クレマチス「夜叉姫」の育て方:庭植えの場合
夜叉姫は見応えのある花を咲かせるので、ガーデンにもぴったりです。つる性植物のため上手に誘引すると、ガーデンのきれいな装飾になってくれます。ここでは夜叉姫の育て方の基本から、誘引の仕方など応用まで紹介します。
庭植えの育て方①植え付け
庭植えの場合も同様、苗から育てたほうがクレマチスは育てやすいです。まず直径と深さが両方40cmほどになるように、植えたい場所に穴を掘ります。掘った穴の底に「硬質赤玉土」「硬質鹿沼土」「完熟腐葉土」を4:3:3の割合で混ぜた土、またはクレマチス専用培養土を20cmほど入れ、苗を植え付けましょう。
小苗の場合は一度鉢で養生する
3~4号鉢ほどの小苗の場合は庭に植え付ける前に、5~6号鉢ほどの一回り大きな鉢で約1年間養生するのがおすすめです。
夏越しを楽にするために
クレマチスは植え替えを嫌うため、一度植え付けてしまうと場所を移動するのは難しくなります。最初から半日陰になる場所や北向きの場所に植えると、夏越しも比較的簡単でおすすめです。
庭植えの育て方②水やり
まず苗を植え付けたときにたっぷりと水をあげます。その後は、土が乾いていたら適宜水やりをしてください。特に花付きの時期は多くの水を必要とするため、こまめに水をあげましょう。
庭植えの育て方③誘引の適期とやり方
クレマチスの誘引は骨格作りのためと、新しいつるを支柱に誘うために行います。クレマチスの誘引の適期は、枝が硬くなって蕾が付き始める頃です。絡まりを解く際に枝が折れてしまうことがありますが、切れていなければ大丈夫です。あまり心配しすぎずに誘引を進めましょう。
庭植えの育て方④夏越し
庭植えで直射日光の当たる場所に植えている場合は、ビニールシートなどで日陰を作ってあげると弱りにくくなります。湿気にも弱いので、風通しがよくなるように日陰を作りましょう。
クレマチス「夜叉姫」の施肥方法
「つる性植物の女王」として名高いクレマチスは、花芽や枝の付き方を肥料に依存するのが特徴的な植物です。少し難易度が高いといわれますが、コツを押さえれば意外と簡単に施肥できます。ここでは、クレマチス「夜叉姫」の施肥方法を紹介します。
施肥方法①肥料の種類
クレマチスに与える肥料は、一般的に有機肥料と液体肥料の2種類です。有機肥料は生育のピークを迎える前後に、液体肥料は生育のピーク時に与えます。近年ではクレマチス専用の肥料も出回っており、そちらを選んでもOKです。また、秋頃の管理のために骨粉が肥料として使われることもあります。
施肥方法②施肥の時期と量
有機肥料の適期と量
一般的にクレマチスは3月頃芽吹き始めます。芽吹き時期に根・茎の発達や芽の分けつを促進するリン酸、細胞を強くするカリウムが多い有機肥料を与えるのが効果的です。5号鉢なら8g、6号鉢なら15gと多くの肥料が必要になるため注意しましょう。
液体肥料の適期と量
クレマチスの生長期にあたる3月~6月は、クレマチス「夜叉姫」も盛んに生長する時期です。健康に成長するのを助けるため、2週間に1回液体肥料を約500倍に薄めたものを与えましょう。
骨粉の適期と量
骨粉とは、動物の骨を粉末状に加工したものです。クレマチスに肥料を与える時期は成長ピーク期とその前後ですが、9月~10月頃が成長ピーク期の後に当たります。この時期に骨粉を施してあげることで、次の春までに十分な栄養を蓄えます。適量は5号鉢なら15g、6号鉢なら25g程度が目安です。
③施肥を控える時期
夏期と冬期には肥料を与えないようにしましょう。7月~8月にかけての酷暑の時期はクレマチスが暑さにより弱ってしまい、肥料を吸収できなくなります。人間にたとえると、夏バテで食欲を失っている状態と同じようなものです。また、冬は成長活動を停止し、施肥の必要がなくなります。