シモツケソウの種類
シモツケソウにはいくつかの種類があります。ピンク色のシモツケソウよりも、少し濃い色の花をつけるアカバナシモツケソウ(赤花下野草)は、中部地方の山地に生育している変異種です。白い花をつけるシロバナシモツケソウ(白花下野草)は、園芸品種として人気の植物です。
オニシモツケ
シモツケソウよりも草丈が大きいオニシモツケ。白色の花を夏の時期に咲かせます。西日本に群生を作るシモツケソウと異なり、オニシモツケは本州以北や北海道に生育しています。シモツケソウより大きい花を咲かせるのが特徴です。
ロクベンシモツケ(六弁下野)
ロクベンシモツケ(六弁下野)はアジアやヨーロッパを原産とする、シモツケソウの仲間です。花の色は白く、シモツケソウと同じ丸いかたちの花びらを6枚つけます。葉の形はシモツケソウと異なり、細くなよなよと伸びています。花が豪華に見える、八重の花弁をつける園芸品種が人気です。
コシジシモツケソウ(越路下野草)
コシジシモツケソウはシモツケソウと同じように、濃いピンク色の花を咲かせる植物です。見た目の特徴は似ていますが、コシジシモツケソウは富山や新潟、福井などの日本海沿いにのみ分布しています。後述する京鹿子は、シモツケソウとコシジシモツケソウを交配してできた園芸品種です。
シモツケソウと京鹿子との違い
シモツケソウと同じ、バラ科シモツケソウ属に分類される京鹿子(キョウガノコ)はシモツケソウを品種改良した植物のため、とてもよく似た見た目をしています。京鹿子の名前は、京友禅の絞り染めに似た花の姿からつけられました。水玉がいっぱい並んだ染め方を鹿子染め(かのこぞめ)と呼ぶことが由来です。
京鹿子の特徴
京鹿子の花や葉は、シモツケソウと似た特徴を持っています。京鹿子の花の色は濃いピンク色で華やかです。花びらは5枚で、開花するとおしべが飛び出してふわふたしたシルエットをつくります。花びらの下にはガク片がついていて、内側に毛が生えているのが特徴です。葉は手のひらを広げたように切れ込みが入っています。
シモツケソウと京鹿子の見分け方
京鹿子はシモツケソウよりも少し開花時期が早いのが特徴です。また、葉っぱの切れ込みがシモツケソウよりも深いところが見分けるポイントです。また、京鹿子の茎にはとげがなく、シモツケソウより全体の草丈が大きくなる特徴があります。前述したシモツケソウの茎に直接ついている小さな葉(側小葉)も京鹿子にはありません。
京鹿子との見分け方
- 京鹿子のほうが花期が少し早い
- 京鹿子のほうが葉の切れ込みと草丈が大きい
- 京鹿子のガク片には内側に毛がある
- とげがあるほうがシモツケソウ
- シモツケソウには側小葉がある
まとめ
シモツケソウは、小さい花が集まって咲きます。花のひとつをじっくり見るととてもかわいらしい形をしています。ふわふわしたシルエットをつくるおしべも、ぎゅっと丸まったつぼみも印象的です。シモツケソウは耐寒性もあって育てやすいため、庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。また、伊吹山などを代表とする高山の花畑でも群生しています。探しに行くのもよいかもしれませんね。
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こちらは「京鹿子」です。