イワカガミとは?
早春から初夏にかけて、赤からピンク色をしたつりがね型のかわいらしい花を咲かせるイワカガミ。北海道から九州各地の高山の岩場や草地に自生する山野草です。ここでは、イワカガミの基本情報や特徴をご紹介していきます。
基本情報
科属名 | イワウメ科イワカガミ属 |
和名 | イワカガミ(岩鏡) |
種類 | 常緑多年草 |
草丈 | 10~20cm |
開花時期 | 4~7月頃 |
植え付け時期 | 3~5月頃 |
植え替え時期 | 3~5月頃、花後直後 |
花の色 | 赤からピンク系 |
分布 | 北海道~九州各地の高山の岩場 |
特徴
イワカガミの花は、束のようになって生えている葉の中央から花茎を伸ばします。花色は赤からピンク系の色が多く、4~7月の開花時期になると10cmほど伸ばした花茎の先に、3~10個ほどの花をつけます。つりがね型をしたかわいらしい花です。イワカガミは葉にも特徴があり、茎と葉をつないでいる柄が長く、卵円形と呼ばれる形をしています。葉の表面にはツヤがあり、葉の縁はギザギザ状になっています。
イワカガミの種類
イワカガミは、日本各地で見られる山野草で、自生している場所によって大きさが変わる植物です。イワカガミとはっきり区別できる種類もありますが、ほとんどの種類は分類するのが難しいといわれています。
イワカガミの主な種類
- コイワカガミ:葉のギザギザがするどくない品種
- オオイワカガミ:自生地によって大きさが変化し、イワカガミとの区別が難しい品種
- ヒメイワカガミ:花色が白く、葉もイワカガミよりも小さい品種
- ヤマイワカガミ:ヒメイワカガミの変種といわれており、葉が少し大きい品種
イワカガミの名前の由来と花言葉
イワカガミは漢字で「岩鏡」と書きます。イワカガミの特徴でもある光沢のある葉が、鏡のように見えたことが由来といわれています。主な自生地が高山の岩場であるため、岩鏡と呼ばれるようになりました。花言葉は「忠実」です。花言葉の由来ははっきりしていませんが「映ったものを忠実に移す鏡のような葉」をもつことからついたのではないかという説があります。
イワカガミによく似た植物「イワカガミダマシ」
イワカガミの花によく似ていることから「イワカガミダマシ」という和名で親しまれている植物があります。よく似ていますが、イワカガミはイワウメ科に属する日本の固有種、イワカガミダマシはサクラソウ科に属するヨーロッパアルプス原産の植物です。花色は紫色が主流で、寒冷地を好む高山植物です。
イワカガミの育て方
さまざまな種類がある山野草の中でも、身近な存在として人気があるイワカガミ。しかし、育て方が少し難しく「難易度が高めの植物」といわれています。ここからは、イワカガミの育て方のコツをご紹介します。
育て方のコツ➀苗の選び方
苗が市場に出回るのは春先です。苗の段階から育てやすいように、少しでも状態のよい苗を選びましょう。イワカガミの芽はまとまって生えてくる葉の中心にできます。芽が黒ずんでしおれているような苗は避けましょう。
育て方のコツ②植え付け
イワカガミは鉢植えや地植えでも育てられます。耐暑性はそれほど高くないため、地植えの場合、夏の高温時期には半日陰になるような場所に植え付けましょう。鉢植えの場合、直射日光が当たらない場所で管理します。開花する春先は特に、よく日に当ててあげるのがポイントです。植え付けに最適な時期は3~5月頃です。
ボタ爺
イワカガミは根が繊細な植物じゃ。植え付け時は根を傷つけないよう、ていねいに扱うのがポイントじゃよ!
植え付けのポイント
- 植え付けて1~2週間ほどは根が落ち着くまで日陰で管理
- 鉢植えの場合、水はけをよくするため鉢底にゴロ土を敷く
- 根はていねいに扱う
育て方のコツ③用土と肥料
イワカガミに適しているのは、水はけのよい用土です。市販の山野草用の培養土が便利です。配合する場合は「鹿沼中粒4、小粒4:赤玉小粒(または軽石)2」を目安にするとよいでしょう。肥料は植え付け時に緩効性肥料を混ぜた後、秋まで与えません。基本的には、夏を除いて開花時期を含めた春と秋に、規定量に薄めた液肥を2週間に1回を目安に追肥します。
育て方のコツ➃水やり
高山の岩場や草地に自生していますが、高山植物ほど暑さに弱い植物ではありません。ただ、乾燥した環境は少し苦手です。基本的な水やりの目安は「土が乾いたら」ですが、春から秋までは水枯れをおこさないよう、葉の状態をよく観察しながら水やりを調整しましょう。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れるくらいたっぷりと与えるのがポイントです。
乾燥がひどい場合には、湿気が保てるミズゴケやハイゴケなどを土の表面にのせて様子をみましょう!
ボタニ子
次ページでは、イワカガミの植え替えや増やし方についてご紹介します!
出典:写真AC