ブルーパシフィックとは?
ブルーパシフィックは、ヒノキ科に属している常緑低木の園芸品種です。チクチクした葉先が特徴的な針葉樹(コニファー)で、グランドカバーに適しています。そのため、庭のフェンスや生け垣に這わせているのを見たことがある方もいるでしょう。剪定が必要ですが、メンテナンスが簡単な植物なので、初心者でも育てやすいです。こちらの記事では、ブルーパシフィックの剪定方法、増やし方、管理方法などを紹介します。
ブルーパシフィックの基本情報
学名 | Juniperus conferta Blue Pacific |
園芸部類 | 庭木、針葉樹(コニファー) |
原産地 | 北半球 |
形態 | 低木〜高木 |
樹高 | 1〜15m |
ブルーパシフィックは、成長速度が早く、暑さにも寒さにも強い植物です。ブルーパシフィックのようにグランドカバーに適した植物は、雑草の繁殖を防ぎ、土壌が流出するのを止めてくれる役割があります。ブルーパシフィックは、ビャクシン属に分類されていて、北半球の広い範囲に50種類ほどが分布しています。ビャクシン属は葉の色の種類が多く、育て方も簡単なのでガーデニング初心者の方におすすめのコニファーです。
ビャクシンの種類
ブルーパシフィックは、ビャクシンという部類に属します。ブルーパシフィックのようにビャクシンの仲間は、生け垣やフェンスに這わせすなどしてグランドカバーに使われることが多いです。ビャクシン属の植物は、見た目は似ていますがそれぞれ個性があります。では、これからブルーパシフィックと同じビャクシン属の品種を2つ紹介します。
ハイビャクシン
ハイビャクシンは、壱岐や対馬などに自生している品種です。ハイビャクシンは、四方に枝が伸びるのが特徴で、グランドカバーだけでなくロックガーデンなどにも適しています。乾燥や病気に強くあまり手入れは必要ありませんが、日陰だと生育が悪くなります。そのため、日陰を避け広い場所で間隔をあけて植えるとよく育つでしょう。植栽するときの間隔は、だいたい50〜60cmが目安です。
カイヅカイブキ
カイヅカイブキはビャクシン属の中でも、日本で最も多く栽培されている品種です。枝は、幹を中心にらせん状に上に向かって伸びていきます。剪定をせずに伸ばしっぱなしにすると、春にクリーム色の小さい花が咲きます。しかし、枝が短いため花はあまり目立ちません。伸ばした状態だと、せっかくの美しい緑の見栄えが悪くなるので、花が咲く前に手入れをすることをおすすめします。
ブルーパシフィックの剪定方法
剪定時期
ブルーパシフィックにとって、剪定はとても大切な作業です。ブルーパシフィックは、剪定することで葉が増え、枝が伸びます。そのため、剪定をすればするほど密に繁ります。根吹く前の2〜3月の間に行うと、茶色に変色する切り口が目立たなくなります。剪定は毎年行いましょう。葉がチクチクするので軍手をつけて行ってください。
剪定の仕方
ブルーパシフィックは剪定すると、脇枝が出てきてさらに茂っていきます。ブルーパシフィックは主に、間引き剪定と刈り込む方法の2種類です。間引き剪定をするとブルーパシフィック本来の自然な樹形を維持し、株を刈り込むと人工的に整った樹形になります。剪定の仕方によって自分の好みにあった樹形に整えられるのがブルーパシフィックの魅力のひとつです。
ブルーパシフィックの増やし方
ブルーパシフィックは、挿し木で増やせます。2〜3月が挿し木に適した時期です。伸びた枝の先端から10cmほどを切り取ります。切り口はカッターナイフや剪定バサミなどで、斜めに切り整え数時間水あげさせます。その後、きれいな土が入った鉢にさしましょう。挿し木後は乾燥を防ぐために、鉢ごと大きめのビニール袋に入れ密封させます。直射日光を避けて、しばらく保管してください。
ブルーパシフィックの育て方・管理方法
育て方・管理方法①栽培環境
ブルーパシフィックは寒さと暑さの両方に強いので、北海道~沖縄まで栽培が可能な植物です。ブルーパシフィックを育てるときは、水はけと日当たりがいい場所を選びましょう。日光が不足すると、葉が減り見た目が悪くなってしまうので気をつけてください。また、冬になるとブルーパシフィックの葉は、枯れたような色に変色します。しかし、春に向けて自然に色が戻っていくので、気にしなくて大丈夫です。
置き場所は水はけと日当たりを意識!
育て方・管理方法②水やり
鉢植え、地植え共に植えてから2年ほどの株は、土の表面が乾いたタイミングでしっかり水やりしましょう。根が張りきるまでは水切れしやすいので、それまでの水やりが大事です。ブルーパシフィックは乾燥に強いので、いったん根づいてしまうと、自然に降る雨水だけで大丈夫です。ブルーパシフィックは、基本頻繁に水やりをしなくても育つ植物ですが、日照りが強いときは水を与えてください。
根付くまではしっかりと水やりを!
育て方・管理方法③用土
ブルーパシフィックを育てるときは、水はけがいい土を選びましょう。あまり水がはけない粘土質が高いものは避けてください。ブルーパシフィックを初めて植えるときは、腐葉土や堆肥を3割ほど混ぜておくことをおすすめします。ブルーパシフィックは特に肥料が必要という植物ではありませんが、有機質肥料を株元の周りに埋めておくと、さらに元気に育つでしょう。
水はけがいい用土を!
育て方・管理方法④植え付け
ブルーパシフィックは、植え付け時期も特に選びません。基本的にいつでも植え付け可能ですが、梅雨の時期や春、秋が適しています。鉢植え、地植えともに植え付けは、苗の土を壊さずに根を切らないのがポイントです。その状態から崩れると、成長を妨げる可能性があります。また、ブルーパシフィックの根は荒いため、あまり移植に向いていません。植栽する場合は、植えたら動かせないことを頭にいれ、場所を決めましょう。
植え付けは根の形を崩さないよう注意!
育て方・管理方法⑤病気と害虫
病気
病気は、さび病とも呼ばれる赤星病に気をつけましょう。赤星病とは、2〜4月にかけて葉の表面にオレンジ色の斑点が現れ、その斑点が大きくなるにつれて葉の裏側にも円形の毛羽だった病斑ができます。病気が進行すると次第に枯れてしまうので、注意が必要です。もし赤星病にかかってしまったときは、発病初期の時点で、殺菌剤を1週間おきに数回にわけてまいてください。
害虫
害虫は、特にスギドクガに気をつけましょう。スギドクガはコニファーにつきやすい害虫です。スギドクガの幼虫は、緑の体に白と茶色の線が入っていて長い毛が生えています。毒はありませんが最悪の場合、葉を食い尽くします。4〜6月と7〜8月の年2回に食害を受けやすいです。繁っている葉の内側から食べられるため、外からでは被害が確認しづらいですが、足元にスギドクガのフンが落ちていないか注意してください。
赤星病とスギドクガに注意!
まとめ
ブルーパシフィックは、育て方が簡単なだけでなく、鉢植え、庭植え共に適している植物です。特にグランドカバーの植物に迷っている方は、ブルーパシフィックがおすすめです。また、剪定の仕方次第で自分の好きな樹形にできるのもブルーパシフィックの魅力です。ネットでも苗が購入できるので、ぜひ魅力たっぷりのブルーパシフィックを育ててみてください。
出典:写真AC