センリョウ(千両)とは
センリョウは、別名「クササンゴ」と呼ばれるように、鮮やかな赤い実をつける植物です。昔から花が少ない冬の時期を彩ってくれる植物として育てられてきました。庭木として育てられることが多いですが、お正月飾りとして生け花や水挿しで飾られることもあります。
センリョウ(千両)の基本情報
学名 | Sarcandra glabra |
科名 | センリョウ科 |
属名 | センリョウ属 |
別名 | クササンゴ |
形態 | 常緑低木 |
原産地 | 日本を含む東アジア一帯 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 普通 |
センリョウ(千両)の育て方
育て方①植え付け場所
自生地では大きな木の縁の直射日光が当たらない場所に生えています。そのため、植え付け場所には明るい日陰が適しています。また、あまり強い風が当たると倒れてしまうことがあるので、注意してください。
鉢植えの場合
鉢植えの場合は、季節ごとに置く場所を移動させましょう。春~秋は軒下などの半日蔭に置き、冬場は室内の明るい場所に置くと理想的です。関東以西であれば屋外でも越冬できますが、室内のほうが安全に育てられます。
育て方②植え付け・植え替え
植え付けは、根鉢より少し大きい穴を掘り、掘った土に腐葉土を混ぜ、それを戻して植え付けましょう。あまり深く植えすぎると、うまく成長できなくなってしまいますので注意してください。
鉢植えの場合
センリョウは水はけがよく、肥沃な用土を好むので、赤玉土:腐葉土を3:1で混ぜたものか、市販の草花用土でも大丈夫です。あまり小さな鉢は地下茎の成長を止めてしまいますので、一回り大きな鉢に植え付けてください。
植え替え
鉢植えの場合は2年に1回を目安に、一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。センリョウは地下茎から新しい芽が出てきますので、新しい芽がたくさんある場合は、地下茎を切り分けてそれぞれ植え替えてください。
育て方③水やり
植え付け直後は水やりが必要となりますが、その後は極端に乾燥しない限り、水やりは必要ありません。鉢植えの場合は表面が乾いたら水やりを行いましょう。夏と冬場に乾燥させすぎないことが、うまく成長させるポイントです。
育て方④肥料
基本的には肥料は必要ありませんが、早く大きくさせたい場合は5~6月頃に緩効性肥料を与えましょう。しかし、チッ素が多い肥料を与えすぎると成長し続けてしまい、花が咲かずに、実を付けなくなってしまうことがあるので注意してください。
育て方⑤剪定
センリョウは剪定をしなくてもある程度自然に樹形を維持してくれます。自然な樹形が気にならないのであれば、敢えて剪定をしなくても大丈夫です。ただし、年月が経ち大きく成長した株は、重みで垂れてしまうので、剪定が必要となってきます。
剪定をする場合
センリョウは枝先に実がつくので、切り戻し剪定はあまり好ましくありません。3年以上経った古い枝には実が付かないので、根元から切り取ってしまいます。枯れた枝や、細い枝を剪定すると風通しがよくなり、病害虫を防げます。
切り花として楽しむ
剪定した枝は、お正月の飾りなど、切り花として楽しめます。その場合は、実の付いた枝を根元からカットし、花瓶などに挿して飾りましょう。数日に1回花瓶の水を変えて手入れすると、数か月は観賞できます。
センリョウ(千両)の増やし方
センリョウは挿し木や実生で簡単に増やせます。大きく育つまでに時間はかかるものの、種や小さな挿し穂から育てればより愛着もわくのではないでしょうか。こちらでは、それぞれの方法をご紹介していきます。
増やし方①挿し木
挿し木の時期
挿し木は3~7月頃まで行えます。3~4月頃は、新芽が伸びる前の枝を使用し、5~7月頃は新芽の中で勢いのある枝を使用します。7月になり暑い日が出てくると成功率が下がるので注意してください。
挿し木の方法
まず、2~3節を残した状態で枝を切ります。水分の蒸散を抑えるために葉の半分でカットし、水に浸けて吸水させましょう。湿らせた鹿沼土や赤玉土に穴をあけ枝を挿し、日陰で管理してください。
挿し木後の管理
挿し木した枝は、発根まで数か月かかります。その間に乾燥しないようこまめに水やりをしてください。枝を軽く引っ張っても動かなければ発根していますので、通常の用土を入れた鉢に鉢上げをしましょう。
増やし方②種まき
種の採り方
秋から冬にかけて、十分に熟した果実を採取します。水に漬けながら果肉を取り除き、中の種子だけの状態にしましょう。このときに果肉が残っていると、カビの原因となることがありますので、注意してください。
種まきの方法
取り出した種子は乾燥すると発芽能力が落ちるので、すぐにまきます。市販の種まき用土か、赤玉土にまき乾燥させないように管理してください。暖かくなってきた春になると発芽してきます。
まとめ
センリョウの育て方についてご紹介しました。センリョウは、管理にそれほど手間のかからない植物です。彩が少ない冬の時期にきれいな赤い実を付けてくれるのも魅力の一つです。普段は庭木として栽培し、冬の間は切り花として楽しむのがおすすめです。ぜひ育ててみてください。
出典:写真AC