プレクトランサスの概要
プレクトランサスは南アフリカ原産の草花で、非常に種類や品種が豊富なのが特徴です。原産地を中心とした熱帯・亜熱帯地域に分布する自生種だけでも、200種類以上あります。熱帯地域を原産とする植物のため、暑さには強いのですが寒さには弱いです。その性質から本来は多年草ですが、冬季がある日本では一年草として扱われています。
名前の由来
「プレクトランサス(Plectranthus)」という名前の由来は、ギリシャ語の「Plektron(雄鳥の蹴爪)」と「anthos(花)」という2つの言葉を合体させた造語です。筒状に咲く花の形から、この名前がつけられました。
プレクトランサスの基本データ
学名 | Plectranthus |
科名 | シソ科 |
属名 | ケサヤバナ属(プレクトランサス属・ヤマハッカ属) |
原産地 | 南アフリカ |
草丈・樹高 | 30cm~80cm(品種によって異なる) |
開花時期 | 5月~11月(最盛期は10月~11月) |
花色 | 紫、白、ピンク、複色 |
プレクトランサスの特徴
特徴①種類・品種によって楽しみ方が違う
プレクトランサスの最大の特徴は、前述したように種類・品種の数が非常に多いことです。そして個性的なものが多く、花が美しいもの、葉が美しいものなど、種類・品種によって楽しみ方が違います。花の美しい品種は「花もの」と呼ばれ、観賞用品種として鉢植えや花壇に利用されています。葉の美しいものは観葉植物や寄せ植えのカラーリーフとして利用されることが多いです。
横に広がって成長する「ほふく性植物」と、茎が上に伸びていく「立ち性植物」の2つに大別されるんだ。購入の際は、性質も確認しておこうね。
特徴②耐寒性が低い
熱帯・亜熱帯を原産とする植物のため、耐寒性が低い特徴があります。ゆえに日本では冬越しが難しいため、一年草として扱われることが多いです。多年草として扱いたい場合は、室内に取り込んで冬越しさせるのが基本になります。
特徴③短日植物である
プレクトランサスは、日照時間の減少によって花を咲かせる「短日植物」です。このため夜でも明るい場所にいると、いつまでたっても花をつけません。上記にもあるように、プレクトランサスは耐寒性の低さから、冬は室内栽培が基本になる植物です。室内で育てる際は、必ず夜間照明が当たらない場所で管理しましょう。
プレクトランサスの種類・品種
ここからは、プレクトランサスの種類・品種について紹介します。プレクトランサスは非常に種類や品種が多い植物です。しかも花が美しい品種、葉が美しい品種、多肉植物やハーブにもなる品種と、バラエティに富んでいます。自分の好みや用途に合わせて選んでいきましょう。
種類・品種①モナラベンダー
「花もの」の代表的品種
モナラベンダーは「花もの」と呼ばれるプレクトランサスの代表的品種とされています。立ち性品種で草丈30cm~50cmと、比較的大型の品種であることも大きな特徴です。モナラベンダーという名前が示すとおり、開花時期になるとラベンダー色の美しい花を咲かせます。葉は黒みがかった深緑色です。ラベンダー色の花とあいまって大人びた印象を与えます。
大型品種のモナラベンダーは単独で鉢植えにしても、お庭を華やかに演出できますよ。
種類・品種②ミントリーフ(スウェーデンアイビー)
観葉植物として人気の品種
「スウェーデンアイビー」の別名を持つ品種です。見た目がアイビーに似ていることから、この名前がつけられました。ほふく性で、明るい緑色の葉の縁に白い斑模様が入るのが大きな特徴です。「ミントリーフ」という名前は、葉をこするとミントのような香りがすることに由来しています。花は咲きますが小さいため、葉を楽しむ観葉植物として扱われることが多いです。
花ものの代表的品種がモナラベンダーなら、ミントリーフは観葉植物の代表的品種といえるだろうね。
種類・品種③ケープエンジェル
豊富な花色を持つ園芸品種シリーズ
ケープエンジェルは、数種類の品種を交配させて作出されたプレクトランサスの園芸品種シリーズです。「ケープエンジェルシリーズ」とも呼ばれています。紫、白、ピンク、オレンジという豊富な花色と、表は光沢のある深緑色、裏は紫色という葉を持つのが特徴です。草丈が大きく、70cmまで成長します。
種類・品種④ピンクリッカー
寄せ植えで人気の小型品種
草丈20cm~30cmという小型品種です。名前の示すとおり、ピンク色のかわいい花を咲かせます。細かい産毛が生えた葉も個性的で、とても愛らしい雰囲気を持つ品種です。草丈の低さもあって、寄せ植えによく利用されています。
種類・品種⑤アロマティカス
多肉植物扱いされる人気品種
肉厚の葉と芳香が特徴の品種です。多肉植物として扱われることもあります。かわいい草姿から人気が高く、香りのよさからハーブとして、料理やハーブティーにも利用されています。ただし、株が大きくなると茎が木質化して香りが薄れてしまうので、香りを楽しみたい場合は、株が成長し過ぎないように管理しましょう。
アロマティカスには「キューバオレガノ」という別名があるんだよ。ミントを甘くしたような香りも、多くの人に好まれているんだ。
草丈は10cm~30cmと、やや小さい品種です。可愛い葉姿もあって、近年はインテリアとしても人気があります。次ページからは育て方を紹介しますよ!
プレクトランサスは外見の特徴だけでなく、性質も種類・品種によって違います。