クロモジの香りと効果
香りの特徴
クロモジのように香りをもつ木は邪気を払う神聖なものとして扱われています。クロモジは英語では“Spicebush(スパイスブッシュ)“と呼ばれています。木なのに花をイメージさせるフローラルな香りもあり、スパイシーとはいわれますが、刺激的ではなく、どちらかというと甘くやわらかな香りが特徴です。
香りの成分
クロモジの香りの主要な成分は、リナロール、ゲラニオール、テルピネン-4-オールです。特にリナロールとゲラニオールの成分比率がアロマテラピーでも人気のローズウッドと似ているといわれます。ローズウッドは南米で数を激減させ希少な木材となっているため、クロモジが注目を集めています。
香りの効果
リラックス効果
クロモジの香りに含まれるリナロールという成分には、心がざわざわするときに落ち着きをとりもどす鎮静作用があるといわれます。リラックス効果が高いので、眠れない、イライラするなど神経が高ぶっているときにおすすめです。
肌をやわらかく
ゲラニオールはウツウツとした気分をあげてくれるといわれています。また、収れん作用で肌を引き締めながら、柔らかくする効果の他、肌の弾力の回復を助けるともいわれます。蚊が嫌う香りでもあるので防虫の用途で効果が利用されることがありますよ。
風邪予防
クロモジに含まれるシネオールという成分はのど飴などにもよく使用されています。のどの炎症を鎮める、痰をとる、免疫を調整してくれる効果も期待できるので風邪が気になる季節に活躍してくれるでしょう。
生薬としての効果
クロモジは生薬としても用いられています。生薬名は烏樟(ウショウ)で、神経過敏で眠れないとき、痰や咳を鎮めるなどの作用が認められるといわれます。また、胃腸の働きを整えるため下痢のときにも効果が期待できます。入浴剤にすると肩こり、神経痛、湿疹にもよいとされます。
次のページでは、クロモジの利用法、他の仲間との違いについて解説します。