ハクビシンは駆除すべき?
ハクビシン自身に罪はありませんが、人間との共存という意味ではやはり、駆除すべき外来種といえるでしょう。特定外来生物指定されておらず鳥獣保護法で保護されている動物なので、勝手に捕獲撃退するとのちに問題になることがあります。各地方自治体によって扱いが違いますので、まずは問い合わせをしてみてください。
理由①食害
ハクビシンは昼間は山林や暗い洞穴など、すみかにしている場所で寝ていますが、夜になると食料を求めて行動しはじめます。果樹園の果物や畑の野菜などを食い荒らして被害を出します。フェンスで囲ってもハクビシンは非常に身体能力が高いので、1mくらいなら軽くジャンプして超えてくるでしょう。家畜を襲ったりゴミをあさったりするのでやはり駆除が必要です。
理由②病原菌
感染症
ハクビシンの習性は同じ場所で糞尿をすることです。屋根裏をハクビシンがすみかにすると、糞尿によって天上にシミができ悪臭がします。たまった糞はやがて腐りはじめさまざまな雑菌の温床となり感染症の発生源になる可能性があります。E型肝炎、レプトスピラ症、トキソプラズマ、サルモネラ症などを発症したら命にもかかわってくるでしょう。
寄生虫
ハクビシンの体についたノミやダニが人間やペットに寄生することがあります。ハクビシンは活発に動き回りますが、寄生虫をばらまいていると考えてよいでしょう。免疫力の高いハクビシンですが、ヒゼンダニに寄生されると全身に湿疹ができ毛が抜け落ち、見るも無残な状態になります。このダニは人間やペットにも寄生する恐ろしい寄生虫です。
理由③騒音
ハクビシンの体重はだいたい4kg前後で、体長は1m近くあります。そんな動物が夜な夜な屋根裏で運動会をしていると考えると、相当な音がすることでしょう。一匹でも騒がしいですが、繁殖して子供まで生まれたら、走り回る音やキューキューという鳴き声、吠え声などの騒音も大きくなります。
ハクビシンとタヌキの見分け方
行動
タヌキはイヌ科タヌキ属の在来種で、ハクビシンと同じく夜行性です。ハクビシンが木登りや垂直移動、ジャンプが得意なのに対して、タヌキは木登りはできますがあまり得意ではないようです。ハクビシンは指でものをつかめるので電線を渡る姿を目撃されますが、イヌが電線を綱渡りできないようにタヌキもできません。泳ぎは得意です。
ボタニ子
見た目
ハクビシンの鼻には白いラインが入っていますが、タヌキにはありません。目の周りから頬にかけて濃茶色で鼻筋も同じ色、口元は淡褐色です。ハクビシンはしっぽが細長く40cm前後で、体長は65cmくらいなのに対し、タヌキはしっぽがふさふさで太く15cm~20cm、体長は45cm前後になります。パッと見た印象はハクビシンは細長い、タヌキは丸いといった感じでしょう。
繁殖
ハクビシンの繁殖時期はとくに決まっておらず、春~秋です。1回の妊娠で1頭~5頭出産しますが、妊娠期間がおよそ2ヵ月です。さらに生後10ヵ月くらいから生殖活動ができるようになるので、とても繁殖力が強いといえます。タヌキの繁殖時期は5月~6月で1回で4頭~6頭、最多で12頭出産します。妊娠期間は3ヵ月~4ヵ月です。
ボタニ子
タヌキは生後9ヵ月~11ヵ月で生殖可能にはなるけど、実際に子供をつくるのは2歳~3歳くらいになってからね。
ハクビシンかなと思ったら
屋根裏で音がしたり、5本指の足跡を見つけたりしてハクビシンかなと思ったら、まずは自治体に相談してください。対策方法を教えてくれるでしょう。自分で撃退するのもよいですが、業者に頼むのも一つの方法です。果樹園や庭、畑に食べ物やゴミを放置せず、家にすきまがあるようならしっかりふさぐなどの予防も大切です。
ボタニ子
どうしてもとりきれない農作物にはシートをかけて、しっかりふさいでおきましょう。
- 1
- 2
タヌキってものすごく驚くと仮死状態になって人をだます習性があるんですって。これが「狸寝入り」の元になったのね。