ベビーコーンとは
「ベビーコーン」とは、とうもろこし(コーン)の実を若いうちに収穫したものです。「ヤングコーン」とも呼ばれ、とうもろこしとは食感が違います。パックや水煮で売られていることもありますが、旬の時期に生で味わうおいしさは、季節を感じさせてくれるものです。
ベビーコーンの定義
ベビーコーンは、とうもろこしの成長過程で間引かれた実のことです。普通、とうもろこしは1本の苗から1本しか収穫しません。実は、最初になった実のほかにも、下から2つ目、3つ目の実がなります。しかし、1つ目の実に栄養を集約して大きく甘くするために、ほかの実は間引きます。この間引いた実こそが、ベビーコーンなのです。
ボタ爺
ボタニ子
ベビーコーンは、そうした状態になる前に収穫されるの。
とうもろこし(コーン)との違い
ベビーコーンの実は、芯のコリっとした歯ごたえが強く感じられます。この点が、とうもろこしとベビーコーンの大きな違いといえるでしょう。また、成長しきったとうもろこしとは甘さの度合いも違います。ベビーコーンの甘さは、実が未熟であるためとうもろこしよりは控えめです。
ボタニ子
とうもろこし(コーン)は野菜の中でもカロリーも栄養も豊富なんです。詳しく知りたい方はこちらの記事も見てくださいね!
ベビーコーンの特徴
特徴①旬
ベビーコーンの旬は5~6月ごろです。この時期だけ、スーパーや青果店などで、生のさや付きのベビーコーンを見かけられることも多くなるでしょう。ベビーコーンはこの季節ならではの野菜です。見かけた際はぜひ手に取ってみてくださいね。
特徴②ヒゲや薄皮も食べられる
とうもろこしを若いうちに収穫しているため、ベビーコーンのヒゲや薄皮は、やわらかくエグみもないためおいしく食べられます。とうもろこしでは味わえない、ベビーコーンならではの食感といえるでしょう。
特徴③生食できるものもある
品種改良により生食できるものも増えてきた
近年のめざましい品種改良により、生食できるとうもろこしの品種も増えてきています。ただし何本も生食するのは消化器官に負担をかけてしまうため、収穫したての旬の味を生で味わった後は、加熱調理しましょう。
ボタニ子
とうもろこしの品種をいくつも育てて、それぞれの味わいを比較するのも楽しいですよ。家庭菜園なら、収穫したてのベビーコーンも食べられますね。
ベビーコーンの下茹で調理法
さや付きの生のベビーコーンがたくさん手に入ったら、下茹でしておきましょう。下茹でをしておくと、色鮮やかで食感も損ないにくく、おいしく食べられます。サラダやパスタ、ピザにも下茹でしたベビーコーンを加えるだけで、ワンランク上の料理に仕上がりますよ。また、外皮を剥いたときに捨てがちなヒゲは捨てずにとっておき、おいしく調理しましょう。
鍋で下茹でする
- ベビーコーンの皮を剥き、ヒゲをとる
- 沸騰したお湯1Lあたり大さじ1杯の塩をいれて、茹でる
- 茹で時間は2~3分ほどでOK
電子レンジで下茹でする
- ベビーコーンの皮を剥き、ヒゲをとる
- 耐熱皿にベビーコーンを並べ、ラップをふんわりかけて電子レンジで加熱する
- 加熱時間はベビーコーン10本あたり、500Wで1分半~2分
下茹で後の保存方法
下茹でしたものは、冷蔵で2~3日ほど保存できます。ラップに包んだり、密閉できる容器に入れたりして冷蔵庫に保存しましょう。
冷凍保存の方法
下茹でしたベビーコーンは、冷凍保存ができます。下茹でして粗熱を取った後、ジップ付き保存袋に入れます。なるべく空気を抜いてから冷凍庫に入れましょう。食べきる目安は、1カ月ほどです。冷凍すると、ベビーコーンのコリコリシャキシャキした食感は、やや失われてしまいます。冷凍保存してあるものは、炒め物やスープなどに入れて使うのがおすすめです。
