タツナミソウ(立浪草)とは?葉や花期などの特徴や、見分け方を解説!

タツナミソウ(立浪草)とは?葉や花期などの特徴や、見分け方を解説!

タツナミソウは、道端や草原などの平地で育ち、春から初夏に唇のような形をしたかわいらしい花を咲かせるシソの仲間です。開花した様子は、その名のとおり波が立っているように密集しています。古くから民間薬としても親しまれているタツナミソウの特徴や見分け方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.タツナミソウ(立浪草)とは
  2. 2.タツナミソウ(立浪草)の特徴
  3. 3.タツナミソウ(立浪草)の簡単な見分け方
  4. 4.タツナミソウの種類①コバノタツナミ(小葉の立波)
  5. 5.タツナミソウの種類②オカタツナミソウ(丘立浪草)
  6. 6.タツナミソウの種類③ナミキソウ(浪来草)
  7. 7.まとめ

タツナミソウ(立浪草)とは

Photo by yamada*

タツナミソウとは、シソ科タツナミソウ属の野草です。花の咲き方が波の寄せ立つ様子に似ていることに由来して、漢字では「立浪草」と書きます。平地や森の中の開けた場所などに多く見られる花で、古くから滋養強壮効果があるといわれており、漢方薬としても親しまれています。

基本情報

学名

Scutellaria indica

科名 シソ科
属名 タツナミソウ属
和名 立波草(たつなみそう)
形態 多年草
原産地 東アジア
草丈 20cm~40cm
開花時期 5月~6月
花色 赤紫、青紫、白

タツナミソウは白花品種とされるものもありますが、野草として身近に生息しているものは紫系統の花を咲かせます。アジサイと同じ時期に咲くことや色も似ているため、初夏のイメージは青紫色に定着している人も多いのではないでしょうか。

分布と生態

日本国内でタツナミソウは本州・四国・九州に分布し、国外では中国大陸、ベトナムなどの東アジアで見られます。丘陵地や森林の中だけでなく、道端にも咲いていることがあります。原産地が東アジアのため、種類間でも分布に大きな違いはありません。

漢方薬としてのタツナミソウ

フリー写真素材ぱくたそ

現在日本で漢方として使われているタツナミソウは、根が少し黄色いことから「黄ごん(おうごん)」と呼ばれています。冷えのない腹痛をともなう腸炎を治す薬「黄ごん湯」として調合されており、吐き気・嘔吐・頭痛・下痢などの症状に効果があるとされています。東洋医学では体力があり冷えのない人に処方されているようです。

タツナミソウ(立浪草)の特徴

葉の特徴

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タツナミソウの葉はまばらに付いているのが特徴で、その大きさは2cmほどです。先端は丸みを帯びており、葉の縁には鋸歯(きょし)と呼ばれるギザギザした切れ込みがあります。また、葉の裏表どちらにも柔らかい毛が生えています。

花の特徴

タツナミソウは茎の先端に3cm~8cmほどの花序をつけます。花の形は唇型で、かぶと状の上唇と前方に突き出る下唇で形成されているのが特徴的です。筒状の花の中には雄しべが4つあり、そのうち2つが長く、雌しべは1つあります。花色は紫色や淡紅紫色が一般的とされますが、白花品種と呼ばれる白色のものも存在します。

タツナミソウの花言葉

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タツナミソウの花言葉は「私の命を捧げます」です。かわいらしい見た目とは相反する重い言葉に感じられますが、1つの茎に咲くすべての花の向きが同じことが由来します。また、漢方としての効能も由来しているようです。タツナミソウを贈る場合は、一生をともにするような、大切な人に贈るのがふさわしいでしょう。

7月3日の誕生花

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タツナミソウは7月3日の誕生花です。由来ははっきりしていませんが、73(ナミ)と語呂合わせできることが由来の1つとしてあげられます。誕生日にタツナミソウの花をプレゼントする際は、花言葉の意味を考慮して特別な人に贈ったほうがよいでしょう。ほかに7月3日の誕生花として挙げられるのは、ハス、ヒメユリ、マツバギクです。

茎の特徴

タツナミソウの茎には白色の毛が生えているという特徴があります。種類によってその向きや生え方は大きく違いますが、肉眼で確認できるほどはっきりと生えている種類が多いです。タツナミソウの種類を見分けるときは、茎の毛の違いも重要なポイントになるでしょう。

果実の特徴

タツナミソウの果実は黒色をしており、大きさは1mmほどです。熟すまでは宿存性のがくに球形をした4つの果実が包まれています。しかし熟した後、上の付属物が外れて散布されるのが特徴的です。

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タツナミソウ(立浪草)の簡単な見分け方

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