コーンフラワーとは
コーンフラワーとは、乾燥させたとうもろこしをひいて粉にしたものです。小麦粉に比べると黄色っぽく、日本ではあまりなじみがない食材です。しかし実は、気が付かないうちにさまざまなところで利用されている身近な食べものでもあります。また、メキシコや中央アメリカなどのメソアメリカ地域では、トルティーヤなどの材料として欠かせない食材です。
原料には硬い品種を使う
とうもろこしというと、甘くて柔らかいスイートコーンをイメージする人が多いかもしれません。しかし、コーンフラワーの原料になるのは、普段食べている甘い品種ではありません。一般的な製造方法においては、飼料用のデントコーンや粉にひきやすいフラワーコーンなどといった、固く水分量の少ない品種を利用します。
粒の大きさで名前が変わる
コーンフラワーの仲間として、コーングリッツやコーンミールがあげられます。コーングリッツは、ひいたとうもろこしですが粒が粗く、コーンフレークやコーンスナック菓子の材料になります。一方コーンミールは、コーンフラワーとコーングリッツの中間の粒の大きさです。使い方はコーンフラワーと同じですが、コーンフラワーに比べると軽くざらりとした仕上がりになります。
でんぷんだけを取り出すとコーンスターチになる
コーンフラワーとよく似た名前の、コーンスターチという粉もあります。こちらは、とうもろこしのデンプンだけを取り出したものです。他の粉と違って白く、キュッとした手触りがします。同じ穀物のデンプンを取り出したものである片栗粉とよく似ていますが、温度が下がってもとろみが変わりません。そのため用途は異なり、カスタードクリームなどのお菓子によく利用されます。
コーンフラワーの特徴
コーンフラワーはしばしば、小麦粉の代用として使われます。しかし実際には、小麦粉とコーンフラワーではいくつもの違いが存在します。したがって、コーンフラワーならではの特徴をおさえることで、より美味しく食べることができます。特に、小麦アレルギーの人でも食べることができるというのは、コーンフラワーならではの特徴のひとつです。
水を吸いやすく伸びがいい
コーンフラワーの最大の特徴は、他の粉と比べて非常に水を吸いやすいということです。少量の水でもすぐに溶ける上、水に溶かしたものはよく伸びるので、特に薄い生地を作るのに適しています。この性質を利用することで、薄いクレープのようでいてどっしりとした食べごたえのあるトルティーヤなどを作ることができます。
ほろほろと崩れやすい
コーンフラワーのもうひとつの大きな特徴は、水分の吸いやすさに対して保水力が少ないということです。そのため、焼き上げるとほろほろと崩れやすい、特徴的な仕上がりになります。ふんわりとした食パンのような食感にはなりませんが、マフィンやスコーンにはぴったりです。また、焼き上がりにバターなどをたっぷりと塗ると、しっとりとした食感になります。
濃い黄色の生地になる
コーンフラワーは、原料のとうもろこしの色が濃く出ているため、生地も濃い黄色になります。そのためパンやケーキなどに使えば、小麦の生地と比べて、華やかで明るい仕上がりです。小麦粉の生地に卵黄を多く加えても黄色い生地になりますが、こちらは卵アレルギーの人でも食べることができます。そのため、子供のおやつなどにも向いています。
小麦粉の代用すればグルテンフリー
コーンフラワーはとうもろこしでできているので、もちろん小麦を含みません。そのため、小麦アレルギーやグルテン不耐症といった体質の人でも食べることができます。もちろんグルテンフリーですから、ダイエットにも適しています。グルテンフリーというと米粉を使った商品が多いですが、最近はコーンフラワーを使った商品を出しているメーカーも徐々に増えてきました。
次のページでは、コーンフラワーの使い方を具体的に見てみよう!
出典:写真AC