セイヨウオトギリソウの増やし方
冬になると根だけが冬越しするセイヨウオトギリソウですが、増やし方を知っておけば計画的な栽培ができます。そのため株分けや挿し木などの増やし方を覚えて冬越し前に植え付けしておけば、翌年の春には新芽が出てきます。そこでセイヨウオトギリソウの増やし方の基本を解説します。
①株分け
冬越しをする多年草のセイヨウオトギリソウは、株分けをする増やし方がおすすめです。株分けのために土を掘り起こす際には株根が崩れないように注意し、株分けする際は2芽~3芽を目安に株分けしていきます。なお根についた古い土は、根を傷つけないように注意しながらていねいに落としましょう。
株分けは植え替えのタイミングがおすすめ
プランターで栽培する場合、定期的な植え替えが必要です。植え替えは気温が高い真夏と休眠期の冬を避ければOKなので、植え替えのタイミングで株分けをすると、セイヨウオトギリソウにかかるストレスを減少させることができますし、株分け作業の手間も省けます。
挿し木の増やし方はあまり適していない
多年草の増やし方で定番なのが挿し木ですが、根だけが冬越しするセイヨウオトギリソウなので、挿し木よりも挿し木以外の増やし方が主流です。もちろん挿し木で増やすこともできますが、セイヨウオトギリソウの増やし方としては挿し木よりも株分けの方が簡単にできます。
②こぼれ種
地植えの場合は、こぼれ種での増やし方もあります。確実な増やし方ではありませんが、新芽が出るかを予想しながら春を待つのも、自然に任せるこぼれ種の増やし方ならではの楽しみ方です。もちろんプランターでもこぼれ種で増えることはありますが、地植えよりも発芽する確率は低いでしょう。
セイヨウオトギリソウの夏の育て方・管理法
日当たりと風通しがよい場所を好むセイヨウオトギリソウの夏の育て方は、日当たりの管理がポイントです。なお日陰になっている場所でも明るい日陰や半日陰なら成長に問題ありませんが、直射日光や日のあたらないじめじめとした日陰は見た目の悪さや病気の原因にもなります。
①地植えの場合
セイヨウオトギリソウに直射日光があたると葉焼けの原因になるため、本来であれば半日陰の場所に植え付けをするのが地植えの基本です。ただしいろいろな条件で直射日光が当たるようになった場合は、園芸用の遮光ネットなどを使って直接太陽の光がセイヨウオトギリソウにあたらないようにしましょう。
半日陰の場合は水やりの頻度にも注意
半日陰に植え付けすれば直射日光による葉焼けの被害は避けられますが、水やりのし過ぎによる根腐れや病気の発生の心配があります。7月~8月の開花時期には水やりの回数を増やして乾燥対策をするのがセイヨウオトギリソウの育て方の基本ですが、水やりのし過ぎで過湿状態にならないよう注意して水やりしてください。
②プランター植えの場合
プランターの場合は置き場の移動ができるので、乾燥状態や日差しの強さなどに応じて適宜置き場を変更するのがポイントです。特に日当たりのよいベランダを置き場にしている場合、半日陰であってもコンクリート床からの輻射熱で水枯れを起こしやすくなるため、遮光ネットなどで急激な気温の上昇をコントロールしましょう。
セイヨウオトギリソウの冬の育て方・管理法
セイヨウオトギリソウは冬越しをする多年草なので、冬越しのコツを覚えることが冬の手入れ・管理のポイントです。なお冬越しするのは地中の根(地下茎)のみで、地上に出ている草木は冬越せずに枯れてしまいます。なお地植えとプランター植えで冬越しの注意点が違うので、それぞれのポイントを解説します。
①地植えの場合
耐寒性のあるセイヨウオトギリソウですが、降雪地帯での地植えでは冬越し前に枯れ葉や腐葉土、ワラなどを根元にかぶせることで防寒対策ができます。なお防寒対策で使った枝や腐葉土などは、そのまま放置しておけば種まき・植え付け用の肥料として再利用できます。
②プランター植えの場合
地植えと違いプランターの場合は置き場の移動ができるので、寒さが厳しい地域では日当たりのよい暖かい場所に置き場を変えることで冬越しします。ただし冬越ししている間も土の中では春に向けて成長を続けているので、1週間に1度を目安に水やりをするのがプランターでの冬越しのポイントです。
まとめ
夏に色鮮やかな黄色の花をつけるセイヨウオトギリソウは、草や木・花を収穫し乾燥させればいろいろなものに使えるハーブになります。土や肥料を選ばず成長しますし、冬越しする植物なので冬に枯れても春にはまた新しい芽が出てきます。そんなセイヨウオトギリソウの栽培に一度チャレンジしてみませんか?