イヌリンとは?
最近、テレビの通販やダイエット番組などで「イヌリン」という響きを耳にしませんか?どうやら体や健康によいものという印象を受けます。ではイヌリンとは何ことでしょうか?これはキク科の植物の中で作られる多糖類の一種を指します。今回はイヌリンに秘められている特徴や効果、その摂取方法などをご紹介していきます。
イヌリンの歴史
イヌリンのことを最初に記しているのは1世紀古代ギリシャの文献で、キク科の多年生野菜「チコリ」のことを紹介しています。記載されている健康効果についてがほぼイヌリンのことだとされています。その後イヌリンが発見されたのは1804年です。19世紀には血糖値上昇を抑制する作用があることがわかってきました。
最近注目されているイヌリン
イヌリンとは体によい「水溶性食物繊維」の一種とされています。これは「天然のお掃除屋」という別名でも呼ばれる成分です。イヌリンは野菜などを中心に含まれており、そのイヌリンの優れた性質を活かして、最近では食物製品やサプリメントなどに使用されることが増えてきています。
イヌリンの特徴
イヌリンは、普段からわりと見かけるごぼうなど一般的な野菜の中にも含まれている成分です。多くの植物や野菜の中の栄養素である「水溶性食物繊維」とも呼ばれています。食物繊維はもうお馴染ではないでしょうか?では具体的に、イヌリンに備わっている主な特徴についてご紹介します。
水溶性食物繊維の働きをもつ
イヌリンとは砂糖やでんぷん、オリゴ酸を含んだオリゴ糖などの糖類の一種です。人体はイヌリンを分解する酵素を持っていないため、イヌリンを摂取しても体に吸収されず、やがて体外に排出されてしまう性質があります。そのとき水溶性食物繊維として腸内で発酵分解され、やがて「フラクトオリゴ糖」に変化します。
腸内で良好な働きがある
イヌリンは腸内でフラクトオリゴ糖というオリゴ酸の一種に変化すると、水分を吸収しながらゲル状に変化します。このゲル状のものが腸内でしばらく留まり、糖質などの吸収を抑えてくれる働きをします。さらにありがたいのは、腸内にいる善玉菌にとって餌にもなってくれるということです。つまり腸内環境を整える効果を発揮してくれるというわけですね。最近ではこのイヌリンの効果を使った、ダイエット食品などが登場しています。
腸内に留まることで得られる効果
イヌリンのフラクトオリゴ糖は、難消化性と言われているオリゴ酸です。これは消化酵素では分解されない物質で、胃や小腸を通過して、そのまま大腸にまで通過していきます。糖としても体内に吸収されないので、糖分を控える習慣を持つ人にはとても有効的です。たとえばダイエット中の方や糖尿病の方が摂取するようにすれば、余分な糖分を体内に吸収することを防いでくれます。
イヌリンの効果
水溶性食物繊維の一種とされていて、体によさそうなオリゴ酸という栄養素を含むと言われているイヌリンですが、具体的にはどのような効果が期待できるのでしょうか?そしてどんなことに悩みにおすすめできるのでしょうか?ここではイヌリンの効果についてご紹介します。
効果①ダイエット
イヌリンを摂取すると、そのときに一緒に摂った食事の中に含む糖やコレステロール、そして脂肪までも絡めて体外へ排出してくれる作用があります。そのためイヌリンを胃や腸に取り込んでおけば、体内吸収される脂肪量を大幅に減らせるので、ダイエット効果が期待できます。食べ過ぎたとしても、ある程度余分なものを一緒に排出する効果が期待できるのです。
効果②病中病後の食事制限になる
水溶性食物繊維を含むイヌリンは、胃の中で水分吸収したままゲル状に膨張するという性質があります。それはしばらく胃や腸内にとどまるため、満腹感が得やすくなり食べ過ぎ防止に役立ちます。先述のようにダイエットへの効果はもちろんのこと、さまざまな事情で食事制限をされている方にとってはおすすめです。
ボタニ子
次ページからはイヌリンを含む食材について紹介します。