つる性植物とは?
つる性植物の意味
つる性植物とは、茎が自立せずに、なにか他の対象物に巻きついたり、寄りかかったりして、高い所を目指して成長する植物のことです。つる草を総じて「かずら」とも呼びます。茎が自立できるほど強くなる必要がない分、早く成長するので、庭や公園などの緑化によく使われています。
つる性植物の定義
つる性植物は生育初期には茎が直立するので、ほふく性植物とは区別されますが、実際はあいまいな点も多くあります。つるバラやクレマチスなどの庭を彩るものから、キュウリやスイカなどの野菜類、またヤブカラシやカナムグラなどの厄介な雑草まで種類は多岐に渡ります。
つる性植物の種類
茎が絡みつく種類
つるが伸びる形状の茎が他の対象物に巻きついて成長するタイプのつる植物は、朝顔、藤、キウイ、ヘクソカズラ、クズなどです。放っておいても成長しますが、支柱やフェンスなどに誘引しないと姿が乱れます。また、ほかの植物に巻き付いて枯らしてしまうこともあるので、管理が必要です。
付着根で張り付く種類
気根と呼ばれる小さな根の吸盤を葉や茎から出して、壁をはうように成長するタイプのつる植物は、アイビー、ツルアジサイ、テイカカズラ、ナツヅタなどです。洋館の壁面を覆うように育つ姿は素敵です。ただ、ほかの木に這っても枯らしたりはしませんが、家の壁面に直接這うのは壁が傷むので、間に挟む板かネットなどを用意しましょう。
巻きヒゲで巻き付く種類
葉や茎が変化した、巻きヒゲと呼ばれるくるんとしたつるで対象物に絡みついて成長するタイプのつる植物は、クレマチス、トケイソウ、キュウリ、葡萄、ヤブカラシなどです。緑のカーテンやフェンスなどに簡単に絡むのでいろいろな場で使われています。
寄りかかって伸びる種類
単に他の対象物に寄りかかる、もしくはトゲなどで引っかかるなどして成長するタイプのつる植物は、つるバラ、ブーゲンビリア、カナムグラなどです。ガーデニングでは園芸種をアーチやフェンスなどに誘引して立体的に楽しみます。
つる性植物の利用法
ガーデニングに
つる植物は、ガーデニングで立体感のある空間を作るときに欠かせません。つるバラやクレマチス、ハニーサックルなど華やかなものをフェンスやアーチ、トレリス、オベリスクなどに絡めてフォーカスポイントにします。藤のように大きなものは、パーゴラに仕立てて楽しむのが一般的です。
緑のカーテンに
近年の猛暑対策に導入されているのが、緑のカーテンです。日差しの強い窓の外にネットを張り、ゴーヤやヘチマ、トケイソウなどを這わせて日差しを遮ります。また、道路や隣家への目隠しにもなります。朝顔、昼顔、夕顔を混植して1日中花を楽しむというアイデアもあります。
壁画緑化に
常緑のつる性植物による壁面緑化といえば、日本では甲子園球場が有名です。最近ではヒートアイランド現象を抑えるためや、目にやさしいデザインとして、都市部の建物にも取り入れられています。ただ、直接建物に這わせると壁が傷むので、ネットや補助材を壁前に設置します。アイビーやナツヅタなどがよく使われます。
出典:筆者撮影