モクビャッコウとは?
モクビャッコウは常緑性の樹木で、冬になっても落葉せず一年中葉をつけたままです。樹高はそれほど高くなく、低木に分類されます。枝や葉の数が多く、成長すると山のように盛り上がった姿になります。モクビャッコウの葉はカラーリーフとして知られ、美しいシルバーリーフ(銀色の葉)をもつ観賞用の樹木として親しまれています。
基本情報
名前 | モクビャッコウ |
和名 | 木百紅・木百香 |
学名 | Crossostephium chinense |
分類 | キク科:モクビャッコウ属 常緑性低木 |
高さ | 30cm~50cm |
開花時期 | 11月~3月 |
分布地と自生場所
中国や台湾、フィリピンや日本などの東アジアに分布し、亜熱帯から熱帯の温暖な場所に生息します。海沿いの波のかかるような岩場や、海から突きだしたサンゴ岩の上などが自生場所です。
環境省レッドデータに指定されている
園芸品種として栽培と販売を目的に、多くのモクビャッコウが自生場所から違法に採取されたため、今では環境省のレッドデータ「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。
ボタ爺
レッドリストには脅威によってさまざまな判定基準があるんじゃよ。そのなか絶滅危惧Ⅱ類(VU)は、「絶滅の危機が増している生物」に対して指定されるランクなんじゃ。
ボタニ子
絶滅の危機にあっていたなんて…。観賞用も自生種も大切にしないといといけませんね!
モクビャッコウの特徴
特徴①葉
葉は根元が細く葉先が丸いヘラ状で、長さは約3cm~10cmほどです。品種によって葉の中央から深く裂ける種類もあります。葉は灰白の短毛に覆われ、短毛の密度が少ないものは青みが強く、密度が濃いものはまっ白になります。葉の匂いをかぐと菊の花に似た香りがします。
シルバーリーフの種類
モクビャッコウのほかにも、美しいシルバーリーフの植物がたくさんあります。そのなかのいくつかを紹介します。
(名前) | (特徴) |
シルバーレース | レース模様のように繊細な葉が特徴的です。 |
ディコンドラ | ハート形の愛らしい葉をつけます。 |
ラムズイヤー | 葉は長めの白い毛に覆われ、ふかふかした質感があります。 |
カレープラント | カレーのような香りがし、リース作りの材料として使われます。 |
シロタエギク | 6月~7月に黄色い小花を咲かせます。耐寒性が強い植物です。 |
ボタ爺
花壇や寄せ植えにカラーリーフを使うと、華やかさがプラスされるぞい。
ボタニ子
なかでもシルバーリーフはほかの植物と合わせやすく、すっきりとした印象になるんですよね。
特徴②花
モクビャッコウは11月~3月の寒い時期に開花をむかえます。花は茎の先端と葉の付け根から伸びる花柄の先につき、花弁はなく、複数の小さな花が集まってできる頭状花(とうじょうか)です。黄色い花のサイズは約5mm~10mmと小さめですが、無数に花芽をつけて咲くようすは存在感があります。
モクビャッコウの育て方
暖かい地域原産のため、暑さには強い樹木です。やや寒さにおいて弱い一面をもち、丈夫な樹木へ育てるためには植える場所がポイントといえます。地植え・鉢植えの基本的な育て方や手入れの仕方、植え替えの方法などを解説します。
栽培カレンダー
育て方①場所
日当たりがよく、乾燥した場所が適します。日光に当たる時間が少ないと、あせたような葉色になります。美しい葉色に育てるには、一年を通しよく日の当たる場所で育てることが栽培のコツです。先に紹介したとおり耐寒性がやや弱く、0℃以下になるような場所では枯れる心配があるので、冬でも気温が0℃~5℃程度ある場所で育てるようにしましょう。
育て方②水やり
地植えは自然の雨のみで育ち、鉢植えは土が乾燥してきたら水をたっぷりと与えます。水を与えすぎると根腐れをおこす危険があるので、やりすぎには注意します。乾燥に強い樹木なので、用土はやや乾かし気味にすることが水やりのポイントです。
ボタニ子
つぎのページでは、用土について紹介します。
出典:写真AC