ミラクルフルーツとは
基本情報
属 | アカテツ |
科 | フルコクリコ |
原産国 | 西アフリカ |
樹高 | 2m~4m(栽培用の多くは1.5m) |
開花期 | 基本9月~10月 |
ミラクルフルーツはその名の通り、変わった特性を持つ果実をつける常緑低木樹です。別名ミラクルベリーと呼ばれ、この実を食べた後に酸っぱいものを食べても酸っぱくないというマジックのような効果があります。この原理は「ミラクリン」という舌にある味蕾(みらい)に作用する種類のたんぱく質を含んでいるからです。効果はせいぜい2時間程度で、熱さに弱いため熱い飲み物を飲むと早く効果がなくなります。
ミラクルフルーツの特徴
ミラクルフルーツの花は白く、米粒のような形と大きさをしていて、おしべが外に出ています。開花時にはほのかに甘い香りがします。また、ミラクルフルーツにははっきりとした品種はありません。葉の大きなものと小さなもので品種が分かれる程度になります。葉の小さな品種のほうが樹形がきれいにまとまりやすいので、観葉植物としても飾りやすいです。葉の大きさは5cm~10cm程度です。常緑の品種なので年間通して緑の葉を楽しめます。
ミラクルフルーツの育て方
ミラクルフルーツは近年になって国内でも苗が販売されるようになりました。しかし、低温が苦手な特徴があるので国内では露地栽培は難しいのです。また、耐暑性も特に高くはなく、夏の直射日光にも弱いので温度管理のしやすい室内での育成がおすすめです。特に観葉だけではなく果実の収穫を目的にしている場合は、小さくても温室に近い形で栽培したほうがよいでしょう。ここでは植木鉢を使って屋内で育てる場合のコツをご紹介します。
育て方①植え付け
ミラクルフルーツの苗を植え付けるのに適した時期は5〜6月です。ミラクルフルーツは酸性寄りの水はけのよい種類の土を好みます。自分で配合する場合は赤玉土とピートモス、鹿沼土、腐葉土を混ぜて使うのがおすすめです。最初に植え付ける鉢は6~8号鉢程度のものを使いましょう。大きめの鉢を使うときは、赤玉土の粒の大きさは小粒と中粒を混ぜて使うのがコツです。幼木のうちは特に置き場所に注意して管理してください。
育て方②置き場所
ミラクルフルーツの管理で重要なのが温度です。そもそもアフリカの植物なので、適温は高めの20~35℃です。この適温内で管理していれば一年中開花、結実を繰り返します。つまり、四季咲きで年中収穫できます。日向を好みますが夏の直射日光には弱いので半日陰で、それ以外は日向の風通しのよい場所を選びましょう。観葉植物としてだけであれば15℃以上あれば育成します。ただし、10℃を下回ると枯れることもあるので注意が必要です。
育て方③水やり
ミラクルフルーツは基本、表面の土が乾いたときが水やりのタイミングです。ただし、夏場や実をつけているときは、いつもよりたくさん水を欲しがるので毎日あげてください。それでも乾き気味になるときは朝晩あげてもよいでしょう。冬場など気温が低くなるときはやや乾燥気味に管理しましょう。水を与えるときはたっぷりで大丈夫ですが、鉢皿に水が入ったままにならないよう、様子を見て残った水は捨ててください。根腐れしないように注意が必要です。
育て方④肥料
ミラクルフルーツの成長期は春から秋なのでその間は月に1回ほど三要素(チッ素、リン酸、カリウム)等量配合肥料か、少しリン酸の量が多いものをメーカー規定量で置き肥しましょう。肥料をたくさん与えると、葉は育つのですが、逆に花が咲かなくなることがあるので肥料の与え過ぎには注意してください。観葉植物として育てるのであればそれでもよいですが、実の収穫を目的にしている場合は特に注意が必要です。
育て方⑤剪定
ミラクルフルーツはとても成長の遅い植物です。1年で6cm程度しか伸びません。そのため、他の植物のように季節ごとの剪定は必要ありません。枝が混み合ってきたと感じたら枝の間に適度に隙間ができるように、何本かの枝を枝元から剪定しましょう。ミラクルフルーツは蒸れを嫌うので蒸れないように剪定していく程度で大丈夫です。
育て方⑥植え替え
ミラクルフルーツの植え替え時期は6月~9月です。若い株は1〜2年で1回、成木は2〜3年に1回が目安です。ミラクルフルーツは少し根詰まり気味にしたほうがよく花が咲くので、あまり頻繁には植え替えしないほうがよいでしょう。また、植え替える鉢があまり大きいと失敗することがあるので、1サイズ程度アップするのが適しています。植え替えをした後、半年〜1年ほど実がならなくなることがあるので注意してください。
育て方⑦病害虫
ミラクルフルーツには特にかかりやすい病気はありません。害虫はカイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは5月頃に風通しが悪くなると発生しやすいので、まずは風通しをよくして発生を防ぐことが大切です。もし、カイガラムシが発生しているのを見つけたら歯ブラシなどで取り除いてください。また、まれにアブラムシがつくこともあります。
次のページでは、ミラクルフルーツの冬越しの方法と収穫についてご紹介します。
出典:写真AC