いちじくの概要
いちじくはクワ科の落葉高木で、アラビア半島南部が原産地といわれています。品種は何千種類とあり世界中で栽培され、日本でも多くの品種が育てられています。漢字では「無花果」と書くほど、花が目立たない植物です。
いちじくの特徴
いちじくはつるっとした外見とは裏腹に、中は白いひげと粒が詰まっています。つぶつぶの独特の食感とねっとりとした甘さがおいしく、品種によって味が異なるため飽きのこないフルーツです。味だけでなく美容と健康に嬉しい成分が含まれており、健康に気を遣いたい人にもおすすめです。旬の季節が初夏から秋までと長いため、長い間楽しめますよ。
特徴①つぶつぶが果実
漢字で「無花果」と書きますが、花が咲かないわけではありません。木に花を咲かせるのではなく、外からは見えない果実の中で無数の花を咲かせます。花が咲かないように見えることから、無花果と付けられました。赤色に見える部分が花で、食べたときに感じる独特のぷちぷちした食感のつぶつぶが果実です。
特徴②栄養価が高い
いちじくは、ペクチンを豊富に含み整腸作用に効果があるといわれています。また、カルシウムや鉄分などもバランスよく含まれており、貧血の予防にも効果があるとされています。ポリフェノールの一種も含まれており、シミや老化を防ぐ効果が期待でき、女性には嬉しいフルーツです。おいしくて美容にも健康にも効果が期待できるのは、まさに一石二鳥な果物ですね。
特徴③品種が豊富
日本で生産されるいちじくの品種は、桝井ドーフィンと蓬莱柿で8割以上です。ほかにもビオレドーフィン、ザ・キング、ゼブラスイート、バナーネなどさまざまな品種が栽培されています。また、福岡県で開発された独自ブランドのとよみつひめのように、その土地でしか収穫されないいちじくもあります。
有名な生産地はあるの?
日本の主な生産地は愛知県、和歌山県、兵庫県、大阪府、福岡県とおもに西日本が占めていますが、東日本でも茨城県では、稲作の転作としていちじくの栽培が進められています。
いちじくの旬は2回ある
いちじくの旬の季節は夏と秋の2回で、6月下旬~10月中旬にかけてです。品種によって結実する時期が違い、それぞれ「夏果」「秋果」と呼ばれ、味も大きさも違います。2回ある旬ごとのいちじくの特徴や違い、いつから手に入るか知っておくと、食べ比べが楽しめますよ。
1回目の旬は夏
1回目の旬の季節が、6月下旬~7月上旬にかけて果実が成熟する夏です。夏に収穫されるいちじくは夏果と呼ばれ、日本では生産量が少なく市場に出回るのはわずかです。前の年の秋に花芽がつき、冬を越し、夏に実になる果実はじっくり時間をかけて育つため、実が大きく食べごたえがあります。品種は、滑らかな食感で食べやすいザ・キングや甘み、香りとも強いビオレドーフィンなどがあり、露地栽培されています。
ボタニ子
ボタ爺
収穫時期が梅雨と重なるため腐りやすく、収穫量が少なくなってしまうんだよ。
2回目の旬は秋
2回目の旬は、8月中旬~10月中旬までに果実が成熟する秋です。春に伸びた新しい枝に晩夏から果実がなり、秋に収穫されるいちじくは「秋果」と呼ばれます。実は小さいですが、甘みがぎゅっと詰まっていておいしいです。品種は、ほのかな酸味がある蓬莱柿や、日本での栽培が少なくなかなか見かけられないビオレソリエスなどがあります。
夏秋兼用果もある
いちじくの品種には、夏も秋も収穫できる夏秋兼用果もあります。茨城県で最も多く栽培されている桝井ドーフィンや、福岡県独自の品種であるとよみつひめは有名です。桝井ドーフィンは、ねっとりとした甘みとほんのりした酸味が感じられます。とよみつひめは、肉厚で糖度が15度以上もある甘みの強い品種です。夏から秋の季節を通して、長く旬を味わえます。
旬のいちじくの食べ頃の見分け方
いちじくの食べ頃がいつか見分けるポイントは形、色、香りと3つあります。この3つのポイントを押さえれば、食べ頃のいちじくを見きわめられますよ。いつでもおいしく食べるために、ポイントを押さえていちじくを楽しみましょう。
食べ頃の見分け方①形
いちじくのフォルムが、できるだけ丸みを帯びているのを選びましょう。ふっくら丸く、大きいかを確認してください。食べ頃のいちじくは、丸く、ぽってりとした形をしています。完熟すると、底に裂け目ができます。大きく裂けているものは熟しすぎているため、中の花が少し見えているか確認してくださいね。
食べ頃の見分け方②色
いちじくは品種によって、皮が赤むらさきやグリーンと色が違いますが、ハリとツヤがあり、傷がないか確認してください。ハリがあれば中身がしっかりして詰まっている証拠です。反対に柔らかすぎると、熟しすぎている可能性があるため避けましょう。
食べ頃の見分け方③香り
香りも旬のいちじくを見分けるには、大事なポイントです。食べ頃のいちじくは、甘くよい香りがします。ただし香りがよくても、実が柔らかすぎるのは熟しすぎているため、注意しましょう。
どうして夏果は生産量が少ないの?