柚子の木とは
柚子は中国原産の柑橘類です。常緑の果樹で枝には鋭い棘があり、高さ2mほどに育ちます。黄色い果実をつけ柑橘類の中でも香りと酸味が強いので、古くから各種料理や入浴剤として利用されてきました。
柚子の木の基本情報
学名 | Citrus junos |
英名 | Yuzu |
科名 | ミカン科 |
属名 | ミカン属 |
原産地 | 中国 |
形態 | 常緑高木 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 強い |
開花や収穫はいつ頃?
柚子の木は、毎年5~6月頃に白色の花を咲かせます。結実すると徐々に大きく成長し、黄色く色づいていきます。種類にもよりますが、おおむね10~12月頃が収穫の適期です。
結実まで何年?
柚子の木は1本の木だけで結実します。最初の結実まで地植えの場合で4年前後、鉢植えで3年前後かかります。人工授粉は必要ありませんが、筆などで花をくすぐるようになでて受粉させるとより果実がつきやすいです。
柚子の木の育て方
柚子の木は柑橘類の中でも育てやすい種類です。柑橘類は温暖な気候を好む種類が多いですが、柚子の木は東北地方でも栽培できます。収穫目的での栽培はもちろんのこと、庭木として栽培するのもおすすめです。
育て方①栽培場所
柚子の木は日光を好みます。日当たりが悪い場所で育てると、果実がつかない原因となります。地植え・鉢植えともに、南向きで日当たりのよい場所で育ててください。
柚子の木は耐寒性があり乾燥や多雨にも強いので、日当たり重視で植え付ける場所を選びましょう。
育て方②用土
柚子の木は水はけのよい用土を好みます。地植え・鉢植えともに、赤玉土と腐葉土を1:1で混ぜ合わせたものを基本としましょう。水はけをよくする場合は赤玉土を増やし、保水性を高める場合はバーミキュライトを加えるなど、環境や栽培スタイルにあわせてください。
育て方③肥料
柚子の木は常緑の樹木なので、長くゆっくりと効果が続く肥料が適しています。有機化成肥料であれば、即効性と持続性の両方を兼ね備えているのでおすすめです。植え付け時に、株元から少し離した場所に肥料をまいてください。肥料分が不足すると花が咲かなかったり、咲いても結実しなかったりするので注意が必要です。
追肥
柚子の木は暖かい時期になると、活発に肥料を吸収します。そこで、6月と9月頃にも改めて肥料を施しましょう。追肥には即効性のある化成肥料が適しているので、株元に適量施してください。
鉢植えの場合は肥切れを起こしやすいので、確実に追肥しましょう!
育て方④植え付け
柚子の木の植え付けに適した時期は、2~3月です。地植えの場合は、苗の根鉢より一回り大きな穴を掘り、鉢植えの場合は元の鉢より一回り大きな鉢を用意します。苗から鉢を抜いたら軽く土を落とし、移植ゴテで根鉢の周りに切れ込みをいれましょう。苗を仮置きしたら周りに用土を入れ、最後にたっぷりと水やりをしてください。
育て方⑤水やり
柚子の木は乾燥に強いので、地植えの場合は雨の水だけで十分です。鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。特に夏の暑い時期は乾燥しやすいので、毎日水やりをしてください。
乾燥防止に、バークチップや藁を敷くのもおすすめです。
柚子の木の剪定と根切り
柚子の木は放任しておくと果実をあまりつけません。果実をより多く収穫できるように、剪定や根切りといった管理が必要です。剪定は一見難しそうですが、慣れてしまえばそれほど難しくありません。いつになっても果実がつかないときのために、根切りの方法もぜひ覚えてください。
剪定
柚子の木は、3月頃の新芽が動き出す前の時期に剪定をしましょう。ほかの果樹は、冬の間は根に栄養をためていますが、常緑樹である柚子の木は葉に栄養をためています。不必要な剪定は栄養を逃してしまい、果実をつけない原因になります。間引く程度の剪定をし、成長を妨げないようにしましょう。
剪定の方法
柚子の木の剪定の基本は、混み合う枝を間引いて木の中の日当たりをよくすることです。一番太い枝をメインに、バランスを見ながら3本ほど太い枝を残し、そこから伸びる細い枝を間引くように剪定していきます。また、長くなりすぎた枝は先端で切り戻すと管理しやすくなります。
根切り
柚子の木は環境がよすぎると、枝ばかり成長して何年経っても開花しないことがあります。そんなときは根切をすると根が細くなり、樹勢がおさえられて花がつきやすくなります。
根切りの方法
柚子の木の根切りの方法は、まず枝先の下あたり土をスコップで掘り起こします。根っこが見えてきたら剪定ばさみで4カ所ほど切り、掘った穴に腐葉土を混ぜた土を戻してください。腐葉土を混ぜることで細い根っこが生えやすくなります。その後は通常通りの管理をして、翌年の開花を待ちましょう。
まとめ
柚子の木は自宅で育てていると、料理のちょっとしたアレンジに使用できるので何かと重宝します。ジャムやシロップなどに加工すると長い間楽しめます。柑橘類の中でも育てやすく、一度植えれば何年も収穫可能です。ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
出典:写真AC