寒肥には未発酵のものを選ぶべき?
有機質の肥料はそのほとんどが発酵してはじめて効果が出てくるもの。寒肥は施してから春までの期間を発酵時間に当てているわけですが、発酵するときにつきものなのが臭いの問題です。
最近の主流は発酵済み
油かす、生ゴミ堆肥、鶏糞などの畜糞、「ボカシ」と呼ばれるブレンド発酵肥料、すべて発酵の過程ではガス・熱を発し、臭いが出てしまいます。冬の寒い時期は臭いが少なめとはいえ、近隣への配慮もあって近年ではあらかじめ発酵済みの肥料を使うやり方が主流になってきています。
発酵済みなら2月でOK
発酵済みのものは、すぐに根が吸収できる形になっています。ということは、長く期間を取る必要もなくなります。寒肥を入れるのは芽吹きが近い2月後半ごろでも大丈夫です。
化成肥料ではいけないのか?
緩効性なら大丈夫
化成肥料でも「緩効性(ゆっくり溶け出す)」のもの、かつ強すぎないものを選べば大丈夫です。即効性のある肥料では春になる前に流れてしまうからです。
有機と化成のブレンドもあり
均一な効き目とバランスが取れた栄養分の化成肥料に対し、有機肥料はじっくり微生物を活性化させてフカフカの良い土に改良するという効果があります。腐葉土に緩効性の化成肥料を混ぜるなど、両方のいいところをとったやり方もあります。
寒肥のやり方
それでは実際の与え方を見ていきましょう。場所は栄養を吸収する細い根が張っている、根の先端あたりです(植木の幹近くでは十分な効果が得られません)。枝と根の先端はだいたい同じ位置であることが多いので、植木の地上部の一番外側を目安にしましょう。輪状にぐるりと入れるやり方、時計の文字盤のように何ヶ所かスポットで入れるやり方などがあります。
根を切ることで逆に伸ばす
10〜20cm程度の穴を掘って寒肥を入れます。この時少し根を切ってしまうことになりますが、これが新しい根を伸ばすきっかけにもなり、花や実をつけさせるための刺激にもなるようです。植木にとってはダメージですが、休眠期には最小限に抑えられます。
まとめ
古くから庭師の技として施されてきた寒肥。有名な庭園などで見事な花を咲かせている庭木の根元を見ると、きちんと寒肥が施された跡があるのを見かけることがあります。園芸のオフシーズンである冬ですが、この時期のひと手間で差がつくものですね。
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