タケニグサの薬効
タケニグサ科の植物は、茎を折るとそこから黄色い乳液が出てきます。もちろん薬としても利用できる乳液ですが、その成分は猛毒で知られるアルカロイドです。アフリカに生息するサラマンダーという種類のイモリもアルカロイドを持っており、小動物なら簡単に殺せるほどの猛毒です。そこで、次はタケニグサの薬としての利用法を紹介します。
イモリは強い毒性をもった種類もあります。中でもサラマンダーやアカハライモリは強い毒を持っており、その毒は小動物を殺すほど強いです。
薬としての使い方
皮膚病や水虫によく効き、中でもたむしには効果バツグンです。茎または葉から絞った乳液をすぐにそのまま体に塗り、症状のひどい部分には多く塗ります。それで完治することも多いといわれています。ですが、あまり塗りすぎると皮膚炎などの症状を引き起こす可能性もあります。また、実から絞った乳液に効果はありません。
特にたむしには効果があり、タケニグサの乳液がその効果を高めています。また、体と相性が合う場合には完治した症例もあります。
中国の生薬
中国では、タケニグサの根、茎、葉を乾燥させて生薬を作ります。博落廻(はくらいかい)と呼ばれる生薬で、高麗人参などと同じ種類の生薬です。この生薬には腫れやかゆみなどの症状をピタリと抑え、他にも解毒・殺虫の効果があるといわれています。乾燥させた実には特に高いかゆみ止め効果があるとされています。
日本の生薬
北九州などに古くから自生しているタケニグサは、中国だけではなく日本でも薬として扱われていました。風が吹くと人の話し声のような音を立てるため、俳句家が「ササヤキグサ」と呼び、その薬効から「タムシ草」とも呼ばれています。また竹を柔らかくする効果があるともいわれており、薬だけではなく食材としても使われていました。
使いすぎるとどうなる?
さまざまな効果があるタケニグサの生薬ですが、使いすぎると毒にもなってしまいます。前述の通り猛毒のアルカロイドがふくまれているので、時にひどい中毒症状があらわれることがあります。主な症状は酩酊状態、昏睡状態、呼吸麻痺や心臓麻痺などといわれています。酔ったようになった後、意識を失ってそのまま心臓が止まってしまいうという例もあり、治療が遅ければ死亡する可能性があるともいわれています。
タケニグサを口などからとりいれた結果、アレルギー反応が起きる可能性があります。ひどい症例の場合、心臓麻痺で死亡するケースもありました。
山菜との見間違いに注意!
タケニグサは、山などに多く自生しています。その自生地はワラビなどの山菜と同じ場所に生えていることが多いので、タケニグサも間違えて収穫されることがあります。しかしタケニグサは焦げるまで火を通すか煮なければ毒性が消えないので、そのまま食べると大変危険です。あわせて死亡事故の例も紹介します。
アレルギーによる事件
中国では、過去に何度かタケニグサのアレルギーによる事件が起こっています。中国の広東省に住む李という男性がタケニグサを直接口に入れた結果、アレルギー反応で心臓麻痺を起こしてしまったのです。そのまま病院に搬送されましたが、後日死亡が確認されました。このように直接口に入れると非常に危険な植物です。
タケニグサの害虫駆除の効果
タケニグサは前述のように皮膚病などの薬として使われることが多いですが、優れた害虫駆除の薬でもあります。不衛生な場所にわくウジ虫を駆除する効果があり、寄生虫なども簡単に追い払うことが可能です。乳液をウジ虫にかければすぐに死に、まくだけでも予防につながります。そうすると庭に寄ってくる害虫も追い払うことができます。
寄生虫を殺す場合
タケニグサの生薬は、人体の寄生虫には効きません。むしろ生薬をそのまま飲んでしまうとアレルギー反応が出てしまい、前述のような心臓麻痺が起こってしまう場合があります。あくまでも効果があるのは植物についている寄生虫のみです。
その他の使い道
まれですが、タケニグサは庭の調度に使われることもあります。竹よりも安価に手に入り、しかも道に生えているので大量に手に入ります。そのため竹の代用として庭の調度に使う人もおり、中国内の庭園ではタケニグサが生えていることもあります。背が少し低いだけで竹と見た目は変わりません。
まとめ
タケニグサ
- 生薬として主につかわれる
- 水虫や寄生虫を追い払う薬にもなる
- 猛毒があり、死亡事故も起きている
使い方さえ間違えなければ、タケニグサはよい薬として役に立つ植物です。絶対に口にいれず、安全にタケニグサを楽しんでください。
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