サワグルミとオニグルミの見分け方
日本にはオニグルミ、サワグルミ、ヒメグルミ、ノグルミの4種が自生していると先述しました。ヒメグルミはその名の通り、他のクルミより小ぶりで見分けることが簡単です。一方でオニグルミとサワグルミは見分けがつきにくいことも。見分け方をご紹介します。
見分け方①大きさ
樹高
オニグルミは7~10mほどに対して、サワグルミは最大で20mほどの背の高い木に育ちます。成木であればまずは木の大きさが1つの判断材料となるでしょう。
葉の大きさ
樹高はサワグルミの方が大きく育ちますが、それに対して葉の大きさは逆転するのも見分け方のポイントです。先述したように、小葉の集合で1枚の葉を形成するクルミ科の植物ですが、この小葉の大きさも、小葉からなる1枚の葉の大きさもオニグルミの方が大きいものとなります。サワグルミの葉(小葉の集合体)が全体で20~30cmであるのに対し、オニグルミは最大で60cmにもなります。
見分け方②葉の形
続いての見分け方は葉の形になります。サワグルミの特徴でご説明したように、サワグルミの小葉はその1枚1枚がギザギザとかたどられています。オニグルミの葉もよく観察すればギザギザしていますが、サワグルミほどではありません。
見分け方③葉の手触り
葉の手触りもわかりやすい見分け方のポイントです。オニグルミの葉の裏を触ると柔らかい毛が密集しており、ベタベタとした手触りになります。サワグルミも同様にやわらかい毛が生えていますが、オニグルミほどベタベタとしていません。
見分け方④生育地
最後の見分け方のポイントは生育地(自生地)です。その名の通り、サワグルミは「沢」に自生するクルミです。沢沿いや川沿いを好んで生育地とするため、周りに水辺がないような場所ではオニグルミの可能性が高いと考えられます。また、サワグルミが沢を好む特性を生かし、湖畔の景観や川辺の護岸を目的として植えられることも多々あります。
見分け方⑤加食かどうか
サワグルミの実は食べられないとご説明しましたが、オニグルミの実はおいしく食べられます。青い果肉を腐らせたり、はぎとったりして中の実を取り出します。取り出した実をさらに乾燥させ、固い殻を割ると私たちが知るクルミが現れます。
ボタニ子
まとめ
日本に自生する美しい樹形を持つサワグルミについてご紹介しました。その特徴や特性を生かして湖畔の景観や護岸保護に役立てていることがわかりました。オニグルミとの見分け方もポイントごとに見ていきましたね。雑木林や大きな公園にはクルミ科の植物が植えられていることが多々あります。新たな目で眺めてみてはいかがでしょう。
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