牡丹(ボタン)ってどんな花?
牡丹の基本情報
別名 | 百花の王 富貴草 二十日草 深見草 天香国色 |
植物分類 | ボタン科ボタン属 |
園芸分類 | 落葉低木 |
原産地 | 中国 |
草丈:花の色 | 0.5~2m:白・ピンク・赤・オレンジ・黄・緑・茶 |
開花時期 | 4月中旬~5月下旬 |
耐寒暑性 | 耐暑性:弱い 耐寒性:強い |
立てば芍薬(シャクヤク)座れば牡丹(ボタン)
美しさの代名詞として多用されてきた牡丹の花。牡丹と聞いて上記の言葉をイメージされる方も多いことでしょう。別名「百花の王」と呼ばれる牡丹は、中国から日本に伝わり明治時代からさかんに品種改良が行なわれてきました。多彩な花色と、一重・二重・八重・千重・万重・獅子咲きといった花びらの形状を楽しめることが、牡丹の醍醐味といえるでしょう。
別名の由来
牡丹には多くの別名があり、どれもなるほどとうなずけるものばかりです。
- 百花の王:まさに花の世界の王者たる風格から
- 二十日草:牡丹の花が咲く期間が二十日ほどというところから
- 天香国色:この世のものとは思えない香りと国中で最も美しい色から
- 富貴草:豊かな花びらと、高貴な花が咲く姿から
- 深見草:(深丹草より変化)牡丹の深い紅色の美しさを称えたことから(丹とは紅色を意味する)
ボタニ子
牡丹の特徴
植物としての特徴
牡丹の花は上記で述べたように、花びらの形状で雰囲気が変わってきます。つぼみは若干とがり気味で、つやのない葉には丸みがあり、葉先は切れ込みのある形状です。そして落葉低木で枝分かれする性質を持っています。「座れば…」のくだりは、横に広がって育つようすを表現したものだともいわれています。
牡丹と俳句の関わり
季語として個別に意味をもつ牡丹
牡丹は昔から人々の生活ともかかわりが深く、見て楽しむだけでなく、和歌や俳句などにも詠まれてきました。季語としての牡丹は、通常であれば夏を意味するのですが、「牡丹」という言葉の入ったいくつかの言葉が、場面にあった季節を表現する季語として使われています。
- 春の季語:牡丹の芽
- 冬の季語:冬牡丹・寒牡丹・牡丹焚火
ボタニ子
牡丹は園芸だけでなく、文学の分野でも人気者だったのね
牡丹の開花時期
牡丹の開花日数
別名は「二十日草」
別名の「二十日草」からもお分かりのように、牡丹の開花日数はおよそ二十日間といわれています。しかし、これは古の詩歌や俳句に謳われていることで、一輪の花の実際の開花期間は、長くても一週間前後といったところです。たくさんの牡丹が途切れず順々に咲くようすが、牡丹の開花期間を長く感じさせているのかもしれませんね。
開花季節の異なる園芸品種
春牡丹の開花季節
一般的に牡丹と呼ばれているものが春牡丹に相当します。開花時期は4~5月と、初夏の庭を華麗に彩ってくれます。この時期には牡丹を見るためのイベントが観光地やお寺などで多数ありますので、豪華絢爛な花びらを見に足を運んでみてはいかがでしょうか。
寒牡丹の開花季節
寒牡丹とは、自然の状態で二季咲きする性質を遺伝的に持っている牡丹のことをいいます。寒牡丹の花の時期は春と秋の二回。春牡丹同様の4月上旬と、10月半ばから1月あたりに開花します。秋からの花を充実させるのであれば、春の蕾を摘み取るとよいでしょう。また、気候条件によっては開花せずに終わってしまう場合もあります。寒牡丹には葉が無く、花だけが咲くといった特徴があります。
冬牡丹の開花季節
寒牡丹があるのに冬牡丹もあるの?と不思議に思われる方もいらっしゃることでしょう。自然に開花する寒牡丹とは異なり、冬牡丹は開花時期を人の手によって意図的に変えられた品種になります。これは春牡丹の生育環境を温室などで気温調整をして春と錯覚させて開花させる方法になります。
ボタニ子
冬牡丹の正体は、開花時期を騙されちゃった春牡丹ってことなのね
多肉植物「白牡丹」
ボタニ子
この間「白牡丹あげる!」って分けてもらった植物があるんだけど、どう見ても牡丹じゃない…でも白牡丹だって言うし…
その通り!それは白牡丹であって、牡丹じゃないよ
ボタニ子
ええっ?どういうこと?
牡丹の名のつく多肉植物
「白牡丹」は多肉植物の品種名で、その形が白い牡丹の花が咲くようすに似ているところからこの名前が付けられました。分類としてはグランベリア属になります。なんとも紛らわしい名前ですが、似ているからという理由で同じ名前を付けられるでしまうことはよくある話ですね。通信販売で白牡丹を購入の際にはお気を付けください。
まとめ
春牡丹、寒牡丹、冬牡丹と開花の時期は違っても、牡丹の花の美しさに変わりはありません。いつの季節でも牡丹の花を楽しみたいという先人たちの思いが、現在の牡丹のたくさんの園芸品種を生み出すきっかけになったのかもしれませんね。
それにしても、どの別名もとてもゴージャス!