ボタニ子
下茹での方法を覚えておけばいろいろな料理に使いやすくなりますよ。ほかにも人気のレシピをみていきましょう。
おすすめのベビーコーンの食べ方
食べ方①ベビーコーンのグリル
生のさや付きベビーコーンが手に入ったときに、多くの人が楽しむ大人気レシピがグリルです。下茹でなどの前処理も不要で、さや付きのままグリルに入れるだけでおいしさが広がります。旬の時期しか味わえないレシピです。
材料(2人前)
- ベビーコーン(さや付き):7~10本
- 塩:適量
- オリーブオイル:大さじ1~2
作り方
- さや付きのまま、ベビーコーンの穂先を落とす
- ベビーコーンをさやの上から縦に切る(このとき、すべて切り落としてしまわないように。切れ目をいれるように包丁をいれる)
- 2でいれた切れ目から指を入れ、ベビーコーンの外皮を剥く
- 薄皮は食べられるので、2~3枚の皮は剥かずに残しておく
- 両面のグリルで10分弱じっくりと火をいれる
- 皮に焦げ目がつく頃に取り出し、塩とオリーブオイルをかけて完成
ボタニ子
薄皮も、中のヒゲも食べられますよ。どちらもサクサクとした食感で楽しい味わいです。実もヒゲも皮もおいしくいただきましょう!
食べ方②ベビーコーンのチーズ焼き
ベビーコーンのチーズ焼きは、グリル焼きの応用編です。ベビーコーンに、パルメザンチーズやとろけるチーズなどお好みのチーズをかけておいしく食べましょう。おもてなし料理やおつまみにもぴったりの1品ですよ。
材料(2~3人前)
- さや付きベビーコーン:10本程度
- オリーブオイル:大さじ1~2
- パルメザンチーズなど好きなチーズ:30g
- 塩コショウ:適宜
作り方
- オーブンは250℃に予熱しておく
- ヒゲをなるべくとってしまわないように注意しながら、ベビーコーンの皮を剥く
- 耐熱皿にベビーコーンを並べ、塩コショウをし、チーズを上からかける
- 最後にさらに上からオリーブオイルを回しかける
- 予熱しておいたオーブンにいれて15分ほど焼く
- チーズに焦げ目がついたら食べごろ
食べ方③ベビーコーンのほうれん草ベーコン炒め
ベビーコーンとほうれん草ベーコン炒めは、お弁当にもおすすめのレシピです。あらかじめ下茹でしておいたベビーコーンとそのほかの素材を、炒めあわせるだけで簡単に作れます。
材料(2~3人前)
- ベーコン:200g
- ほうれん草:1束
- ベビーコーン:6~8本(下茹でしてあるもの)
- バター:10g
- 醤油:小さじ1/2
- 塩コショウ:適宜
作り方
- ほうれん草は5cm幅のざく切りに、ベーコンは2cm幅に切り分ける
- ベビーコーンもほうれん草と同じくらいの長さに切り分ける
- フライパンを熱し、バターをいれる
- バターが溶けて香りが立ってきたところでベーコンとベビーコーンをいれて軽く炒める
- 最後にほうれん草を加え、醤油を回しかける
- ほうれん草がしんなりしてきたら、塩コショウで味を調えて完成
まとめ
旬の食材たちは、食卓に季節の彩りを届けてくれます。ベビーコーンの旬の時期は、5~6月と短く、まさに季節限定の野菜です。紹介した調理法のほかにも天ぷらや炊き込みご飯、スープなどさまざまな料理に使える便利な野菜です。店頭で見かけた際は、ぜひ手に取って旬の味わいを楽しんでくださいね。
ちなみにとうもろこしは収穫期を迎えると、ヒゲが茶色くなったり、粒の根元が黒くなる「ブラックレイヤー現象」が生じたりするぞ。