庭木の伐採の前に
自宅の庭木が高くなりすぎたり、大きくなりすぎたりしたら「庭の木を切りたい」と思うこともあるでしょう。大きくなりすぎた木は、倒木などのトラブルが起こるかもしれないため伐採する必要が出てきます。伐採をしなければならないときは、伐採の準備をします。自分で作業を行う際には、大きさの把握やお祓い、道具の準備が必要です。
庭木の高さと太さを把握
高くなりすぎた木を切る場合、まずは木の高さや太さを測り自分で伐採できるか確認します。高さ約3m、幹の太さが約20cmを超える大木の伐採は危険です。専門業者に依頼しましょう。また敷地内に木を倒せる方向がない場合や切りづらい場所にある場合も、安全のために専門業者への依頼をおすすめします。
自分で伐採できる庭木の大きさは、限界は高さ3m、太さは直径約20cm
伐採する庭木のお祓い
庭木も生きた植物のため、気になる方は伐採する木のお祓いをするのがおすすめです。お祓いをする場合は、清めの酒や塩をお供えします。手をあわせ、これまで見守ってくれたことへの感謝や切り倒すことへの謝罪などを伝えてください。神社に依頼すればお祓いを代行してもらうこともできるため、庭木に自分の気持ちを伝えやすい方法を選ぶとよいですね。
伐採に必要な道具
伐採にはいろいろな道具が必要です。安全性を優先し、使用しやすい道具を用意しましょう。
チェーンソーまたはノコギリ
チェーンソーやノコギリは、木を伐採するために必須の道具です。庭木の本数が少ない場合や細い木を切る場合はノコギリだけでも伐採が可能ですが、それ以外の場合はチェーンソーも用意するとよいでしょう。ただし、チェーンソーはノコギリよりも危険が伴います。使用者にチェーンソーが跳ね返ってくるキックバックなどの重大な事故が起きないよう、説明書をよく読み、使用には十分注意してください。
ロープ
伐採時、木を倒す方向を制御するために必要な道具です。ナイロン製の丈夫なロープを10m用意しましょう。
防護服
チェーンソーやノコギリで木を切るとき、木片などが飛び散ります。けがを防ぐために、防護服を着用しましょう。厚手の生地や高い防護性のある生地のものを選ぶと安心です。また、防護メガネ・ヘルメット・耐切創手袋・安全靴があるとより安全性が高まります。
シャベルまたはスコップ
シャベルやスコップは、木の根を抜くために必要な道具です。木が植えてある地面は踏み固められているため、足を掛ける部分があるシャベルを使用すると根を掘りやすいですよ。
除草剤
除草剤は、木の根を枯らすための道具です。掘り残した根にかける場合は土壌処理タイプを選びましょう。しかし、土壌処理タイプは同じ土に植えてある周囲の木や花にも影響があります。切り株に塗る場合は葉茎処理タイプを選びます。どちらのタイプも川が隣にあるなど使用できない場合があるため、購入前に使用方法を確認しておきましょう。
庭木の伐採方法について
横枝の切り方
幹を切り倒す際の危険が減るよう、まずは横枝を切りましょう。横枝は、幹から横に伸びる枝です。切り方は比較的簡単です。下のほうから、チェーンソーまたはノコギリで切っていきます。手間は増えますが、横枝を切ることで幹の重量が減少し、倒すために必要なスペースも縮小します。脚立を利用する場合は自身や横枝の落下に十分気を付けてください。
幹の切り方
横枝を切り終えたら幹を切り倒しましょう。幹は太さや高さから想像する以上に重量があるため、切り倒すには横枝を切るとき以上の危険が伴います。続けて行う場合は少し休憩してから切り始めるなど、安全重視で作業してください。
倒す方向を決める
最初に倒す方向を決めます。次の点に注意しましょう。
- 敷地から飛び出ない
- 物や人にぶつからない
受け口を作る
