ニコチアナとは
ニコチアナは別名「花タバコ」と呼ばれるカラフルな植物です。タバコの原材料ともなる植物で、ニコチンがふくまれています。この項目では、ニコチアナがどのような植物か基本情報などをご紹介します。
基本情報
科名 | ナス科 |
属名 | タバコ属 |
原産地 | 南アフリカなど |
開花時期 | 夏から秋 |
花の色 | 白、紫、ピンクなど |
名前の由来
名前の由来は、ジャン・ニコという人物にちなんでいます。ジャン・ニコはフランスにタバコを普及した人物で、元ポルトガル駐在領事でした。最初は薬草とされていたタバコですが、後にフランスの上流階級に広まっています。ニコチンの名前の元ともなっており、タバコに大きく貢献した人物でした。
ニコチアナの特徴
ニコチアナは紫や緑、濃いピンクなどさまざまな色を楽しめるため、寄せ植えも人気です。この項目では、ニコチアナの特徴についてご紹介します。
種類が多い
ニコチアナは種類が多く、世界で60種ほどが確認されています。もっともよく知られているのは、葉タバコの原料となる「Nicotiana tabacum」ですが、他にも園芸用に改良されたニコチアナが多くあります。60種のうち、人間が改良した品種はおよそ7種ほどです。
花の色
ニコチアナは種類によって花の色が違い、ピンクや赤、白、黄色、紫などの色があります。この中で珍しいのは黄色の花を咲かす種類で、「ラングスドルフィー」という名前です。また他の種類とは違い、花が細長く見分けやすい形です。
つぼみに虫が集まりやすい
ニコチアナはとてもカラフルな花を咲かせるので、つぼみに虫が集まりやすいという特徴があります。オオタバコガという虫が特に集まりやすく、夜間に飛んできてつぼみに卵を植えつけます。すると孵化した幼虫がつぼみを食べ、台無しにしてしまうのです。見つけたらすぐに取り除くようにしてください。
花の香り
ニコチアナの花には香りがあり、夕方になると匂いを放ちます。この香りはほのかに甘く、庭などに長く漂います。この中でも香りが強いのが白い花の品種で、「ジャスミンタバコ」という名前です。開花した時にはぜひ香りも楽しんでみるとよいでしょう。
枯れたニコチアナの花
枯れたニコチアナの花が積み重なると腐ったり発酵してしまったりする可能性があります。そうすると甘い匂いは消え、かわりに不快な臭いを放ちはじめます。また枯れた花を早くつまないと茎にはりついて見た目が悪くなるので、花がら摘みはこまめにするとよいです。
草丈
ニコチアナの原種は草丈がとても長く成長し、100cmを超すこともあります。しかし、観賞用に交配された種類は30cm〜50cmほどに成長がおさえられています。これは矮性種と呼ばれるもので、小さな個体だけを交配させて作られます。
ニコチアナの花言葉
ニコチアナには、よいイメージとネガティブなイメージの両極端な花言葉があります。この項目では、ニコチアナの花言葉などについてご紹介します。
花言葉➀「あなたがいれば寂しくない」
ニコチアナの花言葉の1つに、「あなたがいれば寂しくない」があります。これはニコチアナがタバコ属であることに由来しており、タバコを吸うと気持ちが和らぐからという理由です。似た花言葉を持つ植物にペチュニアがありますが、ペチュニアもタバコ属と近縁です。
花言葉➁「孤独な愛」
ニコチアナの花には、「孤独な愛」という意味もあります。ニコチアナは群生して花を咲かせますが、しばらくたつと1つ1つ枯れていってしまいます。由来は、枯れてしまう前に少しだけ花が残っている姿が、「孤独」とされたからです。
贈りたい人
ニコチアナは、大切な人や家族に贈るのに向いています。感謝や愛情を伝えるためにも向いており、花言葉を伝えたうえで贈るとさらに喜ばれるかもしれません。寄せ植えやブーケなどにすることもできるので、ぜひ送ってみてください。
贈る場合の注意点
ニコチアナはよいイメージの花言葉を持っていますが、同時にネガティブな花言葉も持っています。縁起の悪い花言葉をもつ花を贈ると、相手に悪いイメージを持たせてしまいます。ニコチアナを贈る場合は「あなたがいれば寂しくない」と花言葉を伝え、もう1つの花言葉はあえて伝えなくてもよいでしょう。
ニコチアナの育て方
ニコチアナは「タバコ専売法」という法律で栽培が禁止されていましたが、現在は栽培できます。管理も簡単なので初心者の方でも栽培が可能です。この項目では、ニコチアナの育て方についてご紹介します。
育て方➀用土
用土は水はけのよい「赤玉土」や「鹿沼土」を使うとよいです。水が多すぎると根腐れを起こしてしまうので、その防止にもなります。また水はけがよいとカビや菌、害虫などを寄せつけにくくなるため安全にニコチアナを育てられます。
育て方➁種まき
ニコチアナは寒さに弱く、日本では春に種をまきます。暖かくなる時期に芽が出て、夏に花を楽しむことが可能です。これを「春まき1年草」といい、開花が遅いかわりに長く育てられます。冬になって枯れると種ができるので、それを春にまけば何回もニコチアナを植えることができます。
暖地では
ニコチアナは冬には枯れてしまいますが、気温が高い暖地などでは冬まで枯れずにいることがあります。冬に枯れずに春に枯れると、その分さらにニコチアナを楽しむことができます。また種の収穫も通常より遅れてしまいますが、5月中に種まきができれば問題ありません。
育て方➂肥料
ニコチアナは花を咲かせている期間が長いので、時期にあわせて肥料が必要です。鉢植えにしている場合は緩効性肥料を少しずつ与えると花を長持ちさせられます。また、地植えの場合は月に1回ほど、まとめて与えるとちょうどよい配分になります。
育て方④水やり
ニコチアナは、普段は降雨だけで十分な水分をおぎなえます。しかし、乾燥してしまう季節や鉢植えの場合は用土が乾きやすいという特徴があります。用土の表面はこまめに確認し、乾いていたら水をたっぷりと与えるようにしてください。
育て方⑤置き場
ニコチアナは日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。日光が足りないとあまり大きく育たないので、しっかり日の当たる場所で管理をしてください。半日陰での栽培もできますが、多湿な環境を避け、雨の後などにはたっぷりと日光に当てるようにしましょう。
まとめ
ニコチアナはさまざまな色の花を楽しめ、管理も比較的簡単です。また暖地で育てるとさらに大きく成長し、寄せ植えなどにもできます。ぜひ上手に育てて、花を観察してみてください。