シラカンバの利用法
シラカンバは「白い樹肌の美しい木」という見た目だけではない「利用価値のある木」なのです。樹液や樹皮には美容効果などさまざまな薬効もあるとされ、最近は健康補助飲料の原料にも使われています。では具体的にどのように利用されているか、くわしく見ていきましょう。
樹液の利用
シラカンバの樹液はさらさらで透き通っていて一見水のようで甘みもあり、人工甘味料キシリトールの原料でもあります。残雪の残る4月、幹に小さな穴をあけパイプを通して採取をします。芽吹きの時期には液が止まるので約一か月ほどが採取期間です。
樹液に含まれる成分
シラカンバの樹液にはミネラルやアミノ酸が豊富に含まれ、古来より漢方薬や健康飲料に用いられていました。近年では人の表皮の保湿を促進する効果があるのもわかり、この樹液を用いた化粧品も作られています。
お菓子作りにも使われる
樹液を材料にしたお菓子類ってかなり種類もあり、北海道や長野のお土産品にもなっています。
飲料水や健康飲料にも
樹液の天然水や加工をした健康飲料水、ジュース類も数多く市販されています。
樹皮の利用
紙のように薄くてはがれやすい樹皮には、ベチュリンと呼ばれる抗菌作用のある物質が含まれています。ベチュリンはヘルペスウィルス(皮膚粘膜の炎症や脳炎を起こすウィルス)の増殖抑制効果があるといわれています。もう一つ、疥癬の外用薬としても効果的であるとされ、この抗菌作用を応用してシロアリ駆除にも用いられています。
まとめ
「幻想的!」「美しい!」と見惚れてしまっていただけのシラカンバの樹木や林。シラカンバの樹木の樹皮や樹液に、こんなに素晴らしい「特質」が隠されていたことに驚きではないでしょうか。シラカンバがもつ特質をあらかじめ知っておけば、シラカンバの鑑賞もさらに楽しいものになりますね。
出典:hotpopper