ソラマメの生育トラブルと対処法
ソラマメを栽培していると、思わぬトラブルにみまわれることもあります。トラブルをそのままにしておくと枯れてしまったり、サヤがならなかったりと、収穫にたどり着けなくなります。ソラマメ栽培でよくあるトラブルを知って、発生時に速やかに対処してください。
花が咲かない
ソラマメは、小苗の状態で一定期間寒さに当たらないと、春になっても花を咲かせません。間違えた育て方をしてしまうと寒さに当たれず、花も咲かずにサヤがなりません。
定植時期
ソラマメは冷涼地を除いて秋に苗を植え付け、畑で越冬させることで、寒さを経験します。そのため、春に苗を植え付けるといつになっても花が咲きません。また、早すぎる時期に苗を植えて大きな状態で越冬しても、花が咲くことはないでしょう。必ず地域にあわせた種まき、定植時期を守って栽培してください。
寒さ対策
ソラマメを越冬させるときに、ほかの野菜と同じように寒冷紗のべた掛けやトンネルを掛けて保温してしまうと、寒さに当たれず花が咲かないことがあります。雪が降ったときや寒波が来ると心配になる人も多いですが、マイナス10℃くらいまで耐えられるため、寒さ対策は必要ありません。
サヤが付かない
ソラマメは暖かくなると急激に成長し始めます。枝葉が茂ると、中心部に日が十分に届かず、生育が悪くなってしまいます。また、多くの枝葉が茂りすぎると肥料不足となり、十分な養分が行き渡りません。健康なソラマメは、1株に10本以上の枝がでるため、特に生育のよい6本前後を残して切り取ってしまいましょう。
大きく育たない
ソラマメは連作障害の影響を受けやすい野菜です。ソラマメだけでなく、エダマメやエンドウ、インゲンなどの同じマメ科の野菜を育てた場所ではうまく育たないことが多いです。連作障害をさけるために、マメ科の野菜を育てた場所では4~5年あけて栽培しましょう。
アブラムシが大量発生する
ソラマメは、アブラムシが好む野菜のひとつです。アブラムシに寄生されると、株が弱ったり、ウイルス病を媒介されたりします。アブラムシはキラキラしたものを嫌うため、市販の反射テープや、シルバーマルチを張って予防しましょう。また、特に寄生されやすい穂先を摘芯すると、飛来を減少させられます。万が一大量発生した場合は、市販の殺虫剤を散布しましょう。
ソラマメのおいしい食べ方
家庭菜園で収穫したソラマメは、スーパーなどで購入したものと違い新鮮です。鮮度を生かしたおいしい食べ方にチャレンジしましょう。
おいしい食べ方①塩ゆで
ソラマメは、シンプルに塩ゆでするだけでおいしく食べられます。家庭菜園で収穫すれば、鮮度の落ちやすいソラマメも新鮮なままです。新鮮なソラマメだからこそ、シンプルに塩ゆでで食べてみてはいかがでしょうか。おかずとしてはもちろん、お酒のおつまみやダイエット食にもおすすめです。
おいしい食べ方②丸焼き
ソラマメの丸焼きは、塩ゆでと同じくシンプルにソラマメのおいしさと香りを楽しめる食べ方です。ソラマメはサヤから出すと急速に鮮度が落ちるため、サヤごと焼いてより新鮮なソラマメを楽みましょう。豆はサヤの中で蒸し焼き状態になり、香りや旨味がギュッと濃縮され、濃い味がします。お好みで塩や醤油をつけて食べてください。
おいしい食べ方③チーズをのせて焼く
ソラマメの独特の香りが苦手な人もいます。そこで、フライパンやオーブントースターでチーズと一緒に焼いてみましょう。香りが和らぎ食べやすくなります。とろけたチーズと、ソラマメのホクホクとした食感の相性が抜群です。ニンニクを混ぜると大人の味に変化し、お酒のおつまみにもおすすめです。
おいしい食べ方④ソラマメの肉豆腐焼き
ソラマメは中の豆だけを食べてサヤは捨ててしまう人が多いです。しかしサヤと豆の間にあるワタには、多くの栄養が残されており、甘味と旨味の濃縮されています。そこで、サヤごと食べやすいように肉豆腐を挟んだ肉豆腐焼きがおすすめです。肉豆腐を挟むことでワタが蒸し焼きにされ、トロトロになっておいしくなります。お肉がプラスされるので、食べ応えのあるおかずになります。
材料(2人分)
サヤつき空豆 4本
絹ごし豆腐 110g
豚ひき肉 40g
塩 小さじ1/4 (1g)
酒 小さじ1/2
オイスターソース 小さじ1/2
こしょう 少々
作り方
- サヤを開いて豆を取り出す(サヤは捨てない)
- 熱湯で約30秒茹で、粗熱を取った後に薄皮をむく
- 保存袋などに豆以外の材料をすべて入れ、手でよくもんで混ぜる
- サヤの中に3を詰める。平らにならすのがポイント
- その上に豆をのせ、サヤを蓋のように被せる
- 両面焼きグリルに入れたら強火で10分焼く。器に盛ったらできあがり
おいしい食べ方⑤ソラマメのペースト
家庭菜園では、一度に大量のそら豆を収穫できることもあります。そのようなときにおすすめなのが、ペーストにして保存する方法です。ペーストにしておけば、トーストやバケットに塗って食べたり、野菜をディップしたりするなど幅が広がります。冷凍保存もできるため、大量に採れたときに作っておくのもよいアイデアです。
家庭菜園で新鮮なソラマメを楽しもう
ソラマメは鮮度が落ちやすいため、家庭菜園で育てて新鮮なものを収穫してこそ、本来のおいしさを味わえます。よりおいしいソラマメを食べるポイントは収穫時期を見逃さないことと、肥料分の調整です。収穫時期の見分け方を参考に、ぜひ家庭菜園でもソラマメを育ててみてください。
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