まずは倒す方向に「受け口」と呼ぶ切り込みを作ります。倒す方向に対し直角に交わるよう切り込みを入れてください。ここできちんと直角に「受け口」を作れると倒したい方向に正確に倒れます。「受け口」は膝くらいの高さに作ります。幹の1/3程度までの深さで真横に切り、次に切り込みが横から見て「く」の字になるように30〜45度の角度で下から斜めに切ります。
追い口を作る
次に反対側から「追い口」と呼ぶ切り込みを作ります。「受け口」より少し高い場所に、倒す方向と直角に交わるように切り込みを入れてください。「追い口」も幹の1/3程度までの深さで真横に切ります。
幹を倒す
最後に「追い口」側から「受け口」側へ木を押して倒しましょう。敷地内に一度で倒せるスペースがない場合や、倒すのは重量に不安がある場合は、複数回に分けて切り倒すのも手です。
根の抜き方
根を放置すると、害虫の温床となったり根が成長し地中の配管に絡まったりするなどと問題が生じます。トラブルを防ぐために、根を抜く必要があります。しかしすでに配管に絡まっている、根がなくなると地面が沈下する恐れがあるなど、根が抜けないこともあるかもしれません。不安な場合は専門業者に相談してから作業を行うことをおすすめします。
スコップで掘り出す
まずはスコップで切り株の周りから土を掘っていきます。幹の真下にある根が出てくるところまで掘り進めたら、スコップを利用しテコの原理で抜くかロープを掛けて引っこ抜きます。抜けない場合は周囲の土を更に深く掘ります。切り株が抜けたら、掘った穴の中に除草剤をまき、残った根を枯らしましょう。根が少しも残らないよう、しっかりまいてください。最後に掘った穴を土で埋めます。
除草剤で切り株を枯らす
伐採したばかりの断面に除草剤を塗ります。木の皮に近い場所に栄養を運ぶ層には、たっぷり塗ってください。上からビニールを被せて雨で除草剤が流れないようにしましょう。このとき、黒いビニールを使用すると太陽光が遮断でき、腐らせる効果もあります。枯れるまでに数カ月かかるため、時間がある方におすすめの方法です。
伐採した庭木の処理方法について
大事に育ててきた庭木をどう処分するか悩むところでしょう。伐採した庭木も放置すると害虫の温床になってしまうため、早めに処分方法を決めなければなりません。
家庭ゴミとして捨てる
木の処分は自治体によって方法が異なります。
- 燃やせるゴミ
- 粗大ゴミ
- クリーンセンターへ持参
専門業者に処分を依頼する
伐採した庭木を家庭ゴミで捨てられる大きさに切るのが大変な場合は、専門業者に依頼する方法もあります。費用はかかりますが時間も労力も必要ないため、とにかく早く処分したい方向けです。
DIY用品としてリサイクルする
大事にしていた庭木をゴミとして捨てたくない方には、リサイクルという方法も一案です。薪や肥料としての再利用や乾燥させてから販売などのリサイクル方法もありますが、ここではDIY用品として再利用する方法を紹介します。
ウォールツリー
剪定した枝を麻紐などでつなぎ合わせて、ツリーの土台とします。クリスマス飾りだけでなく、カボチャやコウモリの飾り付けでハロウィン、門松や鶴の飾り付けで正月など、いろいろなイベントで使えます。
ラダー
ディスプレイとして部屋にアクセントを加えながら、実用的に使えます。飾るだけでなく、タオルを掛けたり小物置き場を作ったりするなどと使い方は様さまざまです。
リース
吊るしても置いても素敵なインテリアとして使えます。葉を中心とした物や枝を中心とした物など、好みのリースを玄関やリビングに飾りましょう。
まとめ
庭木の伐採や処分の方法について紹介しました。家の木を切るには十分な安全対策や現状把握などの準備が必要となります。切り倒してしまうと元には戻せないため、自分にあった伐採方法や処分方法をじっくり選びましょう。怪我などないよう気をつけて行ってください。