蟠桃の特徴
特徴①平たい形
蟠桃の最大の特徴は、なんといっても平たい形状です。特に日本では丸い桃が一般的のため、さらに奇妙な印象を持たれるでしょう。前に触れたように「蟠桃」という名前も、別名の「座禅桃」も、この独特の形状が由来です。大きさは約100g~150gと、桃としてはやや小ぶりな部類に入ります。
特徴②ジューシーで甘い味
蟠桃の味は、甘味が強くて酸味は優しく、汁気がたっぷりあっておいしいと評価されています。果肉が緻密できめが細かいため、ややねっとりとした食感があります。桃としては小ぶりな蟠桃ですが、種が小さいため食べられる部分が意外に多いです。香りもよいため「おいしいフルーツを食べた」という満足感を十分に感じられますよ。
特徴③白桃系と黄桃系にわかれる
蟠桃には複数の品種があり、白桃のように果肉が白い品種と、黄桃のように果肉が黄色い品種にわかれます。日本国内で生産されている蟠桃は、果肉が白い白桃系の品種のほうが多いといわれています。果肉の色以外の特徴や性質に大きな違いはありません。
特徴④化粧品にも利用されている
桃は古い昔から不老長寿の象徴とされてきました。現代でも美容・健康効果が期待できる成分を多く含む植物として、化粧品などにもよく利用されています。蟠桃も例にもれません。蟠桃から抽出したエキスを使用した化粧品が、実際に開発・販売されています。
蟠桃の種類・品種
蟠桃には複数の品種がありますが、生産量自体が少ない日本では栽培されている品種も少ないです。ここでは、日本で栽培されている貴重な蟠桃の品種を紹介します。
品種①舞姫
舞姫は赤い皮と白い果肉を特徴とする蟠桃の品種です。白桃に近い見た目をしています。果汁をたっぷりと含んだ甘い味わいが魅力です。収穫時期が早い早生種でもあり、7月下旬~8月上旬にかけて収穫・出荷されます。
品種②楊貴妃
楊貴妃は、黄桃のような黄色い果肉が特徴の品種です。皮は赤く、切ったときの赤い皮と黄色い果肉とのコントラストの美しさには定評があります。濃厚な香りと味わいが大きな特徴です。8月中旬~9月上旬に収穫・出荷されています。名前の由来である唐時代の中国の美女・楊貴妃が有名過ぎる影響なのか、「蟠桃」ではなく「楊貴妃」の品種名で流通していることがあります。
品種③貴宝
貴宝は上記の舞姫と同じく、赤い皮に白い果肉と、白桃に似た色合いが特徴の品種です。しかし貴宝は晩生種のため、他品種に比べると収穫時期が遅い特徴があります。ちなみに収穫・出荷時期は9月上旬~9月中旬です。さらに他品種と比べると実が小さいため、他の桃よりも高額であるという特徴もあります。
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