ツタバウンランとは?
ツタバウンランは、植物愛好家の間では有名で人気です。しかし、あまり知名度が高くないこともあり、園芸初心者の方には、どのような植物かイメージしづらいかもしれません。まずは、
- 基本情報
- 名前の由来
- ツタバウンランの花言葉
- ツタバウンランの歴史
基本情報
学名 | Cymbalaria muralis |
漢字表記 | 蔦葉海蘭 |
英名 | Ivy-leaved toadflax、Kenilworth ivy |
別名 | ツタガラクサ(蔦唐草)、ウンランカズラ(海蘭葛)、 シンバラリア、キンバラリア、コリセウムアイビー |
科・属 | ゴマノハグサ科・シンバラリア属 |
原産地 | 西アジア、欧州南部、北アフリカ |
花色 | 青紫色(紅紫色)※季節によっては上唇の部分が白色の場合もある |
花の形 | 唇形の径は10mm、上唇は2裂して先端は丸い 下唇は3裂、中央に黄色(白色)のふくらみがある |
球根 | 暗い場所で成長するタイプのため、地中で結実する |
茎 | 形は細いが、地上を這って、20cm~30cmほど成長する |
ボタニ子
なんで、たまに上唇や中央部分が白色になるの?白色は病気のサインなの?
ボタ爺
白色になっても病気ではないぞ。白になる理由は諸説あるが、花粉がないというのが最も有力な説なんじゃよ。まあ、白は白で違った美しさがあってよいがな。
名前の由来
ツタバウンラン(蔦葉海蘭)の「ウンラン」は、開花した花の姿がウンラン(海蘭)のようであったことが由来です。また葉っぱの様子がツタ(蔦)と似ていたので、その2つを合わせて「ツタバウンラン」と呼ばれるようになりました。
ツタバウンランの花言葉
ツタバウンランの花言葉は「遠い夢」です。小さくて儚げそうな花姿と、茎が活発に成長する様子が、遠すぎて手が届かない夢のような植物のため、このような花言葉がつきました。花言葉の由来には諸説ありますが、最も有名なものはこの説です。
ツタバウンランの歴史
元々はヨーロッパ原産の帰化植物で、ツタバウンランが日本に渡来したのは1912年(大正元年)のことです。鑑賞目的で取り入れました。つる性の植物で、壁のすき間などに生息しています。このような背景から、ヨーロッパ原産の植物であるツタバウンランが、日本で鑑賞できるようになりました。
「帰化植物」とは、本来の生息場所から、人間の手によって他の場所に運ばれ野生化した植物のことです。
ボタニ子
見た目と違って非常に丈夫な植物なので、本州、北海道のあちこちで見ることができますよ。
ツタバウンランの特徴
ここでは「花期」「斑入り品種でカラーリーフを楽しめる」「繁殖力が強い」の3つの特徴について見ていきましょう。特徴を知ると、さらにツタバウンランへの興味が増すでしょう。
花期
ツタバウンランの花の時期は4月~6月あたりです。青紫色(紅紫色)のかわいい花を咲かせます。ツタバウンランの花が満開になった状態を鑑賞したい方は、この時期に石垣・道ばた・壁のすき間をチェックしてみてください。
斑入り品種でカラーリーフを楽しめる
ツタバウンランの花は、小さくてかわいいけど、何か物足りないと感じる人もいます。そのような方には、斑入り品種を植えるようにしてみましょう。そうすると、カラーリーフとして楽しめるので、物足りなさを解消できます。
カラーリーフとは
斑入りや色合いの葉を楽しむ植物のことを「カラーリーフ」と呼びます。カラーリーフには、クローバー・アキランサス・コリウス・イレシネなどの期間限定のものと、ニューサイラン・アジェガ・セキショウ・デュランタのように1年中活用できるものがあるので、物足りないと感じてる方は、カラーリーフがおすすめです。
繁殖力が強い
ツタバウンランは暑さと寒むさの両方に強く、踏まれてもへこたれずにすぐに復活する植物なため、雑草魂という言葉がふさわしいです。繁殖のスピードもとても速く、時間とともに勝手に増えてくれるので、挿し木などで増やす必要はありません。それでも挿し木で試してみたい方は、以下に増やし方の方法が記載されているので、そちらを参考にしてください。
ツタバウンランの増やし方
ツタバウンランの増やし方には「挿し木」がおすすめです。増やし方の手順は以下の通りです。
- 長くなったつるを10cmほどカットする
- カットしたつるで挿し穂を作成
- 赤玉6:腐葉土4で配合した土を入れる
- 約2カ月ほど日陰に置いておく ※根付くまでの期間が約2カ月なため
ツタバウンランの育て方
ツタバウンランは冬の寒さと夏の暑さに強く丈夫たなため、初心者でも育てられます。以下のポイントを押さえて、上手にツタバウンランを育てましょう。
育て方①環境
ツタバウンランはとても丈夫な植物なため、日当たりのよい場所・半日陰のどちらでも立派に成長してくれます。ただ、日当たりが強すぎるのは少し問題があるので、地植え・鉢植えともに、木洩れ日や半日陰で育てたほうが間違いがありません。
ボタ爺
日当たりのよい場所でも問題はないのじゃが、半日陰で育てられる環境ならば、半日陰の場所を選んだ方がよいのう。
育て方②用土
基本的には、土壌選びは必要ないといわれてはいますが、水はけがよい場所を選んでください。水はけが悪いと根腐れを起こすリスクがあります。いくら丈夫な植物といわれていても、絶対に腐らない保証はありません。したがって、水はけがよい場所を選ぶようにしましょう。赤玉土や腐葉土を混ぜれば、水はけがよくなります。
初心者の方には培養土がおすすめ
初心者の方は、ホームセンターやネット通販で販売されている花と野菜の培養土を活用してみましょう。少し値段が高くなりますが、これを1つをまくだけで水はけがよくなるので初心者の方にはおすすめのアイテムです。
育て方③種まき
ツタバウンランの種まき時期は3月と9月です。春と秋がよいので、この時期に種まきをおこなえば、立派に成長してくれます。種まきの割合は、「3:7」です。例えば種の数が10個だった場合は、3月には3個の種を、9月には7個の種をまくようにしましょう。
育て方④水やり
地植えの場合、常に水やりをおこなう必要はありません。帰化するタイプの植物なので、土が乾いたときだけ水やりをすれば十分です。鉢植えの場合も同様で、土が乾燥したときだけ水やりをおこないましょう。鉢植えで水やりをする場合は、鉢底から水をあげるのがポイントです。
水やりのポイント
- 地植えの場合は、土が乾燥したとき以外は、水を与える必要はない
- 鉢植えの場合は、土が乾燥したときに、鉢底から水を与えること
育て方⑤肥料
結論から言えば、地植え・鉢植えともに、肥料は不要です。ツタバウンランは強くて丈夫なため、肥料を与えなくても枯れる心配がありません。したがって、無理して肥料をあげなくても特に問題ありません。どうしても不安な人はほんの少しだけ与えるようにしましょう。
育て方⑥冬場の管理方法
冬でも特別な対策をする必要はないです。ツタバウンランは寒さにも強いので、何もしなくても枯れることはまずありません。冬も壁のすき間や石垣に堂々と咲いています。もちろん絶対枯れないわけではないので、放置はしないでください。
次のページでは、ツタバウンランの薬効効果について見ていきましょう。
出典:photo ac