山桜桃梅（ユスラウメ）の花言葉と育て方！剪定や挿し木のやり方は？

山桜桃梅はそれほど肥料を必要とする植物ではありません。2月から3月に、元肥として堆肥や化成肥料を与えます。肥料はリン酸やカリを多めに含む物を使うのがコツです。窒素分が多い肥料は葉がよく茂りますが、実の付き方が悪くなってしまうので注意しましょう。なお、鉢植えの場合は元肥に加えて、8月にも追肥として少量の肥料を与えておきます。

山桜桃梅は過湿を嫌うので、水をやり過ぎないように注意しましょう。地植えの場合、根付いた後は基本的に必要としません。山桜桃梅は根を広く深く張る性質があるので、雨水などをしっかりと吸収できるからです。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水を与えます。

山桜桃梅の剪定作業の適期は、11月から3月の落葉期です。ただし、山桜桃梅はあまり剪定を必要としません。伸び過ぎた枝や混み合って重なり合った枝、直立した枝を取り除く間引き剪定で十分です。間引き剪定で幹に日光が当たるようになり、生長を促すので丁寧に行いましょう。地面から伸びるひこばえも、しっかり切り取ります。

順調に育つと、驚くほどたくさんの実をつける山桜桃梅ですが、実がつき過ぎると生長面で支障が出てしまい、来年の収穫に悪影響を及ぼします。実がつき過ぎている枝があれば、5月にある程度実を摘み取って調整しておきましょう。

山桜桃梅は病害虫に強い植物ですが、要注意なのは「ふくろみ病」と「カイガラムシ」です。ふくろみ病とは病原菌が原因で発生する病気で、これにかかると実が薄緑色の豆のように変形します。変形した実はすぐに取り除きましょう。防除法は、休眠期に薬剤を集中的に散布することです。カイガラムシはたまに発生することがあります。薬剤が効きにくいので、発見次第歯ブラシなどでこすり落とす方法が有効です。

山桜桃梅の増やし方には、とり木、挿し木、種まきの3つがあります。これらの方法を紹介しましょう。

挿し木の適期は7月なので、それに合わせて行いましょう。春に伸びた元気のよい枝を10cmから15cmほどの長さに切り取ります。葉は上部についている2枚を残して取り除き、新しく清潔な赤玉土（小粒）に挿しておきます。土に挿す前に発根促進剤を塗っておくと、発根率が上がるのでおすすめです。発根するまでは水を与え、乾燥しないように注意して管理します。

とり木とは、株から生えてくるひこばえを利用する方法です。山桜桃梅のひこばえは4月頃に生えてくるので、切らずに株元に土を盛っておきましょう。するとひこばえから根が出てきます。発根したのを確認したら、切り取って植え付ければOKです。

山桜桃梅の種は市販されていないので、熟した実から種を採取します。6月から7月に収穫した果実から採取し、よく洗って果肉を落としましょう。すぐに種まきできない場合は、湿らせた川砂や水苔などと一緒に密閉できるポリ袋に入れて、冷蔵庫に保管します。育苗ポットに市販の種まき用土、または赤玉土（小粒）を入れて種をまき、発根するまで乾燥しないように注意して管理しましょう。無事に育って15cmから30cmくらいに生長したら、植え付けていきます。

山桜桃梅は花も実も楽しめる上に、初心者でも育てやすい強健さを兼ね備えた素敵な植物です。ぜひとも家庭で健やかに育てて、美しい花と美味しい果実を存分に楽しみましょう。