イヌビワの実と食べ方
10~12月頃が果熟時期です。イヌビワの実の色は緑色から赤色に変わり、さらには黒色に近い紫色へと変化していきます。緑の実や赤い実は、まだ熟していないものです。イヌビワの実にはタネがたくさんあります。イヌビワは雌雄異株で、雄木の実は共生しているイヌビワコバチの巣になるため食べません。雌木についた実は食べられます。
実の食べ方
緑の実や赤い実は食べませんが、熟した実はイチジクのような味と食感で少し甘みがあります。タネがたくさんあるため食べ方としては生食よりもジャムで食べることが多いです。少し甘みのあるイヌビワの実は、狸のような野生動物にとても人気があります。
イヌビワの葉
全縁で互生しているイヌビワの葉は葉先のとがった楕円形をしています。10~20cmくらいの長さで、葉幅は3~8cmほどの大きさです。葉の表面は光沢のある濃緑色ですが裏側は淡い緑色をしており、黄色く紅葉(黄葉)します。
イヌビワの樹皮
樹皮は灰白色をしており、落ちた枝のあとである膨らみ以外は比較的なめらかです。イヌビワは樹齢が進むと縦状のヒビ割れがみられるものもあります。樹皮が傷つくと白色の液が出てきます。
イヌビワの効能
民間療法ではありますが、イヌビワの茎葉を入浴剤として利用すると痔の疾患に効果を期待できるとされています。また、樹皮を傷つけたり葉を折ると出てくる白色の液も、イボ取りやしらくもの治療などに利用されています。こちらも同じく民間療法として周知されているものです。
イヌビワの苗木
イヌビワの苗木はネットショップなどでも販売されていることがあります。イヌビワは黄葉を楽しめますし、実がミニチュアのイチジクのようでかわいいことなどから、食用というよりはむしろ観賞用としてすすめているショップが目立ちます。また、盆栽用につくられた状態で販売されているケースもあります。珍しい植物に興味のある方にとっては嬉しいことですね。
イヌビワの苗木が育つ環境
イヌビワは日向を好みます。日本では比較的暖かい地域(関東~九州地方、沖縄)に分布している落葉低木ですので、半日陰なら耐えますが寒さは苦手です。そのため、寒い地域ではコンパクトな盆栽として育てると管理しやすくなります。また、イヌビワには耐潮性があり、海岸に近い場所でも育ちます。
まとめ
花と実だけでなく雌木と雄木の見分け方も難しいイヌビワ(犬枇杷)ですが、受粉の仕方にも特徴がありました。イヌビワとイヌビワコバチの共生関係に驚かされる方もいるのではないでしょうか?色の変化も楽しめるイヌビワの実は鳥の好物でもありますので、食用にしたい場合には、熟した実を見つけたら早目に収穫することをおすすめします。
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