食材としてのあおさ
海藻の一種
あおさは海藻です。実は、私たちが普段あおさと呼び、慣れ親しんでいるものは、大きく分けると2種類に分けられます。あまり知られていませんが、アオサ科アオサ属である、分類学的に正真正銘とされるあおさと、ヒトエグサ科ヒトエグサ属であるヒトエグサです。この2つは分類学的には別物ですが、呼び方が混同されており、どちらも同じように「あおさ」と呼ばれます。
ヒトエグサがあおさと呼ばれる理由
ヒトエグサがあおさと呼ばれているのはなぜでしょう。実は方言として、ヒトエグサをあおさと呼んでいる地域があるのです。現在、あおさの味噌汁に利用されているもののほとんどを、このヒトエグサが占めています。今回は、味噌汁に利用されている、ヒトエグサであるあおさについてご紹介していきます。
主な産地
ヒトエグサの日本での生産量のほとんどを三重県が占めています。特に三重県志摩市が代表的な産地として知られています。ヒトエグサをあおさ、と方言で呼ぶ地域があるとご紹介しましたが、志摩地方です。日本の代表的な産地がヒトエグサをあおさと呼んでいるため、そこから全国的に呼び名が浸透し、現在に至るというわけです。
あおさの味噌汁の栄養
あおさにはさまざまな栄養がバランスよく含まれています。身近な食材なので、栄養や効果効能などはあまり意識したことがない方もいるかもしれません。あおさにはナトリウムやカリウム、鉄分や銅などたくさんの栄養分が含まれていますが、代表的な栄養分をご紹介します。
食物繊維
あおさには、豊富な食物繊維が含まれています。あおさの40%が食物繊維で、おなかの環境を整える効果が期待できます。そのため便秘改善にも効果が期待でき、肥満予防にも役立つとされています。
カルシウムとマグネシウム
あおさには豊富なカルシウムやマグネシウムが含まれています。マグネシウムは、骨の形成など、カルシウムの働きをサポートする役割があります。あおさには牛乳の8倍ものマグネシウムやカルシウムが含まれているので、まさにあおさを代表する栄養素といえます。カルシウムには骨を健やかで丈夫に保つ働きがあるため、骨粗しょう症の予防などにも効果が期待できますよ。
ビタミンA
あおさは日常生活に不足しがちなビタミンAを多く含んでいます。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。ビタミンAを含む食品としてほうれん草がよく知られていますが、あおさはほうれん草のおよそ2倍のビタミンAを含んでいるのです。ビタミンAはカラダの免疫力アップにも効果があるとされています。
ビタミンB12
野菜などの植物製品で、ビタミンB12を含むものは珍しいのですが、あおさには、そのビタミンB12が豊富に含まれています。ビタミンB12は、赤血球の形成に役立つとされる、葉酸の働きをサポートする効能や貧血予防に効果があります。特に、ダイエット中の人はビタミンB12が不足しがちなので、あおさで意識的に取り入れるようにするとよいでしょう。
出典:写真AC