アーモンドの花ってどんなの？桜の花に似ている？その特徴や見分け方を紹介

アーモンドはアジア南西部原産の植物で、日本でも栽培されています。桜に似た花をもち、3月頃になるとたくさんの花を咲かせる様子が見られます。

アーモンドの名前は、古代ラテン語の「アミグラダ」という単語に由来しています。アミグラダは「種の刻み目」という意味があり、種に何本も刻み目の入っているためつけられました。

アーモンドの花言葉は「希望」「永久の優しさ」「真心の愛」です。「希望」はアーモンドが葉よりも先に花を咲かせ、たくさんの実をつけることに由来しています。また「永久の優しさ」「真心の愛」は、アーモンドがイエスキリストの復活のシンボルとされているから、という説があります。

アーモンドは桜と近い時期に開花します。開花する期間は短いですが、美しい花を咲かせます。また、独特の香りがあり好き嫌いがわかれるようです。

アーモンドの特徴として、花が直接枝から咲くことがあげられます。サクラ科の多くの植物は花がらがありそこから花を咲かせますが、アーモンドには花がらがありません。そのため枝にはりつくように3輪ほどの花が咲いている、珍しい光景が見られます。

桜など花がらのある植物は、花後に花がら摘みをする必要があります。しかし、アーモンドの花には花がらがないため、そもそも花がら摘みが必要ありません。花がらによって腐ってしまう可能性も少なく、アーモンドの栽培は桜よりも簡単に行えます。

アーモンドには「早咲きアーモンド」と「遅咲きアーモンド」があり、それぞれ花の色が違います。3上旬頃に咲く早咲きアーモンドは薄いピンク色ですが、4月上旬頃に咲く遅咲きアーモンドはとても濃いピンク色です。

アーモンドの花は、つぼみのときに気温が低ければ低いほど花の色が濃くなります。そのため1ヶ月ほど寒さにさらされている早咲きアーモンドよりも、2ヶ月ほど寒さにさらされている遅咲きアーモンドの方が色が濃くなるのです。

アーモンドの花の香りは杏仁豆腐のようだといわれており、開花時期になると独特の香りが発せられます。ツンとするような香りはかなり好き嫌いがわかれるようで、「アーモンドを育てたいが匂いが嫌いで断念した」という方もいるようです。

アーモンドは実際に、杏仁豆腐の材料として使われることもあります。日本で販売されている杏仁豆腐にはアーモンドエッセンスが使われていることが多く、杏仁豆腐を作る重要な材料の1つです。また、杏仁の香りを出したいときにアーモンドエッセンスが用いられることもあります。

アーモンドと桜は同じサクラ科ということもあり、花がとても似ています。その2つの花の見分け方のポイントは開花時期です。アーモンドは3月中旬頃に満開になるのに対して、桜の花は3月下旬頃に開花します。そのため、3月頃にどちらかわからない花を見つけたら、花の数が多い方がアーモンドの可能性が高いです。また、花がらのあるなしでも見分けられます。

海外では気候の違いもあり、アーモンドの花は2月上旬頃から見られます。暖かいスペインや中南米ではさらに早く、1月下旬から見ることも可能です。このため、海外では桜とアーモンドがさらに見分けやすくなっています。

スモモはサクラ科ではありませんが、サクラ属に属するアーモンドの近縁種です。そのため花も似ており、淡いピンクや白色の花を春になると咲かせます。しかし、スモモとアーモンドは花がらがあるかないかで簡単に見分けられます。スモモには長い花がらがありますが、アーモンドには花がらがありません。

アーモンドの花とスモモの花を見分けるもう1つのポイントとして、花の切りこみがあります。アーモンドは花弁の先端に小さく切りこみがありますが、スモモにはその切りこみがありません。

アンズもアーモンドととても似た花を咲かせますが、簡単に見分けることが可能です。アンズは真っ赤で大きなガクを持っているのに対し、アーモンドのガクは小さく緑色です。また、アンズのガクの反りが大きいという特徴でも見分けられます。

アンズの花は梅の花にも似ています。花弁数も同じ5枚で開花時期もほぼ同じと、似た特徴が多くあります。どちらかを見分けるときには、樹皮に縦の筋が入っているかどうか確認するとよいでしょう。筋の入っているほうがアンズです。

アーモンドの花は独特の香りがし、花がらがないという珍しい咲き方をします。また、アーモンドの花は桜の花とよく似ていますが、ポイントをおさえれば簡単に見分けられます。開花時期になったら、ぜひ2つの花を見分けてみてください。