⑨ラベンダー
ラベンダーは、古代ギリシャ・ローマ時代から薬草として利用されてきた歴史を持つ、優れたハーブです。鮮やかな花色と、清々しい香りから「ハーブの女王」と呼ばれています。香りの素晴らしさから、誰かに贈る際には香水やポプリにすることも多いです。素晴らしい香りと優れた薬効を誇るラベンダーですが、なぜか不吉な意味の花言葉がつけられています。
ラベンダーの花言葉
ラベンダー全般の花言葉は「沈黙」「疑惑」「不信感」「清潔」です。怖い・不吉な印象を受ける言葉が多いですね。「沈黙」はラベンダーの持つリラックス効果に由来しています。「疑惑」「不信感」は、「どこからこんな強い香りがするのか?」と、疑問に思ってしまうほどの強い香りが由来です。「清潔」は古代ギリシャでは、洗濯や入浴の香りづけとしてラベンダーを使う習慣があったことから生まれました。
ラベンダーの花言葉まとめ
- ラベンダー全般の花言葉:「沈黙」「疑惑」「不信感」「清潔」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
⑩クロユリ(黒百合)
クロユリ(黒百合)は名前に「ユリ(百合)」がついていますが、ユリとは別の植物です。黒い花色と、独特の匂いを持つことから、ギフト・プレゼントにはNGとされています。「呪われた花」と呼ばれることもありました。その一方で、アイヌ民族には、好きな相手にクロユリを贈ると恋が叶うという言い伝えがあります。このため、花言葉も非常に両極端な意味を持つものがつけられています。
クロユリの花言葉
クロユリの花言葉は、ロマンティックな意味と、不吉で怖い意味の両方があります。前者が「恋」「愛」、後者が「呪い」「復讐」です。ポジティブとネガティブ、両方の意味を持つ花言葉を持つ花は多いですが、ここまで極端なのは珍しいといえるでしょう。どちらの花言葉も伝説が由来です。
クロユリの花言葉の由来①
クロユリの「恋」「愛」の花言葉は、アイヌ民族の言い伝えが由来です。アイヌ民族には、クロユリの花を使った恋のおまじないがありました。まずは誰にも気づかれないように、クロユリの花を好きな人のそばに置きます。そして相手が贈り主に気づかずに花を手に取れば、恋が叶うというものです。このおまじないから、「恋」「愛」という花言葉が生まれました。
クロユリの花言葉の由来②
「呪い」「復讐」という不吉で怖い花言葉は、戦国時代の伝説が由来です。戦国時代の武将・佐々成政(さっさなりまさ)の側室に、早百合姫という女性がいました。たぐいまれな美貌の持ち主だったため、成政に寵愛されます。ところがある日「早百合姫は密通している」という噂が流れ、それを信じた成政によって、早百合姫は一族もろとも処刑されてしまいました。
そして早百合姫の最期の言葉どおり、のちに佐々家は滅んでしまうんだよ。この伝説から「呪い」「復讐」という花言葉が生まれたんだ。
クロユリの花言葉まとめ
- クロユリ全般の花言葉:「恋」「愛」「呪い」「復讐」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
⑪ホオズキ
ホオズキは花よりも実のほうが観賞価値が高い植物です。このため開花時期は6月~7月ですが、見頃の時期は、実が色づく8月~9月とされています。なお、ホオズキの赤い実は死者を導く提灯の役割を果たすと信じられていたことから、お盆の仏花の定番花です。平安時代には漢方薬として用いられていた歴史もあり、縁起物として扱われています。
ホオズキの花言葉
ホオズキ全般の花言葉は「偽り」「ごまかし」「欺瞞」「心の平安」「自然美」です。縁起物とされているわりに、縁起の悪い言葉が多いですが、由来は不吉なものではありません。ホオズキの実は見た目は大きいですが、中はほとんど空洞で、小さな実があるだけです。この様子が「大きな果実だと思ったら果肉がない」と、だまされたような気分になることから「偽り」「ごまかし」などの花言葉がつけられました。
ホオズキの花言葉まとめ
- ホオズキ全般の花言葉:「偽り」「ごまかし」「欺瞞」「心の平安」「自然美」
- 種類別・色別の明確な花言葉はなし
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早百合姫は「立山に黒百合の花が咲くとき、佐々家は滅びる」と呪いの言葉を吐いて絶命したと伝わっています。