ワタスゲのおすすめスポット
広い湿原にワタスゲの綿毛が群生する姿は見事なものです。実際にワタスゲを見に出かけてみましょう。ワタスゲは高山植物なので、ここでご紹介するスポットも自然豊かな山の中です。低地とは気候が異なるうえ、天候が変わりやすいので注意しましょう。比較的アクセスのよい場所でも、事前に下調べをして充分な装備で出かけることをおすすめします。
戦場ヶ原
栃木県日光市の戦場ヶ原は、ワタスゲの群生が見られるスポットとして人気の湿原です。400ヘクタールにもおよぶ広大な湿原には、ワタスゲのほかにも様々な高山植物や湿生植物が自生しています。湿原だけでなく滝や森林などもあり、変化に富んだ自然の景観を楽しむことができます。また日光駅からバスで約1時間というアクセスのよさもポイントです。
住所 | 栃木県日光市中宮祠 |
アクセス | JR日光駅・東武日光駅からバスで約1時間 |
尾瀬
尾瀬は福島県、新潟県、群馬県、栃木県の4県にまたがる広大な湿原地帯で、国立公園にも指定されています。尾瀬ヶ原や尾瀬沼周辺の湿原でワタスゲを観察できます。尾瀬ヶ原と尾瀬沼は200mほど標高差があるため、標高の高い尾瀬沼周辺は1週間ほど開花が遅れるようです。アクセス方法は複数ありますが、最低でも1時間程度は徒歩で移動します。
住所 | 福島県・新潟県・群馬県・栃木県 |
アクセス | 複数あり。駐車場から徒歩1時間以上。 |
志賀高原
長野県の志賀高原にある田ノ原湿原もワタスゲを見ることができるスポットです。湿原自体は小さなものですが、国道が近いためマイカーやバスでアクセスしやすい場所にあることが魅力です。またワタスゲのほかにも高山植物や湿生植物を楽しめるため、特に写真の愛好家からの人気が高いようです。湿原内には木道が整備されています。
住所 | 長野県下高井郡山ノ内町 |
アクセス | 長野電鉄湯田中駅からバスで約45分 |
霧多布湿原
北海道でワタスゲを楽しめるスポットとしておすすめするのが霧多布湿原です。約3,000ヘクタールの広大な湿原には、ワタスゲをはじめおよそ300種もの植物が自生しています。また植物だけでなくタンチョウなど多くの野鳥を観察できるスポットとしても人気です。最寄駅からは約6kmの距離なので、タクシーに10分ほど乗れば到着です。
住所 | 北海道厚岸郡浜中町 |
アクセス | JR茶内駅からタクシーで約10分 |
ワタスゲの見分け方
綿毛をつけたワタスゲは特徴的な姿をしていますが、見た目のよく似た植物はほかにも存在しています。ワタスゲともっともよく間違われてしまうのがサギスゲでしょう。ワタスゲと同じカヤツリグサ科の植物で、見た目だけでなく自生する環境や開花時期も似通っています。サギスゲの特徴や、ワタスゲとサギスゲの違いについてご紹介しましょう。
サギスゲ
学名 | Eriophorum gracile |
分類 | カヤツリグサ科ワタスゲ属 |
形態 | 多年草 |
開花時期 | 5~6月 |
見頃(綿毛) | 6~7月 |
サギスゲはワタスゲと同様に日本、中国、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカなどに分布する植物ですが、ワタスゲよりもやや南の地域でも自生しており、日本では近畿地方から北海道にかけて見られます。
ワタスゲとサギスゲの違い
ワタスゲとサギスゲは遠目に見るとよく似ていますが、見分けがつかないときは綿毛に近づいて観察してみましょう。ワタスゲの綿毛はボール型で、1本の茎に1個だけしかつきません。一方サギスゲの綿毛は刷毛のように見える楕円形で、1本の茎に複数個ついています。またサギスゲは大株にならないので、ワタスゲほど華やかに見えないのも特徴です。
まとめ
ワタスゲは高山植物のなかでは比較的ポピュラーな種類といえるでしょう。見た目がかわいいだけでなく、自生しているスポットが多く、インターネットなどで見頃の情報がたくさん発信されているので、ぜひ現地に足を運んで実際に観察してみることをおすすめします。基本的な知識を覚えてから見に行くと、より楽しめるでしょう。
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