フウチソウとは？特徴や育て方を紹介！株分けでの上手な増やし方は？

フウチソウはとても強い植物なので、初めて植物を育てる方にもぴったりの観葉植物です。和風の庭でも洋風の庭でも相性がよく、合わせて植える植物を選びません。夏の庭で風に揺れる姿は大変涼やかです。育て方のポイントをご紹介します。

自生しているのは太平洋沿岸の比較的温暖な地域ですが、フウチソウは耐寒性もあるため日本国内であればほとんどの地域で栽培が可能です。水はけのよい日なたを好みますが、日陰であってもよく育ちます。ただし、夏場に直射日光を当てすぎると株が弱ってしまうことがあるので、日除けを設けるなどの対処が必要です。

フウチソウは、休眠時期である2～3月に植え付けを行います。苗はホームセンターやインターネットで手軽に購入できます。やせた土地でもよく育つので、植え付け時に基肥は必要ありません。鉢植えの場合は、ホームセンターなどで売られている一般的な園芸用培土を使用しましょう。鉢の底には水はけを確保するための石などを敷いてください。

フウチソウは乾燥があまり得意ではありません。鉢植えで育てる場合、土の表面が乾いたら水やりをするようにしましょう。地植えの場合は雨水でも充分に育ちますが、もし雨がなかなか降らず、フウチソウの葉が巻きはじめたら乾燥のサインです。株元にたっぷりと水をあげてください。

フウチソウはほとんど肥料を必要とせず、病害虫の心配もいりません。ただし、成長が遅い、葉の色が薄いなど生育不良だと感じたら、固形の窒素肥料を少量株元に施してください。このとき大量に肥料を与えると茎が伸びすぎてしまうので、少量ずつ与えて様子を見ることがポイントになります。

フウチソウは秋になるとだんだん黄色く色づいていき、冬を迎えると地上部が茶色く枯れて休眠時期に入ります。葉が枯れたら、思い切って地際から上を刈りとって剪定してしまいます。この剪定を「古葉切り」とも呼びます。こうして新芽が出やすい環境を整えてあげてください。

フウチソウは植え替えが必要な植物です。毎年が理想ですが、2年に1回でもかまいません。スコップなどで掘り起こして、傷んでしまった古い根を切り落とすなどして整理しましょう。なお、植え替えは休眠中の2～3月中に行ってください。

フウチソウは生育旺盛なため放任でもよく育ちますが、大きすぎると他の植物とのバランスが悪くなることもあります。まとまりよく小さめに育てたいと思ったら、新しい芽が出始める5月ごろに引き抜いて整理してあげるとよいでしょう。新しい芽は手で引っ張れば簡単に抜くことができます。

フウチソウは株分けで増やすことができるので、もうひとつ欲しいと思ったときも新たに買い足す必要はありません。増やしたい場合は、植え替えのときに一緒に株分けをするとよいでしょう。1つの株を2～3個に分割し、植え替えてください。このときあまり分割しすぎると生育に影響が出るため、2～3分割程度にしてください。

フウチソウは、涼やかな雰囲気でおもむきがあります。園芸用に品種改良され、いくつか種類があり、それぞれ違った魅力があります。一部をご紹介します。

キンウラハグサは、園芸品種の中でも最も普及している種類です。黄色の縞模様が美しく、強い日差しにも耐えられる強さが特徴です。

全体的に大変明るい黄金色のフウチソウです。温かみがありスッキリとしています。シンプルなので寄せ植えや花壇のふちどりにもぴったりです。海外に同じような見た目で「オールゴールド」という種類のフウチソウがあり、人気を集めています。

葉の先端のほうが赤く色づく美しい品種です。新緑の頃には庭のアクセントにもなり、盆栽にしても風情があります。日当たりの良い場所のほうが色づきやすいでしょう。

黄金フウチソウのような色合いの葉に、緑の縞模様が入ったフウチソウです。個性的で存在感があります。

日本でも海外でも、観葉植物として活躍しているフウチソウ。風に揺られている姿はとても涼しげで、独特のおもむきがあります。強健で生育旺盛なので、育て方はとても簡単です。株分けができるので、新たに増やしたいと思ったときも買い足す必要はありません。さまざまな園芸品種があるので、お気に入りの一種を見つけてください。