていました。また果実の食感から、”Poor man's banana(貧乏人のバナナ)“などというユニークな名前で親しまれています。

アケビガキとも呼ばれる

その他、ポーポー、ポッポ、ポポの木、などポポーにはさまざまな呼び名があります。ポポーはアケビに似た果実をつけ、果実の中に多数ある種はカキのそれに似ているので、アケビガキとも呼ばれています。

日本への伝来

ポポーが日本にやってきたのは明治時代、お屋敷の庭で栽培され、ひそかに高価な実生の苗が出まわり、戦後の食糧不足の時代には主食とするほどの家も存在したと伝わります。一時期は栽培が盛んに行われましたが、収穫後の日持ちが1週間程度と悪いためか、その後は栽培する家が少なくなり、今では「幻のフルーツ」となってしまいました。

ポポーの植物としての特徴

ポポーはバンレイシ科の落葉性高木で、樹高は5~10mほどに成長します。ポポーの仲間であるチェリモヤやアテモヤに比べ、耐寒温度が−30℃と耐寒性が強いため戸外での栽培も可能です。若い枝葉には殺虫成分アセトゲニンを含むため害虫に強く、農薬を使用することなく栽培できます。葉は秋に黄色く色づき、冬には落葉します。

花の季節

4~5月頃はポポーの花の季節です。葉腋(葉のつけ根)から花芽がでて、葉より前に花をつけます。緑色のつぼみは徐々に紫色に変化し、直径4cmほどの花は下向きに咲きます。肉が腐ったような香りは花粉媒介者であるニクバエや甲虫類などの虫を誘引するためです。秋になると黄緑色の果実を実らせますが、自家不結実性が強いため、他の品種や異なる遺伝子株があると安定した結実が期待できます。

果実の特徴

出典:写真AC

9~10月になると、枝に大小大きさの異なる果実をつける季節です。アケビに似た長細い楕円形で、たとえ果実が小さくても完熟するので、味は同じと考えてよいでしょう。完熟すると自然に落下し、ツヤのない黄緑色の果皮に黒褐色の斑紋が現れ、徐々に大きく広がります。

果実の色と香り

出典:写真AC

果肉の色は薄いオレンジ色または黄色で、皮を剥くとねっとりとした手触りの果肉が現れます。ポポーの果実の特徴は、その強い香りにあります。熱帯の果物特有の香りで、好き嫌いは大きくわかれるかもしれません。好きな人にはたまらなく魅力的な香りですね。

花言葉

理由はわかりませんが、バナナやリンゴなどと並んで栄養価が高いからか、ポポーの花言葉は「健康」です。ねっとり濃厚な果実は、香りも強く食べると健康になると思わせる力があるのでしょう。別名が「森のカスタードクリーム」ですから、この花言葉はイメージ通りではないでしょうか。

ポポーの果物としての特徴

味と香り

ポポーの果実の味を表現することは簡単ではありません。酸味は感じられず、甘みは強く、クリーミーでありながら、ベタベタした甘さでもないというマンゴ―とバナナとアボカドを合体させたような不思議な味です。その香りは日本酒に例えられることもあり、このトロピカルフルーツ特有の香りが好き嫌いを左右するところでもあります。

食感

出典:写真AC

濃厚でねっとり、アボカドのような食感でありながら、シャリっとした歯ざわりもあるという、その食感を表現するのが難しいのがポポーの果実です。その食感を果物の王様ドリアンやカキに例える人もいますから、いろいろな意見を参考にして、実際に食べて確認してみてはいかがでしょうか。

栄養

「健康」という花言葉をもつくらいですから、ポポーの実は栄養豊富です。エネルギーは卵10個分、ビタミンCやマグネシウム、鉄、銅、マンガン、カリウム、カルシウム、リン、亜鉛などのミネラルも豊富なので、免疫力アップや美肌効果が期待できます。アミノバランスにも優れ、カロリーは100gあたり約80kcal、バナナの可食部100gと同程度の栄養価があるのもうれしい特徴です。

食べ頃

自然に落下したポポーの実は2~3日追熟することをおすすめします。涼しい場所で追熟し、香りが強くなれば食べ頃です。注意が必要なのは、この皮の黒い斑紋の色は熟成の目安とはならないため、黒くなれば食べ頃とはならないことです。皮が黒く変色してもオレンジ色の果肉には影響しないので、黒い色を気にする必要はありません。

ポポーの選び方と保存方法

選び方

おいしいポポーの果実を選ぶときのポイントをお伝えしましょう。まず、形はぷっくりと丸みを帯び、程よく大きく成長しているもの、そして、皮の表面に傷がないものを選んでください。香りがしっかり強く、指で軽く押さえると弾力を感じるほどのやわらかさになっているものがよいでしょう。

保存法

ポポーの果実は落下後7日程度の日持ちしかなく、保存性は非常に悪いといえます。強い芳香がたつ前の果実は新聞紙などに包んで日の当たらない涼しい場所で保存します。それでもすぐに成熟するので、食べ頃を逃さず早めに食べるようにしましょう。熟してしまった果実はラップなどで包んで冷蔵庫に入れ、早めに食べきってくださいね。

冷凍保存

冷凍保存ならおいしい状態に熟した果実を長期間楽しめますよ。

  1. バットにラップをしき、皮を剥いて種を取り除いた状態の果肉を使いやすい量に分けてバットに広げます。
  2. 空気が入らないようにラップで包んで冷凍室に入れます。
  3. 凍ったらまとめて保存袋に入れて冷凍保存します。
半解凍してシャーベットのように食べるとおいしいですよ。

次のページでは、ポポーの切り方と食べ方の注意点、ポポーのおいしい食べ方をご紹介します。

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ポポーの切り方と食べ方の注意点

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