ハイビスカスの育て方
ここからは、ハイブスカスの育て方を紹介します。
ハイビスカスの育て方:一年間の手入れと作業
開花時期・手入れ作業の適期 | 開花時期・必要な手入れ作業 |
5月~10月 | 開花 |
5月~6月 | 植え付け・植え替え |
5月~10月 | 肥料(鉢植え) |
5月~9月 | 肥料(地植え) |
4月と10月 | 剪定 |
上記の表は、ハイビスカスの一年間の手入れ作業を簡単にまとめたものです。ただし植物の手入れや作業は、品種の特性や地域、その年の気候条件などによって変わる場合があるので、あくまでも目安程度と考えておきましょう。なお、この表は関東地方より西の地域を基準に設定しています。ハイビスカスは総じて耐寒性が低いため、関東地方より東の地域では栽培条件が変わってくるので注意しましょう。
ハイビスカスの育て方のポイントその①:栽培環境
ハイビスカスは総じて、温暖な気候と日当たりの良い場所を好む植物です。ただし、品種の中には真夏の厳しい直射日光や、日本の夏特有の高温多湿な気候が苦手なものも存在します。日差しの強さが気になる場合、鉢植えなら午前中だけ日の当たる場所や、明るくて涼しい半日陰の場所に移動させて栽培しましょう。地植えの場合は、遮光ネットを使って日差しを和らげてください。
ハイビスカスの育て方のポイントその②:植え付け・植え替え
土作り
まずはハイビスカスが好む土を用意します。ハイビスカスが好むのは、水はけのよい土です。市販の培養土でもOKですが、自分で作る場合は赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合が基本となります。さらに水はけをよくするために、土にバーミキュライトを2割か3割混ぜるのもおすすめです。鉢植えの場合は、鉢底に軽石を置くと水はけがよくなります。6号以上の鉢に植え付ける場合は、中粒の赤玉土を使用してください。
植え付け・植え替えの適期と仕方
植え付け・植え替えの適期は5月から6月ですが、土を足すだけの鉢増しなら9月まで可能です。ハイビスカスは根詰まりを起こしやすいので、鉢植えの場合は1~2年に1回は必ず植え替えましょう。鉢植えから地植えに植え替える場合は、植穴の土に腐葉土などの有機物を混ぜ込んでから植え付けてください。
植え付け(鉢植え)の仕方
ハイビスカスは生長旺盛なので、ポット苗や鉢植えを購入したなら、早急に一回りか二回り大きめの鉢に植え替えましょう。新しい土を4分の1ほど入れた鉢に、根鉢を崩さないように置いたら、土を足していきます。鉢の上部から2~3cmのところまで土が入ったら、水やりをします。鉢底から水が出るまでたっぷりと与えて、土を落ち着かせましょう。
植え付けの仕方の注意点
植え付け直後の苗はデリケートなので、1週間は直射日光に当てずに栽培しましょう。その後は日当たりのよい場所に移して育てます。地植えにする場合も、苗木がある程度大きくなるまでは鉢で育ててください。また、植え替えの適期以外でも、鉢底から根が出ていたり、水もちが悪かったりと、根詰まりの症状が出た場合は植え替えを行いましょう。
ハイビスカスの育て方のポイントその③:水やり
生育期に当たる春から秋は、土が乾いたらたっぷりと水やりします。特に夏場は、花を次々と咲かせている上に土が乾きやすいので水分吸収量が上昇し、水切れしやすい状態です。関東地方より西の地域なら、朝夕2回水やりしたほうがよいでしょう。逆にあまり水を必要としない冬場は、土を乾き気味の状態になるように管理します。地植えの場合は、乾燥が続く時期にだけ水を与えます。
ハイビスカスの育て方のポイントその④:肥料
春から秋の生育期に、規定量よりもやや多めの肥料を与えます。緩効性の固形肥料がおすすめです。生育期のハイビスカスは水とエネルギーを大量に必要とします。水と同じく肥料切れに注意しましょう。ただし、猛暑で生長が鈍っている時は、固形肥料は控えて薄めの液体肥料を与えます。
ハイビスカスの育て方のポイントその⑤:病気・害虫対策
ハイビスカスの病害虫対策で、最も警戒が必要なのはアブラムシとハダニです。どちらも春から秋の生育期に発生します。薬剤を定期的に散布し、株をこまめに観察して予防と駆除に努めましょう。病気には強い植物ですが、アブラムシが原因で発生するすす病には注意が必要です。病気を防ぐためにも、害虫駆除をしっかりと行いましょう。
ハイビスカスの育て方のポイントその⑥:剪定
剪定のタイミングと切り方が重要
ハイビスカスの剪定の適期は花が咲き始める4月と、花が終わる10月です。ハイビスカスの剪定は非常にタイミングと切り方が重要なので、3つのポイントに分けて説明します。
花後剪定(花がら摘み)
ハイビスカスの花は、1日か2日でしぼんでしまいます。放っておいても自然に花がらを落としますが、早く切り取ればその分の栄養分が、次に咲く花や来年の分の蓄えへと効率よく回ります。よりよい花を咲かせるために、早急に花後剪定を行いましょう。花がらはガクの付け根から手で摘み取るか、ハサミで切り取ってください。開花時期が終わるまで繰り返し行います。
強剪定
ハイビスカスの強剪定の適期は10月、冬越し前に行います。株全体の2分の1から3分の1ほどの高さまで、葉を数枚残してバッサリと切り詰めましょう。ただし、冬の間も開花が可能な環境が維持できるなら、冬でも花を咲かせることができます。そして、冬でも花を楽しみたい場合は剪定しなくてもかまいません。
間引き剪定
ハイビスカスの生育期の強剪定は、花が咲かなくなってしまうので基本的にはNGです。ただし、枝が伸び過ぎて混み合っている場合は、付け根まで切り戻して間引きます。その他にも、冬から春にかけて、葉が枯れて落葉し始めるので、枯葉や落ち葉を見つけたらすぐに除去しましょう。
ハイビスカスの育て方のポイントその⑦:冬越し
鉢植えの場合
ハイビスカスは耐寒性が低いので、10月末までには日当たりのよい室内に移動させましょう。室内に入れる前に、冬越し前の強剪定を済ませます。エアコンなどの暖房に当たると乾燥してしまうので、暖房の温風が直接当たらないように注意しましょう。なお、関東より北の冷涼な地域で育てる場合は、安定した条件で育てられる温室栽培がおすすめです。
地植えの場合
関東より西で冬でも霜の降りない温暖な地域なら、地植えでも冬越しが可能です。できるだけ耐寒性のある品種を選び、日当たりがよく風があまり当たらない場所を選んで植え付けましょう。寒くなってきたら冬越しの準備をします。株元をバークチップなどでマルチングし、株を囲むように支柱を立て、不織布で株全体を覆えば、冬越しの準備完了です。
鉢上げする場合
地植えから鉢上げする場合も、適期は10月です。まずは株を2分の1から4分の1の大きさにまで切り戻したら、株を掘り上げます。その後は鉢の大きさに合わせて根を切り戻して植え付けましょう。植え付けが終わったら室内に入れて管理します。室内管理の注意点は鉢植えと同じです。
出典:写真AC