ハイビスカスの増やし方
ハイビスカスはタイプによって増やし方が違う
植物の増やし方には色々な方法があります。代表的なのは種まき、挿し木、接ぎ木でしょう。ハイビスカスもこれらの方法を用いて増やすことが多いのですが、ここで注意点があります。ハイビスカスは3つのタイプに分類されますが、オールドタイプとコーラルタイプは挿し木で増やせますが、ハワイアンタイプの場合、挿し木では増やせない品種があるので、接ぎ木で増やすのが基本です。ここからは挿し木と接ぎ木の仕方を紹介します。
挿し木の仕方(オールドタイプ・コーラルタイプ)
挿し木の手順
- 増やしたいハイビスカスの品種から、元気のよい枝を7~10cmほどの長さで切り取る。
- 枝の半分から下の葉を除去し、上の葉も大きいものは半分に切っておく。
- 切り口を洗い流し、水に2時間浸けて水上げする。
- 新しい用土を入れた鉢に挿し木する。用土はあらかじめ湿らせておき、2~3cmほどの深さまで挿す。
- 風のない明るい日陰で管理する。10日間は水切れしないように注意し、それ以降は土の表面が少し乾いてから水を与える。
- 成功すれば1カ月ほどで発根する。その後は苗として鉢上げし、生育に合わせて鉢を大きくしていく。
挿し木の注意点
挿し木の適期は、5月から7月上旬の生育期です。間引き剪定の際に切り戻した枝を使ってもよいでしょう。水上げの際に、水に薄めの植物活力液を混ぜておき、さらに土に挿す際には、切り口に発根促進剤をつけておくと発根率が高くなります。挿し木に使用する用土は、肥料が入っていない新しい土を使いましょう。赤玉土(小粒)がおすすめです。
接ぎ木の仕方(ハワイアンタイプ)
接ぎ木とは
接ぎ木は増やしたい品種の枝(穂木)を、別の品種の幹(台木)に接いで増やす方法です。初心者には少し難しい方法ですが、ハワイアンタイプの品種には挿し木では増やせない品種があります。どうしても増やしたい品種が該当する場合は挑戦してみましょう。仕方は下記をご覧ください。
接ぎ木の手順
- 増やしたいハイビスカスの枝を8~10cmほどの長さに切り、大きな葉を除去しておく。さらに切り口をV字型に加工する。これが穂木となる。
- 台木の幹は、地上から15~20cm上のところで切る。枝葉やわき芽は除去し、穂木を差し込むための切り口を作る。台木の半分くらいの高さのところに上から斜めにナイフを入れ、幹の直径3分の1から半分くらいの深さまで切り込む。
- 台木の切れ込みに穂木を隙間なく差し込み、接いだ部分を接ぎ木テープで巻いて固定する。この時、穂木の芽が出る部分はふさがないように注意して巻き付ける。
- 風や直射日光が当たらない場所で管理する。成功すれば1カ月までには穂木の芽が膨らんでくる。芽が膨らんだら台木の上部を斜めに切り落とし、癒合剤を塗って切り口を保護しておく。
接ぎ木の注意点
接ぎ木の適期は5月から6月です。台木には生命力の強いオールドタイプで、幹が柔らかい品種を使いましょう。管理する際には、水のやり過ぎに気をつけてください。また、水をやる際には接いだ部分に水がかからないように注意しましょう。たまに台木に新しい葉が出てくる場合があります。葉が生えてくると、台木の栄養分が穂木にいかなくなってしまうので、発見次第除去しましょう。
まとめ
美しく鮮やかな花をたくさんつけるハイビスカスは、1株だけでその場を華やかにしてくれる素敵な植物です。機会があれば、ぜひ育ててみてください。1株では物足りなくなったら、自分で増やしてみるのもおすすめです。
出典:写真AC